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林伸次さんの小説が10月に出る予定です。

林伸次さん。渋谷にある「BAR BOSSA」のマスターであり、文筆家として「大人の条件」や「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる」などいくつかの本やコラムを執筆しています。
今度は10月に小説を出す予定でして、そのゲラを読ませていただきましたので、感想を載せたいと思います。
また、正式な発売情報につきましてはこれからのようなので、分かり次第またお伝えしようと思います。
簡単にですが10月に出る本は、それぞれの「小さな世界」が舞台となっています。それぞれの小さな世界で生きている人々の人生や感情、愛情など、さまざまな観点で物語が書かれています。
また、宮沢賢治や星新一のような独特な世界観を感じさせてくれます。
自分は自分であって必要な存在なんだとか、ちょっぴり幸せな気分を味わせてくれるような作品です。
以下、長文は詳細の感想になっています。
興味がある方は「林伸次」で検索してみて下さいね。面白いですよ!

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○小さな世界も大きな世界もそれぞれあっていい。
この本を読み終わり、ふと感じたことは、小さな世界は小さいままでいいし、大きな世界は大きいままであって、比べるものではないし私にとっては小さな世界がとても好きだということでした。世の中はインターネットやSNSなど発達により、情報量がとても多くなってきています。情報が多ければ多いほど良いというような風潮を感じていますが、本当にそうなのでしょうか。私は小さな世界で少ない情報の方が時によって大切なことがあると思うのです。
小さな世界も素晴らしいし、大きな世界があってもいい。どちらも比べるべきものではないし、人それぞれ過ごして幸せであればいい。自分がどうしたいかということをこの本は教えてくれるような気がしました。
また出会いと別れは常に行なわれていて、それは必然であって偶然でもあり、一期一会を物語では楽しんでいるように思えました。出会いも別れも状況によっては辛いことがあると思うのですが、それを感じることはありませんし、むしろ素晴らしいものだと感じさせてくれます。

小さな世界の物語が他の物語に関わっていることも印象的でした。小さな世界が自分の知らないところで他の世界へと繋がっていく。そして、繋がったものがまた違う世界へと繋がる。それが最後には物語が一周して自分の所へと戻っていき、本が完結する。それぞれの世界は違うけれど、愛とか恋とか情とか根本は同じなのかもしれないと思いました。

●どんな方に読んでいただきたいか?
自分らしく生きていきたいという考えを持っている人が対象でしょうか。抽象的で申し訳ありませんが、仕事でも家庭でも周りの状況に振り回されず、自分の軸を持って過ごしていきたいという方にはオススメかもしれません。逆に周りの環境に振り回されている人も小さな世界は悪くないし、むしろ良いときだってあるというような考えを持たせてくれそうです。
人間関係に悩んでいる方も良いかもしれません。解釈の仕方によると思いますが、人それぞれであって自分は自分、相手は相手なので、結局の所、自分がどうしたいか、どういう世界で生きたいかという事を考えさせてくれます。
あと、ちょっと「幸せな気持ち」になりたい方も良いかもしれません。全ての物語に純度が高く、登場人物(天使や風も出てきますが)に裏表がなくてとてもピュアな印象を受けました。あ、なんか幸せな気分にさせてくれたなという感じです。
ただ、情報量やお金を稼ぐことがこの世の全てであって、とにかく有名になりたいとか、とにかく稼ぎたい、他人より勝ちたいというような思考がある方にはオススメできないかもしれません。ただ、この本を読むことによってこんな世界観を新しく発見させてくれるかもしれませんが。

前作の「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。」とはまた違った世界観で、最初は前作の感覚で読み始めてしまったので、頭の中に?が浮かんできまして、読んでてどうなのかなぁと正直思ったりもしましたが、読んでいくうちに別の世界観だと感じまして、本の小さな世界の価値観にどんどん吸い込まれていきました。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。

なかなか感想を書くことなんてありませんので、稚拙な文章かと思います。

これを読んでいただき、林さんや本、バーなどに興味をもっていただけたら嬉しいですね。


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記事をシェアさせていただいたので、私もリンクを貼っておきます。
興味がある方はぜひ見て下さいね。

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