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【完結】【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい

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杉藤 俊雄 は××したい を加筆修正して1本化しました。 アーカイブと混同して ややこしいかもしれませんが、ご容赦していただければ幸いです。 エブリスタでマルチ投稿しています。 …
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2022年7月の記事一覧

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_63_20代編 05

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_63_20代編 05

 盗聴器を撤去したことで、相手は僕たち――というよりも、警察を警戒するだろう。防犯カメラの映像は抑えてあるし、僕が被害届を出せば、すぐさまナンバーズレートは十条と冴木を警察に差し出して、トカゲのシッポ……と、奴等の筋書きを見越しつつ、住職の日野も含めて四名の人間を確保しなければいけない。

「お忙しい所、申し訳ございません。日野さん、杉藤です」

 僕は礼儀正しく、それでいて若者特有の無邪気さを装

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_64_20代編 06

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_64_20代編 06

「あ、僕。リンゴを素手で握りつぶすのが得意なんです」

 にっこりと笑って言うと、干野の目が大きく見開かれる。
 ぎりぎりと音を立てて、締め上げられる大きな手が僕の手首から離れて、一気に紫に変色し、子分たちが絶句しているのを視界の端でとらえる。

 これで、終わりかな?

 と、思ったら「うおぉおおおっ!」と叫びながら干野が拳を振り上げて、僕に殴りかかろうとしていた。

 おおっ、と、僕は感心した

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_65_20代編 07

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_65_20代編 07

 数時間後。
 酔いつぶれてソファーで爆睡する干野たちを横目に、僕はスマートフォンで真澄と話し合う。

「えぇ、本気ですよ。だから……」
『…………』

 通話口から聞こえる声が、悲鳴のように引きつって震えている。
 その表情は見えないけれど、おそらく顔色も悪いに違いない。真澄社長は現在、絶体絶命のピンチだ。自分の進退と命を秤にかけて、できれば今回の件の責任を全部干野にかぶせたいと考えている。

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_66_20代編 08

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_66_20代編 08

 さぁ、レッツパーティータイム♪
 自分たちの罪を自覚しないヤツラに天誅を!
 家族は関係ない?
 うーん、関係なくない。罪と不幸は病気のように伝染する、これ以上汚染を広げないために、お願いだから、世のため人の為に死んでください☆

「こんにちは~。大川運送です」
「はい」

 扉を開けた途端に口に布を押し付けられて、対象を手際よく昏倒させる。その場で梱包材を使って体をぐるぐる巻きにして、大川くん

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【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_67_20代編 09

【加筆・修正ver】杉藤 俊雄 は××したい_67_20代編 09

2012年4月27日(金)

 その頃になると、断罪殺戮ツァーもなんとか収束。長奈村の施設職員や葉山以外の関係者も、九割ぐらい段取りよく手際よく処理してきた。

 県外に住んでいる奴らの点と点を繋ぐように、弾丸のように本州を縦断して横断して縦横無尽に殺しつくして、燃やし尽くして、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、

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