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日本の素晴らしき伝統的UIUX

はじめに

SHIFT DAAE部の小田長です。
この記事では日本のUIUXのいけてる部分をお話しします!

デジタルのUIUXトレンド(例えば、スタイリングデザインではマテリアルデザインしかり)が海外で発生して、それを必死でコピーするみたいなスタイルが日本のひとつの悲しきデジタルUIUX事情ですが、こうした側面に一石投じたいと思い、日本の伝統的UIUXを紹介したく思います。

それには日本の文化を紐解くことで、日本人だからこそ生み出すことができるUIUXのヒントになるのではないかと考えています。

1.日本の歴史的UIUX1 霞堤(かすみてい)
2.日本の歴史的UIUX2 広島の平和記念公園

1.日本の歴史的UIUX 霞堤(かすみてい)

UIとはそもそも何かと何かの境界線と捉えることができますよね?
サービスと人、プロダクトと人、今はデジタルな境界線のことばかりな時代な感じがしますが、つまりUIとは人の形と人が接触する対象物の接触面をうまいことお互いがいい感じに相互作用できるようデザイン(設計)するってことかなと。(いい感じにっていうのはすごく曖昧ですが)

そんな境界線のデザインの話をします。
まずは霞堤※1のお話しです。

イメージ図 作:筆者

霞堤は武田信玄が考案したとされていて、河川の両脇に斜めに防波堤をつくったものです。

イメージ図 作:筆者

図2の右ように霞堤は水があふれると、あふれた分だけ川の左右にある田んぼに水がいきわたります。さらに、溢れた水は再度川に戻ります。

つまり、山から流れた栄養価の高い水が田んぼに自然の力を使っていきわたる。

これは「人の暮らし」と「自然」の境界線がデザインされたものであると言える。

今は図1のようにコンクリなどで防波堤をつくり、完全に隔絶されたデザインになっています。

昔の日本人が考え出したUIは自然への配慮が行き届いていた。
これは人間の暮らしと自然の力をいい感じにバランスをとった境界面といえる。

双方向性があるUIデザインと言っていいかもしれません。

2.広島の平和記念公園

ル・コルビジェの弟子である前川國男のさらに弟子である丹下健三がデザインした広島の平和記念公園※2のデザインに関して。

イメージ図 作:筆者

平和大通りと原爆ドームの間に平和記念公園はあり、その祭壇である広島平和都市記念碑と原爆ドームの二点は図4のようにまっすぐ平和大通りと直角にぶつかるようにデザインされている。さらに記念碑の前には平和の池があり、人が記念碑と原爆ドームの間に立てないようになっている。

わざわざ立ち入り禁止の立て看板を置かなくても、人が入らない。記念碑からまっすぐ見える原爆ドームへの視界は邪魔されないデザインになっている。

イメージ図 作:筆者

原爆ドームと平和大通りは公園より以前に存在していた。つまり、これは周囲の環境に合わせて公園がデザインされていることになる。

公園だけデザインせずに、公園の接触面を環境に合わせてデザインしたポイントが非常に美しく感じる。

このように、以上の2つの例を見ると、プロダクトそのものより、周辺への配慮が伺える。配慮の種類を増やすことで、お互いの力をバランスよく発揮するようにデザインされている。

プロダクト開発する時に、どうしてもプロダクトそのものにフォーカスし、
プロダクトにとって都合のよい、使う人間にとって都合がよい、お互いの力が相互に作用するように配慮されていない場面はよく見かけるように思う。

「何か」と「人」のコミュニケーションの境界面のデザインをしているのだから、どちらかが我慢するのではなく、お互いの長所が生きるようにデザインできたら、きっともっと気持ちのいい価値のあるものができるのではないかと思う。少なくとも日本にそういう文化や考え方は例のようにある。

他にも、たとえば、InstagramのUIUXチームは日本のUIUXの文化を学ぶため、日本にチームをおいたりと、海外から日本の文化を学ぼうとしている人たちもいます。

昨今の海外ツールや考え方を主流とする流れの中で、日本人が元来持っている共創の考え方はUIUXに生かせるのではないかと考えています。

※1 出典 流域治水に武田信玄考案の霞堤「地域での合意形成必要」(2022.08.25閲覧)

※2 出典 広島記念公園におけるランドスケープデザイン(2022.08.25閲覧)

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筆者プロフィール: 小田長 篤
SHIFT DAAE部所属のサービスディレクター。
主にプロダクトと集客周りのクリエイティブまわりを担当。

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