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チームの健康状態を保ち、生産性を向上させるには


はじめに

最近、色々な会社の方から「チームビルド」に関する悩みを相談される機会がありました。

私自身、現在は小さな会社を立ち上げていますが、CTOとして組織改革したり、PMとして数十人のチームをマネジメントしてきた中で、なぜこの問題がどの会社でも発生してしまうのか?また、どうしたらそれを回避できるのか、自身の経験から思っていることを書こうと思います。

少し長いので、お時間ない方は「まとめ」部分をご覧ください📝

チームの健康状態を保つために重要なこと

  • チームの生産性が低い気がする..

  • メンバーの不満が溜まっている気がする..

  • 退職者が増加してきた..

このような状態はチームの健康状態が低下しているサインで、放っておくと取り返しがつかなくなる可能性があったりします。

上記問題がなぜ起こり、それを回避するために何が重要なのか考えている事をメモします。

結論から先に書くと、問題解決の鍵を握るのは「リーダーの人選・教育」と「人と人とのペアリング」です。

リーダーの人選・教育」に関しては、重要ポジションに間違った人物を配置するとチーム・組織が大変な事になる…という話で非常に重要なのですが、それだけで1記事書けそうなので、今回は「人と人とのペアリング」についてフォーカスした記事を書きます。

ペアリングの重要性

ペアリングといっても、スキルのペアリングではなく、パーソナリティのペアリングの方が遥かに重要です。
ここでいうパーソナリティのペアリングとは「仕事する上で重要視する価値観の一致」を指します。
上手くいっているチームとそうでないチームを観察してみると、上記による差が大きかったりします。

※注
そもそも論、マネジメントする立場にいる方が、他人の感情に配慮したり、性格の特性を見抜くのが苦手(または興味がない)な場合も良くあると思いますが、その場合、この話の重要性も伝わりにくかったりするので、チームビルドに興味を持ってる人が働きかける必要が出てきたりします

この問題に対処するには、まず大前提として「会社が目指している組織の在り方」を定義する必要があります。
なぜ必要かというと、上記が存在しない場合「どんなパーソナリティを持った人物を採用すべきか」が定義できず、人事の主観や、求職者の保有スキルで採用を進めてしまい「多様な価値観」を持った人材が入ってくる事で、思わぬトラブルが発生するからです。

「多様な価値観を持った人材が入る」というのは一見すると良いことのように思えますが、「仕事する上で重要視する価値観」がズレていると大きな問題が発生する事があります。

例として、ある自社サービスの開発チームにAさんと、Bさんがいたとします。

  • Aさん:サービス思考で他人に興味がない(感情を汲み取るの苦手)

  • Bさん:チームの雰囲気を大切にし、協調性を重要視

二人とも「サービスを良くしたい」という気持ちは同じはずなのに、このケースだとBさんが我慢したり不満を抱くケースが多く発生しがちです。

今度はCさんとDさんの場合を考えてみます。

  • Cさん:サービス思考で他人に興味がない(感情を汲み取るの苦手)

  • Dさん:サービス思考で他人に興味がない(感情を汲み取るの苦手)

このケースだと、案外問題は発生しにくかったりします。サービスを良くするための議論で多少言葉に棘があったとしても、お互い相手の感情を重要視していないからです。

極端な例を挙げましたが、どの性格が良い悪いという話ではなく、人はペアリングによってパフォーマンスに大きな影響が出る可能性があることを認識した上で、採用・チーム編成する必要があると考えています。

だれしも「この人とは仕事し辛いな…」と思った事があると思います。
それが、あなたが感じたペアリング(仕事する上での相性)で、人員配置に問題がある時に感じやすく、結果として個人の士気が低下する事でチームの生産性にも影響し、退職者がでたり、最悪の場合チームが崩壊したりもします。
※人は皆違うので大なり小なり発生しますが、発生頻度と原因が重要

会社が目指す組織の在り方、求めるパーソナリティが明確になっていれば、それが採用の指標となり、組織・チームとのマッチングミスを防げるだけでなく、メンバーの行動指針にも繋がり問題が発生し辛くなり、結果としてマネジメントコストも低下します。

銀の弾丸は存在するか?

世の中の傾向として「心理的安全性を高めれば、良いチームが作れるはずだ!」という考えが少なからずあると感じています。
別に間違っているわけではないのですが、組織課題の本質を把握できていない状態で「心理的安全性を向上させよう!」と行動すると、真因を捉えた対策ではなく、なんとなく1on1を始めてみたりしがちですが、それだと根本的なチームの健康状態・生産性の向上には繋がり辛いです。

チームビルドがいつの時代も問題になるのは、人は皆それぞれ価値観が異なるため、人の組み合わせに無限のパターンが生まれ「こうすれば解決できる!」という、銀の弾丸が存在しない(定義できない)からです。

人をスキルベースで駒のように配置するのはとても簡単ですが、それではチームの健康状態を良好に保ち、高いパフォーマンスを発揮するチームを再現性高く作るのは困難です。
ただ、ある程度は仕組みでカバーすることはできるので、今回はチームビルドの基本となる導入部分について書いてみました。

今回紹介したような問題が発生する頻度を、人と人とのマッチング最適化により低減させる方法以外にも、お互いが分かり合えるように努力する(心理的安全性を上げる的な)という方法もあります。
ただ、ベースの価値観や特性が違ってくると、そこに到達するまでに莫大な時間が必要だったり、組み合わせによってはそれが不可能に近いことも、マネジメントする立場であれば理解した上で、現在のチームにとって最適な方法を選択してチームビルドに取り組むのが重要だと個人的には考えています。

まとめ

チームの健康状態を保ちパフォーマンスの高いチームを作る第一歩は・・・

  1. 会社が目指す組織に必要な人物像を明確化する

  2. 採用時に1で定義したパーソナリティを持っているか(素質があるか)見極める

  3. その上で、人と人とのペアリングを考慮した人員配置を行う

自分の経験から思う事を書いてみましたが、弊社でも絶賛試行錯誤中です・・・。


Shells 川上

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