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【シェア街きょてん紹介】コミュニティラボ 柚木さん・莉乃さんインタビュー!

こんにちは!シェア街ライター、しほです。
第二回目となる「きょてん」紹介。今回は「コミュニティラボ」です!

コミュニティラボは「コミュニティの理論と実践についての研究所」をコンセプトとし、シェア街ができた当初からのきょてんでもあります。きょてんの立上げ人でありシェア街代表の柚木さんと、今年からラボのメンバーになった莉乃さんにお話を伺いました。

<柚木さんプロフィール>
株式会社Little Japan代表取締役、NPO芸術家の村理事長、中央大学特任准教授、元農林水産省。
リアルなコミュニティを中心に、遠隔からオンライン上でも住民になれるまち「シェア街」、宿のサブスクリプションサービス「Hostel Life」などを運営。

<莉乃さんプロフィール>
大学3年生。社会地理学を勉強中。
コロナ禍で何もしないまま大学生活を終わらせたくない!と思っていたところ、コミュニティラボの告知を見つけて応募。2023年1月から、「コミュニティ マネージャー」として参加中。

コミュニティづくりのノウハウを学び合う場に

しほ:まず、コミュニティラボがどのようにして生まれたか、教えてもらえますか?
柚木さん:ラボを作ったのは、シェア街を運営しはじめた当初でした。
シェア街はそもそも、コミュニティづくりにおける色々な方法論を実際に試して改善していく場でもあります。そのうえで、やはりいざ実践に移る前に、理論や知識をインプットする場が欲しいですよね。
シェア街を設立した当初の住民さんは、自分で別のコミュニティを運営されている方が多かったので、情報共有・学び合いの場になればいいなと思いました。
しほ:なるほど、そこからどんな活動が確立されてきたのでしょうか?

柚木さん:いくつかありますが、主なものとして「場づくりの学校」というゼミ型のセッションがあります。「教授」役のメンバーが手短にテーマを提示して、それについて皆でワークやディスカッションをする形です。
その他のセッションとしては、お悩み解決型の「場づくりコンサル」や、講演型の「わたしのゲストハウスのつくり方」があります。
さらに、コミュニティラボを運営する中で、「しくみシェア」「新ツール実験」といった活動も生まれてきました。

▶︎場づくりの学校(ゼミ型セッション):毎月第3月曜日 21~22時

  • シェア街メンバーが「教授」となり15分間ほどでテーマを提示、そのあと参加者でディスカッションやワーク。

  • 例:オンボーディング、自律分散型コミュニティ、ファシリテーション、Give and Take、寝るコミュニティは育つ など

▶︎場づくりコンサル(相談型セッション):相談を受けたら開催

  • シェア街が、他のコミュニティの抱える課題について無料で相談を受け、解決アイデアを考えるサービス。

  • 例:愛着を持って何度も通いたくなるような場をつくる、イベント登壇者に感謝を返して関係性を継続する など

▶︎わたしのゲストハウスのつくり方(講演型セッション):2ヶ月に1回不定期

  • シェア街内外から「教授」を呼び、その人ならではのゲストハウスの作り方をレクチャーしてもらう。その後、Q&A等を通して深堀り。

  • 例:寺田匠吾さん(古民家ゲストハウス結舎 -YUINOYA-)

▶︎しくみシェア(プラットフォーム):随時

  • コミュニティづくり関連する理論やしくみを、分かりやすく図解にして共有。

  • 例:メラビアンの法則、ランチョンテクニック

▶︎新ツール実験(グループプロジェクト):随時

  • 複数メンバーでデジタルツールを試用し、コミュニティへの導入検討に役立てる。

  • 例:Buddyup!、island、Roblox など

しほ:場づくりの学校は定期開催とのことですが、特に印象に残っている回などはありますか?

莉乃さん:4月の回で、モチベーショングラフを描いて見せあったのが印象的でした。思っていた以上に、コミュニティラボの他のメンバーのことが知れて、チーム意識が高まったように感じたんです。

柚木さんのモチベーショングラフ

柚木さん:そうそう、モチベーショングラフって「関係の質」を高めるのに役立つんだよね。「組織の成功循環モデル」という理論があって、組織の「結果の質」を高めるためには、まず「関係の質」つまりメンバーの相互理解・尊重の気持ちを高めるべきって話なんだけど。
シェア街だと、参加歴もバラバラだし、長くいる人同士でも意外と深い話をしなくて、お互いのことを知らなかったりする。

そういう場合、モチベーショングラフを通してその人の過去や人間像が見えてきて、信頼関係が結びやすくなるっていうのが、まず大事なんだろうね。

しくみシェアで作成(マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム教授 提唱)

しほ:たしかに、コミュニティの特性によっても、何が効くかは変わってきますよね。他に、コミュニティラボで扱って、シェア街でも特に大切にしているものはありますか?

柚木さん:コミュニティ立ち上げの時の「ファーストピン」ですかね。立ち上げ当初って、ついつい沢山の人に声をかけたくなるんですが、最初はむしろコミュニティを育てる「ファーストピン」になる人を見つける方が大切なんです。
ボウリングでは、ファーストピンを倒せば周りもどんどん倒れていきますよね。そうやって、どんどん良い波及効果をもたらしてくれる人を見つけるのがポイントです。

それから、新しい住民さんをうまくお迎えするのも、難しい。「オンボーディング」といって、飛行機とか新しい環境に乗りこんできた人が早く慣れて、居心地よくふるまえるようにするためのプロセスがあるんですけど。
これをしないと、せっかく新規住民さんが入ってきてくれても、そのあと何をしたらいいか分からなくて戸惑ってしまう。
なので今では、「シェア街学園」といって新規メンバーと既存メンバーを交えた小人数グループを作り、週一回「クラス会」をしています。そうやって、まずは一人でも気軽に話せる人を見つけ、そこからシェア街の楽しみ方を知っていってもらうようにしています。

しほ:コンセプト通り、ラボで扱われたセオリーが、実際にシェア街で活きているんですね!
さて5月頭にはコロナが5類に移行しましたが、今後コミュニティラボで真っ先にやりたいのはどんなことでしょう?

柚木さん:コロナ禍では、宿泊・飲食業をやっている身として、本当に事業が死んでしまうんじゃないかと思いつめました。「失われた3年半」といっても過言じゃない。
シェア街も「リアルとオンライン」のコミュニティを謳いながら、結局リアルでできることは限られていました。
そんななかでも、シェア街を通して、ずっと仲良くできる仲間と呼べるような人とも出会うことができました。
そして今はまた、「リアル」でイベントができるようになってきました。何でもやれるんだ!(笑)
だから、今後は改めてリアルとオンラインの両立を追及していきたいですし、断念していた活動もどんどん復活させていきたいです。

莉乃さん:私もオンラインのメリットを引き続き活かしながら、対面の活動を増やせるといいなと思います。オンラインの良さは、普段は会えない人と簡単に繋がれること。でも、やはりそこからもう一歩関係を深めていくのが難しかったので、それを今後は積極的にやりたいですね。

難しく聞こえるかもしれないけど、初心者だって大歓迎!

しほ:今後に向けてワクワクが膨らみますね!コミュニティラボやシェア街でもどんどんメンバーを増やしていきたいかと思いますが、興味のある方に一言、PRをお願いできますか?

莉乃さん:「コミュニティづくりの理論を学んでいる」というと、なんだか難しそうに聞こえるかもしれません。でも私も初心者で入りましたし、そんな私でも面白い!と思えるくらい、皆さんが分かりやすく説明してくださいます。
それに、ラジオを聞くようにして耳だけ参加だってありなんです。色んな人と出会えて良い意味で刺激ももらえるので、ハードルを感じずに、気軽に立ち寄ってほしいなと思います。

柚木さん:本当にその通りです!そして、楽しい対面イベントもどんどん増えていきますよ!例えば、浅草橋街歩きとか。コミュニティラボでの学びをふまえて、他のきょてんを立ち上げたメンバーが主催しているんですよ!
学びあり、出会いあり、刺激ありのシェア街、そしてコミュニティラボにぜひ顔を出してみてください!

この記事を読んで興味を持って下さった方は、シェア街公式サイトコミュニティラボのページにぜひご訪問・お問い合わせくださいね!

執筆:しほ(山口志帆)
編集:はやかわ英明
写真:提供写真


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