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その大学の池上彰=ストーリーテラーは誰か?

以前、大学はコンテンツの宝庫、やもすればコンテンツばかりを生み出してしまう、という記事を書きました。

総合大学の学部学科は多岐にわたり、それに応じた記事やネタが数多く存在しています。その結果、大学では記事の数が増えすぎているという問題が発生しています。

記事の洪水に埋もれずに注目されるためのテクニックや、キーワードの選定についても触れます。総合大学で記事を書く際には、この記事を参考にして頂ければと思います。

ただし、コンテンツが多くすぎると、その短大のコアコンピタンスが何なのか? がその大学のブランド、何を学べるか? 分かりくくなってしまうという諸刃の剣の一面もあります。

大学のネタをどう見せるか?広報の腕の見せ所

大学の記事の内容はさまざまですが、流れていくニュースは基本的に社会や高校生がターゲットであり、彼らに伝えること。
そして、第三者が裏側の意図を解説して伝えることが重要だと考えています。

現代の消費者は、単に商品を売り込むためにテレビCMだけでは十分に説得されなくなりました。
商品を購入する際には、商品に関する背後にあるストーリーや理由を知りたいと考える人が増えています。これは、商品が持つ価値や意義を理解することで、購買意欲が高まるからです。

言い換えると、商品が持つ特徴や利点だけでなく、その背後にあるエモーショナルな要素やストーリーが重要となっています。

大学に入学を決める、大学のファンになることも同じことだと考えます。

現代の高校生や保護者にとって、大学選びも単なる情報だけではなく、その大学に纏わるストーリーや理念が重要です。
大学が提供する教育や環境だけでなく、その背後にあるエモーショナルな要素や施策の裏側を高校生や保護者は知りたいと思います。

大学選びのプロセスで、ニュースの裏側に真実の価値や新しい発見があり、大学に対する理解が深まる瞬間がある「目から鱗」の感情。
従って、大学の魅力を伝える際には、単に学科や施設だけでなく、その大学の独自の物語や情熱を伝えることが大切です。

誰が大学のストーリーテラーになるのか?

その「裏側」は正規の文脈とは別に平易で長く書く必要があります。イメージ的に言うと池上彰さんです。

池上彰さんは複雑な情報や背景を分かりやすく説明する能力に長けています。彼の番組や書籍では、難しいトピックや事件を分かりやすく解説し、視聴者や読者に理解しやすく伝えることができます。

それを考えると、大学のストーリーは「メイン」コンテンツと「サブ」コンテンツに分けて、セットで伝えることが重要だと考えています。
ありがちなのが、メインだけお知らせしてそのバックグラウンドにあるストーリーを伝えないこと。
その時に必要なストーリーテラーは、企画やイベントに参加した学生や教員の思いや感想であり、それを「派生」して(拡散ではなく派生です)伝える手段がSNSだったり、Youtube だったりしていきます。
つまり、一つのイベントをとっても使えない部分を一切残さないことができます。

オープンキャンパスの1イベントでもストーリーは使える

戸板女子短期大学のオープンキャンパスでは、企画ごとにプロジェクトメンバーを作ります。
3月4月のオープンキャンパスでは、森永乳業とタイアップして12月から学生プロジェクトチームが打ち合わせを続けてきました。

もちろんそれを正式にリリースすることで、森永乳業と戸板女子短期大学相互にもメリットがありますし、SNSでの告知、企業へのブランドレポート資料、学生の感想などもリンケージして掲載をしています。

そのうち、この森永乳業とのプロジェクトが大学案内や季刊タブロイドなど紙媒体にも掲載されることとなります。

中の人が裏側を語ることもひとつのストーリーテラー

最近では、プロジェクトベースの開発話や体験談をnoteなどのブログ形式でストーリーとして語る企業や大学や教授も多くなってきました。

企業だとPRリリースでは語れない(載せきれない)開発のウラ話や人にクローズアップすることでES(従業員満足度)を挙げる意味合いもあります。

千葉商科大学 常見先生のnote好きです。

表には見えてこない、本来は語られることのない“ストーリー”を第三者が語ることで物語が立体的に見えてくるのです。

テレビ番組のコンビニ商品の開発秘話や工場の製造風景もしかり、池上彰さんが語る世界経済や社会情勢もしかり。全て“目から鱗”だからこそ、人は納得して心を動かされます。

大学業界はいまは“発信力”としてSNSの活用やメディアリテラシーを学べることをウリにする大学や学部が増えています。

発信力=テクニックを学ぶことだけでなく、池上彰さんのように「単なるMCではなく、メディアをミックスして本質的に物事を伝え大衆の心を動かす仕組み」を教えることができたら面白いのではないでしょうか?

最後までご覧くださり有難うございます。これまで20年間、コンビニやヘルスケアベンチャー企業でマーケティングやブランディングに携わってきた澁谷の経歴やストーリーはこちらをご覧ください。

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