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五月病は遅れてやってくる

企業の人事担当者向けにメンタルヘルスやコミュニケーションについての話を書いて欲しいと依頼が来た。
さて、何を書くか。
読者に届く時期は六月頃と思われるので、その時期の話題がいいか。

その時期の話題と言えば、「五月病」の話をしてもいいだろう。
「六月に読者に届くのに、五月病の話なんて時期外れでは?」
と、勘のいい方は思うだろう。

五月病といえば、新学期、新年度となり、環境や人間関係が大きく変わり、ストレスや疲労が溜まったところで、長めの連休。
過ごしやすい陽気も相まって、仕事のことをぽっかり忘れていたところに、
「あ~あ、GWももう終わり。明日から仕事か…」
と、どんよりした気持ちになってしまう、あれである。
ここでいつものように仕事や学校に臨むのは、緩んでガードを下げたところに、顔面パンチが飛んでくるようなものであろう。

さて、実態はどうか。
名前としては「五月病」だが、成人の場合、六月にカウンセリングのニーズが高まるのだ。
恐らく、GWが終わり、気持ちとしてはどんよりするものの、勤勉な日本人は、何とか頑張って乗り切ろうとするのだと思う。
だが、それも長くはもたず、五月中旬から面接予約の問い合わせが増え始め、六月のカウンセリング件数増に繋がるというわけだ。
「五月病」ならぬ、「六月病」である。

「六月病」の回避策は、GW後の最初からフルスロットルで働かないことだ。
連休明け、
「これだけ休んだのだから、その分働かなくては」と考えてはいないだろうか?
経営者や管理職に携わる人からすれば、
「連休で英気を養ってもらったのだから、連休が明けたその日からしっかり働いてもらわねば」
と、従業員や部下に思っているかもしれない。
それはやっぱり結構難しい。

やはり、人間はロボットではないので、連休が明けたらカチリと仕事モードになれるわけではないのだ。
例えば、連休明けの月曜日。
連休中に来たメールに目を通し、
「GW前は何をやっていたかなあ…」
と思い出すことで一日を終えるくらいでもいい。

企業の人事担当者向けにはいい内容かもしれない。

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