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クジラは実在した!!夢を叶えた日の話‐後編‐
前回引っ張りに引っ張って(本当にすみません…)、クジラに逢う前に終わってしまった前編がこちらです↓↓↓
そもそもなぜにクジラに逢いに行くことになったのかという、奇跡的な引き寄せのお話しはこちら↓↓↓
さて、今回はもう船に乗り込んでいるところからのスタートですから、確実にクジラ登場いたします!!
是非前編とそのきっかけになったご縁のお話しも読んでいただき、後編もともに冒険していただければ幸いです。
南の島とは言っても2月の奄美大島はしっかり冬で、しかも船の上ともなるとかなり寒い。普段寒いのは凄く苦手なのだけれど、夢を叶える冒険のための我慢はへっちゃらだ。結局はなんでも気の持ちようなのではないかとも思えてくる。人間とは不思議なものだ。
さてそんな不思議人間を乗せて、船は風を切って沖へ進んでいく。
この海の中に本当にクジラがいるのだと思ったら、今度はゾワゾワと鳥肌が止まらなくなる。
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ワクワクとドキドキとゾワゾワで落ち着かず。
人知れずゾワゾワしていたら、船がスピードを緩めて一旦停止。すると船長さんがやって来て、何やら機械を海に入れ「声を聴いてみよう。」と言ってから耳あてマシーンのようなものを耳にあて「おっ、いるねー!!聴いてごらん。」とそのマシーンを渡してくれた。
一番乗りで良いのかと恐縮しながらも、半ば前のめり気味に耳にあててみる。
…聴こえる。
少し遠いけれど、海の中から響いて聴こえてくる。
ずっと音源や映像で聴き続けてきたあの声。
シンガーだ!!シンガーの唄う声がする。
※ザトウクジラの雄の神秘的な鳴き声は、まるで唄をうたっているようなので、シンガーとも呼ばれるのです。なんだか素敵ですよね。
本当にこの海の中にいるんだ!!!!!!
どうしよう…逢いたいけれど逢いたくない…。
謎の感情に襲われる。
皆さん交代でシンガーの唄をしばらく聴いてから、船長さんは操舵室に戻り再び船は動き出す。
今度は息継ぎに上がってくるクジラのブローを目を皿のようにして探す。
すると「ブシュー!!」という大きな音とともに、海面から霧状の噴射が起こった。ブローだ。すぐそばにいる。
大好きで大好きで憧れ続けて、本当は実在しないのではないかとすら思っていたクジラは、確かにそこにいた。
何度かブローをしたクジラは、身体をゆっくりとアーチ型にし、また潜っていった。綺麗な尾びれがはっきりと見えた。
幸運を呼ぶと言われるホエールテイル。
今この瞬間がまさに幸運なのだよ…と私は泣いた。
これが私とクジラのファーストコンタクト。
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こんなに綺麗に見せてくれました。
クジラの存在そのものが幸せの象徴です。
涙が乾くまもなく、今度は船の進行方向の先でまたブロウ。しかもブロウから虹も出現。なんて綺麗なんだ。
と思ったのも束の間、そのクジラが大きくジャンプ!!
信じられない…しかも2回。もうジャンプまでしてくださるんですか?あまりに突然で写真に収める暇もなかった。
大丈夫、心のシャッターは押せた。と自分によくわからない言い聞かせをした。
こういう一瞬を撮れる写真家さん達は本当に凄いんだなぁと改めて尊敬。
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やっぱりかっこいい
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私以外の皆さんは、クジラと泳ぐことを目的とされていたので、いいタイミングで海に入れるようにと準備を始めていたけれど、私はそもそも泳ぎが得意ではない上に、海も荒れていたので一緒に泳ぐことは早々に断念した。
万が一、コンディションが良くて海に入れたとして、クジラを目の前にしたら涙と鼻水でシュノーケルマスクの中で間違いなく溺れてしまっていただろう。
船の上からそのお姿をしっかりと目に焼き付けることに専念しようと心に誓った。
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そのあともクジラは尾びれを高く上げてみたり、船の近くでヒレをパタパタとしたり、オス同士が猛烈なスピードで泳ぐ、ヒートを繰り広げたりといろんな姿を見せてくれた。
船のすぐ横に浮かんで来たときには、本気で潜水艦が現れたかと思った。あまりの大きさに腰が抜けかけた。
それもそのはず、40年生きてきて出逢った生き物の中で一番大きいのだから。とにかく何もかもが規格外。圧倒的存在感。
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海が荒れていたので、泳ぐ組の皆さんも一度しかクジラと一緒に泳ぐことはできなかったけれど、海の中での様子を聞いたり、写真を見せてもらい、やはり本当に実在したのだとさらに感動を噛みしめて1日目終了。
2日目。昨日の感動と興奮で思った通りほとんど眠れず。
そして海はさらに荒れ模様らしい。
いざ船に乗って出航すると、波が高く白波が立って、奄美大島の海はまるで日本海のように荒々しい。ブローを見つけるのもひと苦労の予感。どうやらクジラ自体の目撃情報が少ない日だったようで、なかなかその姿を拝むことができない。
天候も悪くなってきているし、今日は逢うのは難しいかな…と思っていたら、突然大きなブロー!!船に並走するように2頭が泳いでいる。
こんなに近くにいらっしゃったのですか。感謝感激。
2頭のクジラはしばらく一緒に船と並走してから、幸運の尾びれをみせながらまた海へもぐっていった。
この日は黙々と泳ぐクジラが多く、その姿を追いかけることがほとんどだった。お昼を過ぎる頃、どんどん天候も崩れ始め、予定よりも早く2日目は終了。泳ぐ組の皆さんは少し残念だったかもしれないけれど、こんなにも長い時間クジラと一緒の空間にいられただけで私はとても幸せだった。
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また逢いにきます。
奄美で過ごす最終日の夜、鶏飯(美味しすぎて結局3日連続食べた)を食べながら、皆さんとクジラのことを話した。
クジラに逢いにいこうと誘ってくれた怜子さんに、「クジラに逢ってみてどうだった?」と聞かれ、私はただ一言「尊かったです。」と答えた。
その時は本当にその言葉以外思い当たらなかった。
この2日間の出来事が夢のようで、もう胸がいっぱいだった。
鶏飯を食べ過ぎて、お腹もいっぱいだった。
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鶏飯最高!!
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ちなみに次の日の早朝、奄美空港から鹿児島行きの飛行機は悪天候で条件付き運航。強風にあおられながら鹿児島まで辿り着いたはいいものの、屋久島への交通手段は全て欠航。島へ渡れず鹿児島で一泊し、翌日なんとか帰島。
これにて最大の夢を叶える旅は無事終了。
これが、私の人生最大の夢『クジラに逢う』を叶えた時のお話しです。
夢を叶えに連れていってくれた怜子さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。夢を叶えるためには叶うと信じ続けること。そして差し伸べてくれた手を、恐れず掴むこともとても大切なのだと思います。
クジラに逢ってからもう2年半が経ちましたが、あの2日間の出来事は昨日のことのように鮮明に覚えています。でもいざ言葉にして書き始めてみたら、大切な宝物のような記憶をどう表現したらいいものかと、なかなか進みませんでした。こうして形に残せて良かったです。
今でもクジラは私の中で尊く、特別な存在。
また必ず逢いにいきたいと思います。
"All our dreams can come true,
if we have the courage to pursue them."
『夢を追い求める勇気があれば、すべての夢は叶う』
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