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藤子不二雄エッセイ

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藤子不二雄マニアの視点で、世の中を感じていくエッセイ集です。
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2021年2月の記事一覧

『耳すま』から、「個性」について考えてみた。

『耳すま』から、「個性」について考えてみた。

みんな大好き、ジブリアニメの『耳をすませば』。僕はこの作品を公開当時に映画館で見ていますが、確か高校生だったか浪人生だったかで、観たいのに観に行くのが恥ずかしくて、10歳年下の妹を丸め込んで、妹の帯同者という見え方にして、劇場に足を運んだ記憶があります。

耳すまの中身の話をしだすと、5、6本の記事が書けそうなので詳細を割愛しますが、作品の中で、立花隆さん演じる雫のお父さんが、小説家を目指す娘に対

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藤子Fマニアが見た「花束みたいな恋をした」

藤子Fマニアが見た「花束みたいな恋をした」

とある都会の喫茶店。イヤホンを片耳ずつ付けて同じ曲を聴くカップルの微笑ましい風景がある。ところが、そのカップルに対して遠くからいちゃもんを付けている男と女がいる。男と女は別の席に座っている別々のカップルだが、二人とも全く同じことを言っている。

同じ曲を聴いているつもりでも、右耳と左耳のイヤホンからきこえてくる音は同じではない。左右片方ずつ別の音を流して、それらが両耳で合わさり、初めて完成された曲

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【思い出】『UTOPIA 最後の世界大戦』と藤子不二雄ランド

【思い出】『UTOPIA 最後の世界大戦』と藤子不二雄ランド

1995年くらいの頃だったと思う。神田の古書店を回っている時に、藤子不二雄ランドの301巻「UTOPIA 最後の世界大戦」が、さり気なく陳列されていたことに気がついた。

藤子不二雄ランドは、初めての藤子不二雄全集で、80年代に鳴り物入りで刊行が始まり、既にFマニアだった僕は、創刊からコツコツと買い揃えていった。ところが、中学生くらいになると、藤子ブームは雲散霧消し、ジャンプとかスピリッツとか、少

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藤子Fマニアが見た「ヤクザと家族」と「ヤクザと憲法」/リアルな全ギャド連

藤子Fマニアが見た「ヤクザと家族」と「ヤクザと憲法」/リアルな全ギャド連

「ヤクザと家族」、凄い熱量の映画であった。

三部構成で昭和~平成とヤクザ世界の変遷を、一人のヤンチャな男の視点で描いていく作品で、【アクション×社会派】というジャンルの枠を飛び越えた、新感覚の作品だと強く感じた。

ファミリーを形成して、束でシノギを削っていた暴力団の時代から、
個人技でのシノギで、何とかファミリーを保とうとする反社の時代へ。

ヤクザの世界ほど、時代によって世間での立ち位置がこ

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