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2023.04.12 (千穐楽)新作歌舞伎 ファイナルファンタジーⅩ

3月4日からIHIステージアラウンド東京で行われていた「新作歌舞伎ファイナルファンタジーX」もいよいよ千穐楽になりました。公演初日にも行きましたが

今回は千穐楽の様子を書いていきたいと思います。

01.ついに最終日を迎えたIHIステージアラウンド東京の公演


今回の会場となるIHIステージアラウンド東京はすでにファイナルシーズンに入りました。

会場のIHIステージアラウンド東京

そのため、この新作歌舞伎ファイナルファンタジーXも本日の千穐楽がIHIステージアラウンド東京で見れるラスト公演となります。

千穐楽で飾ってあったモーグリたち

いろんなところで千穐楽であることがわかります。

グッズはSOLD OUTが多い

グッズも好評で売り切れも数多くありました。また、会場内のコラボも最後。

最後かも知れないだろ

名台詞をネタにオリジナルメニューを販売していました。

最後かもしれないから購入

客席に入るとやっぱりワクワクします。

スクリーンを横から

横から入ると湾曲がよくわかります。

限定イラスト

本当に今日で最後なのが悲しくなります。

02.千穐楽(前半)


ここからは少し中身を含めた感想を。といっても、物語を追うと語り尽くせないので特徴のあるシーンを中心に。ネタバレを多分に含むので見ていない方は飛ばすことを推奨します。

始まる前にオオアカ屋が登場します。語り部といった立ち位置で舞台の見方などを紹介してくれますが、とにかくワクワクさせてくれる語り口調です。笑いを取りつつ、歌舞伎の紹介と物語の紹介。見事と拍手したいくらいでした。

◎第一幕

さて、本編始まりはザナルカンドでのブリッツボールのシーンから。ここで観客席からブリッツを楽しみにしている役者のみなさんが登場し、舞台の方へ。そこに登場するティーダ。自己紹介をカッコいい語り口調で話すと見得をカッコよく決めます。その後シンに襲われたところでアーロン登場。

実は初日のとき、ここでいきなりアーロンの剣が折れていたんですよね。でも動じずに剣が交換されるまで演じきるのは流石だなぁと思いました。

さて、シンに飛ばされた先はビサイド島。原作では一度リュックと会いますが、そのシーンは無くなっています。

ビサイド島でワッカ、ルールーと出会い、そしてユウナとも出会います。ユウナの第一声を聞いたときはビックリしました。女形の役者さんの凄さを見せつけられて衝撃を受けました。仕草も含めて、ここまで凄いのか!という言葉にならない感動を覚えました。

キマリとも合流し、ビサイド島から出発するのですが、ここでユウナがお土産を持っていこうとしてルールーが嗜めるシーン。ここをちゃんとやってくれるのは本当に原作を大切にしてくれているなぁと感じました。その後も至る所で原作への愛を感じましたが、こういう細かいところが本当に素敵でした。

第一幕の最後はキーリカがシンに襲われ、ユウナが異界送りをするシーン。

原作では水の上で舞い、水とともに浮かび上がるシーン。ここもクレーンを使って宙に上がって再現!ユウナの異界送りの踊りも素敵で本当に幻想的でした。

この後の休憩の時にユウナがスゴイ!って言う感想が会場の至る所で聞かれましたね(笑)

◎第二幕・第三幕

ルカに到着してブリッツの試合を行うシーンから。ブリッツも実況付きでしっかり演じられていました。そしてなんといってもシーモアの登場ですよね。怪しさ満載の雰囲気がしっかり出ていて素晴らしかったです。ちなみにルッツとガッタは選手として出ていました。アーロンとの再開もまたかっこよかったです。ここでアーロンからシンがジェクトであることを告げられます。

ブリッツ優勝後のシーンではワッカとルッツたちがコントを繰り広げていて面白かったです。全体的にワッカはお笑い担当になっていましたね。

そしてミヘンセッション。ルッツとのお別れは本当に悲しいですよね。涙が出てきました。

その後はアニキ、リュックが登場。パーティーが揃ったところでシーモアが族長を務めるグアド族の街グアドサラムに到着します。

ここでユウナに結婚の申込みをするシーモア。さらにシーモアの過去が演じられます。シーモアは人とグアドのアイダに生まれた子。父ジスカルは無駄な争いに巻き込まれぬように母と子を隔離したようですが、シーモアからは見捨てられたように感じたのだと思います。

このシーモアの過去を掘り下げるのは歌舞伎のオリジナルでした。

◎第四幕

グアドサラムにある異界からスタート。異界で弟でありルールーの婚約者であったチャップに会って区切りをつけるルールとワッカ。異界から帰ると死人となったジスカルに出会います。ユウナは異界送りをしますが、そのときにジスカルからスフィアを受け取り、ユウナはシーモアとの結婚を決意します。

反対するのはティーダとリュックのみ。ユウナの決意は固いようです。一行はシーモアが待つマカラーニャ寺院に向かいます。

寺院の手前からユウナが一人で会いに行きますが、リュックがユウナが持っていたジスカルのスフィアを見つけます。その内容はシーモアの野望を止めてくれと言うものでした。パーティーはマカラーニャ寺院に到着するとシーモアと対決します。

ここでは各キャラとシーモアとの対戦が繰り広げられます。

見どころはルールーとシーモアの戦闘。小道具を使った魔法の演出がとても素敵です。そしてアーロンとシーモアとの戦闘は大迫力。アーロンの戦闘テーマがOtherworldなのもいいですね。戦闘の緊縛感が伝わります。二人の掛け声や会話も良かったです。(会話は初日には無かった気がします)

最後はティーダとユウナでアーロンを倒します。しかしエボン教の老師であるシーモアを倒したため、反逆者を言われることに。逃げる途中、マカラーニャ寺院が壊れます。そしてシンに出会います。シンは寺院の祈りの歌を聞いているようでした。そしてパーティーはシンに吹き飛ばされることに。

ここで前半が終了。シーモアとの対決までというきりのいいタイミングでした。

03.たっぷりある休憩時間


前半と後半の間には1時間以上の休憩時間があります。ここで予約したお弁当を食べたり、屋台で食べたりできます。前回はお弁当を注文したので今回はコラボしているレストランに行きました。

◎汐待茶寮

期間限定メニュー

FFX歌舞伎が開催されている期間中に限定メニューとしてSWEETS FANTASYが出ています。

FANTASY SET

ケーキやフルーツなどがたっぷりとあって大満足な一品でした。

04.千穐楽(後半)


ここからは後半です。後半始まる前にもオオアカ屋が現れて今までのダイジェストと後半見るために覚えておいてほしいポイントを話してくれます。休憩時間に忘れてしまった、あるいはポイントが分からなくても、ここで復習出来ます。これはとても有難かったです。

また、後半からは音楽もついてより歌舞伎要素が強くなりました。前半で少し歌舞伎に慣れた人がもう一弾親しめるために段階を踏んでくれたのは有難かったです。

◎第五幕

シンに飛ばされた一行はアルベドホームに到着します。そこはグアドに攻められていて大変な状況でした。しかもユウナとはぐれたままです。ここでリュックの父であり、ユウナの伯父でもあるシドが登場。

ここでのポイントはなんといってもティーダがユウナの旅がどのように終わるのか知ってしまうところですよね。ユウナが行う究極召喚。これは召喚士の死を伴います。そのため、シンを倒すと同時にユウナも死んでしまうことになります。

これまでユウナに旅の後のことを楽しく話していたティーダは後悔します。そしてシドに「ユウナは死なせない」と宣言します。

このあと、飛空艇ファーレンハイトにのってユウナを救出に向かうのですが…。このコクピットの様子から素晴らしいですし、発進シーンは本当に飛び出したのかと錯覚するくらいIHIステージアラウンド東京の動く観客席と相まって感じました。

ユウナがいたのは聖ベベル宮。そこではユウナとシーモアの結婚式が行われていました。ティーダたちは止めに入りますが、逆に人質にとられます。そして訪れるユウナとシーモアのキス。ユウナの我慢する拳が印象的です。そしてシーモアはユウナを連れて行くとティーダたちを処刑するように指示します。

流石に召喚獣で脱出のシーンはありませんでした。

ユウナは裁判にかけられ、シーモアの親殺害の話や死人であることを伝えますがマイカ総老師も死人でした。そしてユウナは反逆者として浄罪の路へ落とされてしまいます。一方、ティーダたちも捕まってしまいますが、アーロンの古き友人キノック老師により助けられます。

なんとか脱出したティーダとユウナはマカラーニャの森で再開。ティーダから旅をやめることを進められ、色々とやめたときの話もします。ティーダのザナルカンドの家に行こうかといった話になりますが、ユウナからは「できないよ……できないんだよ……」と悲痛な言葉が。そしてふたりは昔のCMにもあった通り世界一ピュアなキスをするのでした。

この水の中でのキスシーン。霧がかったところに映像を投影した形になっていて幻想的でしたね。映像に合わせて動く二人も素敵でした。

◎第六幕、第七幕、第八幕

そしていよいよ最後の幕へ。ここだけで125分。普通の演劇分です。

ナギ平原からのスタート。ここでルールーが前回旅を終えたエピソードもしっかりとやってくれました。さらにその後のガガゼト山のキマリのシーンもたっぷり。この2つをしっかりとやってくれたのはそれぞれのキャラを立たせてくれるお話なので嬉しかったです。

そして山頂付近の祈り子達のところへ。ここでティーダは自分自身が夢であることを知ります。

そしてパーティーはついにザナルカンドに到着します。そこは廃墟となった姿で多くの幻光虫が舞っていました。奥にいたのはユウナレスカ。彼女はたどり着いた召喚士に究極召喚を授けるために存在していました。しかし、究極召喚にはガードの一人を生贄にすることになります。ユウナはそれを拒否。ユウナレスカと戦闘になります。

ここでのポイントはズバリ今まで信じていた究極召喚を捨てるか否か。戦闘前のアーロンの言葉やひとりひとりのセリフがしっかりと再現されていて、台本素晴らしいなぁと心のなかで拍手していました。

戦闘はアーロンとユウナレスカの一騎打ち。ユウナの父ブラスカやティーダの父ジェクトを失い単身ユウナレスカに会いに行き10年前にアーロンは敗れました。そのリベンジです。戦闘は大迫力。そしてアーロンの剣がユウナレスカに突き刺さり勝利。見事にリベンジ達成です。

ユウナレスカを倒したことでシンへの対抗策を失ったティーダたち。しかし、ユウナレスカはエボン=ジュについて語っていました。ティーダたちは聖ベベル宮の祈り子に会いに行きます。

聖ベベル宮の祈り子はバハムートの祈り子。彼からベベルとザナルカンドの戦争。そして、ザナルカンドの敗北を悟った大召喚士エボンは召喚士を祈り子にしてザナルカンドを夢見るようにしました。自らにも秘術を使いエボン=ジュとなり永遠に夢を召喚するだけの存在に形を変えました。そしてその守りとして使ったのがシンという殻です。つまり、エボン=ジュを倒せばシンは消える。ただし、エボン=ジュが召喚している夢であるティーダもまた消えると言うことです。しかし、祈り子たちは夢を見ることに疲れたと言います。1000年も夢を見続けているわけですからね。

やることがわかったティーダたちは出会ったシェリンダに祈りの歌をスピア中で歌ってほしいとお願いします。それでこの歌が好きなジェクトは動きを止めるはずだからと。

そしていよいよ最終局面。歌がスピア中から聞こえシンが止まるとティーダたちは中へ!そしてティーダとジェクトが対決します。

ここでは途中、子供のティーダも出てきて二人でジェクトを倒すことに。この演出は舞台ならでは。しかも筋が通っていて素晴らしかったです。二人でジェクトにトドメを刺したところは感動です。

そして、名台詞の「……だいっきらいだ」ではもう涙腺が崩壊しました。いやぁ、ツラいです。

そして、エボン=ジュが現れて次の殻を探すことに。ユウナは召喚獣をすべて召喚して乗り移しては倒していきます。

ここでは6体の召喚獣が登場。ヴァルファーレ、イフリート、イクシオン、シヴァ、ヨウジンボウ、バハムート。心のなかでメーガス三姉妹も出してあげて!と思ったのはナイショ。ここではこれぞイメージ通りの歌舞伎って感じの演出でとても良かったです。せっかく歌舞伎を見に来たのでこういうのは見たかったので大満足でした。リュックは雷が苦手なのでイクシオンのときに怯えているのも面白かったです。

そしていよいよラスト。ユウナが異界送りをしているとアーロンが消えていきます。ユウナは止めようとしますが、オーロンは続けるようにいい、「もう、お前達の時代だ」といって友たちの元へ消えていきます。

さらにガガゼト山の祈り子たちも夢を見るのをやめます。そして消えていくティーダ。ユウナに触れなくなりますが後ろからそっと抱きしめて最後のお別れをします。そしてジェクトたちの方に消えていくのでした。

いよいよ最後のエピローグです。

シンがいなくなった世界。ルカに現れたユウナは指笛が吹けるようになりました。そしてスタジアムでスピラの民にシンがいなくなったことを告げます。そして最後の台詞。

ひとつだけお願いがあります。
いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから……思い出してください

この名台詞は何度聞いても泣けます。ここでまた涙腺が崩壊しました。

そして幕が開いてティーダが手を出しユウナがその手を取って幕が降りました。このシーンは色々と考えますね。10-2のハッピーエンドのような雰囲気もありましたし。とにかく素敵な舞台でした。

05.カーテンコール


FFX歌舞伎の初日には無かったカーテンコールが開催されました。

登場する演者さん

パーティーメンバーはもちろんのこと、召喚獣やオオアカ屋のみなさんまで勢揃い。

アーロンとジェクトに挟まれるシーモア

お幼いティーダもいました。

最後に大役をつとめた幼少期ティーダ

さらに、演者の方々が舞台を降りて通路をまわってくれるサービスも!

サービスするジェクト

また、舞台ではブラスカ様がカッコよく決めてくれていました。

杖をかか掲げる姿が素晴らしいブラスカ様

通路をまわってサービスをしたあとは皆さん舞台に戻ります。

決めポーズのキマリとオオアカ屋
キマリの決めポーズ

ユウナも

ユウナが可愛いですね

最後はスタンディングオベーション。

スタンディングオベーション

拍手喝采の中、スピラの旅は幕を閉じました。

06.映像配信もあるよ


最後に。

私自身、FF XはFFシリーズの中でも一番やったというくらい思い出があります。ブリッツボールに何百時間やったかわかりませんし、何周もプレイしました。発表を聞いたときは正直不安でした。しかし、初日を見て本当に愛に溢れた素敵な仕上がりで感動しました。

少しでも多くの人に見てもらえたらと心の底から思います。
幸い、本公演はいくつかの映像配信サービスにて配信が決定いたしました。

配信されるプラットフォームは以下の通り。

  • TBSチケット

  • ローチケLIVE STREAMING

  • Rakuten TV 

  • U-NEXT
    (4/20(木)頃配信予定、配信日調整中のため変更となる可能性があります) 

  • e-plus

配信期間は

4/12(水)0:00~10/31(火)23:59

となっています。見れなかった方はもちろん、もう一度見たいシーン、じっくり見たいシーンを何度も見ることができるので劇場で見た方も別の視点で楽しめます。途中でとめて好きなタイミングで続きから見れますしお尻も痛くなりません笑

是非とも、家でもスピラの旅を楽しんてください。

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