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「自己評価が低い」といっても「自分はどうにでも変わりたい」と思うわけではない

お正月に読んだ本。
「傲慢と善良」辻村深月 

うわさ通り、途中までめっちゃ殴られた感のあるお話でした。
(エンディングは想定とずいぶん違っていたのも驚きでした)
「あー!」となる場面や、思うところがかなり多くて、なんとも言えない読後感に…また時間をおいて読み直したいお話です。しかし、共感できる人物が全然いなかったな…笑

さて、私は昔からよくいろんな機会に「私は自己肯定感が低いので」とか「自己評価が低いんです」という言葉を聞いている。
そうなんだね…と思いつつ、いろいろと深く聞いていくと、それほどまでに今の自分がダメだと思うのなら、失うものもないのだろうからと「〇〇してみたらどうだろうか」と、新しいことをおススメしてみたりしたことがある(昔の話です)。
そうすると「それはできないです。私、怖いので」のようなリアクションが返ってきて、次の言葉を飲み込んだりしてきた。
自己肯定感が低いって、自分のこと評価してないってことだろうと思っていて、だったら現時点の自分に価値が薄いと思っているのだから、何をしても(万が一失敗しても)経験値が上がるし機会が広がるしいいのでは?と思っていた私が、いかに間違っていたか、ということ。でもそれを上手く言葉にできていなかったなあ、というのを、小説を読んで思い出した。

作者は作中で主人公をはじめとした典型的な人物像として、「自己評価は低いが自己愛は強い」と表現していた。それを読んだ瞬間「!!!」と腹落ちした。自分の価値観を重視しすぎて譲らない傲慢さと、一方で誰かの言いつけを受け入れる善良さの対比が、何とも言えない後味の悪いリアリティで表現されていて、なんて容赦ないんだ…と。

その昔の私の誤解は「自己評価が低い=自分はダメな人間=どうにかしたい」というもので、だからこそ「何かで変化をしたい」「自己肯定感を高めたい」と思っているのだろうから、それにつながる何かをお伝えしよう!みたいな思い違いがあった。短絡的だね(笑)。

でも実際には、そうやって「自分はだめなので」という主張をされていても、一ミリも変わりたがらない、だけではなく、自分が踏み出して違う領域にある何かを得るために(ときには損をしてでも・主張を変えても)動いてみる、なんてことは全力拒否されたという経験だった。力強く拒否されたのではなく、やんわりと、のらりくらりと「変えられない理由」を大量に示されたんだけどね。

…違うんだよ。
自己評価が低い、というのは、「こんなはずじゃない」ってことで、つまりは自分のこと大事に(もっとできるはず=報われるはず、のように)思っていて、そんな自分が認められていないことに「何かヘン」だと思っているということだよね(無意識な場合が多い)。

その固い殻の中にある「守りたい自分自身」のことを根っこから壊されるような気がしたら、絶対に動かないよね。
そこを安心してもらえないうちは、どんな「よさそうな提案」だって、手前でやんわりと弾かれるに決まっている。そういうことだぞ、って昔の自分に言いたい(まあ、今だって気を付けないといけないやつね)

それにしても、小説家という人はほんとに、どんな理論やら研究者の解説よりわかりやすく人ってものをえぐってくるよね。だから好きなんだけど。作り物のほうが目の前にあるリアルなやりとりより「リアル」ってことは、よくある。現実の人はそう簡単に心の中の深い暗いところ、見せたりしないし、自分でもわかっていないしね(自分を振り返ってもそう思うし)。

だから、キャリア支援者って小説や映画やお芝居、のような「物語」にたくさん触れたらいいと思うんだよね~


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