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20代起業家が、終わる。

今日で30歳になった。昨日まで20代起業家だったのだが、もう今日から30代。20代の称号は使えなくなってしまった。
正直20代は自分、そして23歳の時に起業したフラーのことでいっぱいいっぱいだった。いい加減起業家人生にも慣れて心にも余裕が出てきたので、少しでも世の中や後世に還元できたらと思い、noteを始めることにした。

ただの高専生が、起業家になった。

20歳の時、自分は何者でもない、ただの高専生だった。
それが今では、フラーという会社を創業した起業家であり、代表取締役CEOであり、何十人もの仲間たち、数多くのお客様、そして株主の皆様に支えていただく存在になった。
ただの高専生が、なぜそうなれたのか?
それは全て、仲間たちのお陰だと思っている。中学生の時にコンピュータを教えてくれた親友、高専生の時に一緒に夢を叶えてくれた親友、勉強することがカッコイイことだと教えてくれた親友、いつもライバルでいてくれた親友、努力の大切さを教えてくれた親友、起業する時に付き合ってくれた親友、一声かけるだけでフラーに加わってくれた親友、そんな親友たちのお陰で、自分は今ここにある。
何者でもない自分を、仲間たちが創ってくれた。何者でもない自分を信じてここまで一緒にやってきてくれた仲間に、本当に感謝している。この恩は一生をかけて必ず返していく。

修己治人ではなく、修己知人

自分の好きな四字熟語は、修己治人だ。自分の名前が一文字入っているから、親近感があって好きな言葉である。己を修めて、人を治む。儒教の根本思想だそうだ。
でも、自分の中では、自分は人を治めるような立派な人間にはまだまだ遠いし、そもそも人が人を治めること自体が正しいのかも分からない。
だから、一文字だけ変えて、修己知人と言うことにしている。己を修めて、人を知る。
思えば、色んなことを人から教わってきた人生だった。そうすることで、その人をより知ることができた。そして自分もその人にとってそうありたいと思ってきた。今まで教わってきた数々のことを、このnoteでこれから残していきたいと思う。
これからも、人生を通して己を修め続けていきたい。

20代でやったこと

20代は、本当に変化の多い10年だった。ただの高専生が、筑波大学に編入し、情報ではなく経営を学び、ITベンチャーで働き、そして会社を創り、何億円も資金調達をし、プロダクトを創り、多くのお客様に使っていただき、たくさんの仲間がフラーに加わってくれた。30歳の時にこうなっているとは、10年前には全く想像していなかっただろう。
自分が20代でやってきたことは数多くあるが、シンプルに3つにまとめると、

・技術に加え経営を学んだ。
・仲間を集めフラーを創った。
・ほとんどの時間をフラーという会社に費やした。
20代は、会社を存続させることが、何より最重要課題だった。

そんな中で途中から見えてきたことは、
・フラーという本当にオリジナリティある会社を創りたいんだということ。
・地域社会や後世の人たちに貢献したいということ。
・やっぱり何より皆んなが幸せに働いて欲しいということ。
自分の人生でやりたいことが、明確になった10年だった。

30代でやること

一方、これから30代を過ごす上でやりたいことも3つにまとめてみた。きっと10年でやれることは限られているから、色々やりたいことはあるけど絞ることが大事だと思って、3つにした。

・グローバルな起業家になること。
・スマホの次の波の近くに、今より良いビーチハウスを建てること。
・地域や後世のために、より多くの時間を使うこと。

1つ目に関しては、創業時から思っていること。フラーは大きくなって韓国をはじめたくさん海外にもお客さんはいるけど、まだまだグローバルには程遠い。10年かけて自分自身がグローバルなCEOになって、フラーを世界的な会社にしたい。

2つ目は、起業家として自社のドメインをどこに置くかということ。フラーは創業時から成長市場であるスマホ一筋で7年やってきて、だからこそ今がある。起業はよく波乗りに例えられるけど、自分としては、スマホの次にくる波は絶対に捉えたいと思っている。でも、ただ波乗りをするのではなくて、波が起こるビーチに、フラーという今よりもっと良いビーチハウス(会社)を建てて、そこで腰を据えて戦いたい。

3つ目は、ここ最近強く思うようになってきたこと。新潟をはじめ、地域社会に対してベンチャー企業が貢献できることはたくさんある。そして、自分の後輩達にしてあげられることも、今ではたくさんあるはずだ。もっともっと自分の時間を、地域や後世のために使いたいと思っている。

これからの10年を、どう生きるか。

最近、ジャック・マーがアリババを辞めた。成功した起業家が早くにリタイアし、世の中のためになることをするのは、とても素晴らしいことだと思う。
でも自分は、フラーというものと一緒に出来るだけ長く時間を過ごしたいし、非現実的なのかもしれないけど、例えばもし教育をやるならフラー高専が創りたい。できる限りのことを、フラーと仲間達と一緒にやり続けたい。だって、フラーはかけがえのない宝物だから。

ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットは、成功する上で一番大切なのは「フォーカス」だと言っている。自分はフラーというものに人生を最大限フォーカスさせることで、やり残しがないように、出来る限り描いた夢を実現させていきたい。
もちろん、張り詰めすぎず、程よい緊張感で、自分個人としての人生も大事にしながら、フラーというものに自分を捧げていきたい。いつの日か、カラテに全てを捧げた愚地独歩のような拳ができたらいいな。

そしてこれからも、かけがえのない仲間達との想い出を大事に生きていきたい。フラーでは恒例行事として、毎年必ず修学旅行という名の社員旅行をやっている。これも、自分の名前が修太なのもあって、小さい頃から修学旅行に愛着があるから。あの時間こそが自分の幸せな時間だから。それをずっとやり続けたい。学校を卒業したらもう修学旅行ができないなんて、悲しいじゃん。俺は、大好きな仲間達とずっと一緒に人生を過ごしたいから、会社を創ったんだ。

自分にとってのワンピースは、想い出。

自分にとって、お金では決して買えない、人生の幸せがある。それは、想い出だ。
小さい頃から、ワンピースの「ひとつなぎの大秘宝」とは、具体的な何かではなくて、その冒険の過程こそがワンピースなのだと思っている。そこで出会った人達との想い出こそが、かけがえのない宝物なのだと。

20歳になったとき、つまり10年前の今日のことを鮮明に覚えている。ビールをコンビニで買って、飲んだ。これでやっと船出をして、勝ったり負けたりした後に、みんなで宴ができるようになる、と喜んでいた。自分はいつもそうだ。本当は戦いよりも、その後の皆んなでの宴を楽しみにしている。もちろん戦いも好きだけど。

そしてその日から10年後の今日。
10年前のあの日一緒にいたやつらが、10年経った今でも、この瞬間、隣にいる。今こうして一緒にビールを飲んでいる。これこそが、僕の人生で望む夢なんだと思う。それはいっかいの高専生だろうが、30歳になった起業家だろうが、変わらない。

そういう自分の原点を大事にして、また10年後の今日、お前らと酒が飲めたら、それだけで幸せだよ。

サポートいただいたお金は、母校である高専や故郷の新潟など、後世や地域のために活用したいと思います。 よろしくお願いいたします!