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【完結】【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい

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杉藤 俊雄 は××したい を加筆修正して1本化しました。 アーカイブと混同して ややこしいかもしれませんが、ご容赦していただければ幸いです。 エブリスタでマルチ投稿しています。 …
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2023年1月の記事一覧

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_89_現世編 07

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_89_現世編 07

 なにを言って、と開こうとした瞬間に福田の強い瞳に射抜かれる。
 誤魔化しも、逃げも、嘘偽りも許さない強い視線だ。
 彼女は白黒つける気なのだ。ずっと夢を見ることを許すことなく、自らもまた不退転の覚悟を決めてその場に臨んでいる。
 追い込まれたと思ったがもう遅い。
 杉藤の卵のようにつるりとした額から汗が伝い、頬を涙の軌道をたどるかのように滑り落ちる。

「この場に同席するにあたって、葉山先生から

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_90_現世編 08

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_90_現世編 08

「あぁ、すまない。彼女は疲れてしまったようだね。ちょっと向こうで休ませるから、少し席を外させてもらうよ」

 そう言って葉山は、福田を無理やり立たせて画面の外に消えてしまった。 部屋に残された三人は、黙り込んで不機嫌そうに顔をゆがめる。それぞれの感情が空気に溶けだして、息苦しい沈黙が広がる中で外の雨よりも空調の風がやけに響く感じが息苦しさに拍車をかけた。

「……この」

 すぐに異変の気づいたの

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_91_現世編 09

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_91_現世編 09

――公博、お前何やっているんだよっ。

――なにって、杉藤のふりだけど。

――だからって、ここまで似せるなんてバッカじゃないの。頭がおかしいよ。

――バカなのはお前だよ緑、杉藤はそこら辺にいる、いつどこで消えたとしても誰にも気づかれることのない――その他大勢と一緒にしないでくれ。そんな大物の人生を乗っ取るんだ。それぐらいやらないと、いつかバレるぞ。

――だからって、わざわざとっしーまでやるな

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_92_現世編 10

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_92_現世編 10

「事態を収束しようとする僕たちが容認されている。
――この流れをどう説明する? つまり、解決の糸口はすでに提示されていて、私たちはそれぞれの役割を担ってここに集まった。運命か杉藤 貴子の意思かは、この際考えないようにしよう。私が思うに、彼女は自分の力を死後も及ぼせるような、大きな歪みを作ったと考えられる。それが起点となって今回の騒動に発展したのだとしたら、起点となった歪み、出来事を修正すればいい。

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_93_閑話 07

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_93_閑話 07

 1970年の11月か12月ぐらいだったかもしれない。
 女子寮の自室で、ルームメイトのエリコが声をあげて泣いていたのは。
 まるで我が子が死んだかのように分厚い本を何冊もきつく抱きかかえて、眼鏡を涙で曇らせるほど悲しみの湯気を立ちのぼらせていた。無防備に空いた唇が涎まみれで、鼻水も垂れ流しで、しゃくりあげる度に首筋がこわばって、セーラー服の襟から除く鎖骨が艶めかしく浮き上がっている。

 いつも

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