姫草 𝒾𝓃 𝓉𝒽ℯ 𝒮𝓀𝓎…

いっつも絵描いてるけど文字書いてみたいな〜って、よくばり!

姫草 𝒾𝓃 𝓉𝒽ℯ 𝒮𝓀𝓎…

いっつも絵描いてるけど文字書いてみたいな〜って、よくばり!

最近の記事

染まりきれない

わたしは人より少し雑な生き方をしてきた自覚がある。 夏休みの課題は夏休みが終わってから始めたし、テストで0点を取っても誰からも叱られずに(教師はため息をついていたかもしれないけれど。)、焦ることもなくギリギリの点数で進級した。 友情についても同じで、親友と呼べる相手に出会えたのは、気づけたのは大学に入ってから。右にも左にも、上にも下にも偏らずぬるま湯の様な関係に浸る。月日が経ち、知らぬ間に冷えた友情はLINEやInstagramのストーリーを見ればすぐ分かる。思い出したように

    • きみは夜行バスに揺られて

      夜行バスはわたしの大好きなきみを連れていく 昼行バスで三日前に来たきみを連れていく 夜行バスはわたしを置いていく 見えなくなるまでわたしはそれを見つめている 夜行バスは流れていく 高速道路のオレンジのライトに沿って、 たくさんのトラックに押し流されて 置いていかれたわたしは たばこを一本吸って、改札を通って 数分後にやってきた二両編成の白いボタンを押す 夜行バスは振り返る 何往復もしてきた道を 今日も何事もないようにと振り返る わたしは振り返る この数日を この数日

      • 人生、お腹の鳴る方へ

        旅は道連れ世は情け ご飯も誰かと食べた方がきっとおいしい でも人とご飯を食べる時って会話があんまり生まれない ふしぎ ラーメンなんて食べようものなら、はふはふずるずるもぐもぐはふはふ。会話を挟む隙すらない。 ラーメンを頼んで会話を始めたら、麺が伸びて話も伸びて。回転率を下げてすみません店主さん。 それでも、食券機で「どれにしよう」「トッピングつけたい」「それ少しちょうだい」「餃子半分こする?」そんな言葉が愛おしい。 サイゼリヤで何かの調査でもしてるみたいに、注文番号

        • 爪を噛むとき

          小学校を卒業するまで爪を噛む癖がなおらなかった。恥ずかしいことって分かってから今日まで一回も噛んだことはない。(けどこっそり爪の横の皮は食べてた。) 代わりに親指の爪を擦る癖を友人に指摘されたことがある。そんな癖あったんだって自分でも気づかなかった。 それからはネイルサロンに通うようになって、自爪って言葉を覚えて、爪を噛んでたことなんて忘れるくらい大切にした。 うつになって仕事を辞めた。 その後も一年ちょっとは爪が可愛くない自分が嫌で美容室にも洋服にもコスメにもほとんどお金

          ね、花火

          思ったよりきれいだね ね 田舎にしては頑張ってるよね でも前の家のアンテナ邪魔だよね へし折ってきてよ ひとりじゃ無理だよ じゃあ引っ越そうよ、3階とかがいい もっと川に近い場所でね でもここ駅近いからなあ まあ不便なことはあんまりないよね 田舎にしてはね てか今日風ないね めっちゃ煙 ね テロかよ 花火テロ? それが花火大会じゃない? かも あ、なんか屋台の匂いする あんなに遠いんだから気のせいだって でもめっちゃソースの匂いしない?

          月見小夜子を殺したすべての人へ

          わたしは数ヶ月前、月見小夜子を殺しました。 月見は高校2年生の美術部に所属するごく一般的な女子生徒です。スカート丈をいじらず、指定のソックスを履き、リボンを選択したブルーのタイはきっちりと彼女の首を守ります。校則通りにすべてを着こなし、暑い日には胸まで伸びた毛の細い髪を耳の辺で一つ結びにします。この学校の制服は、スラリと伸びた背丈に白く透き通った肌をもつ彼女の為に作られたのかと思うほどぴったりと似合っていました。 しかし、清楚とも地味ともとれる月見は教室でも美術室でも浮い

          月見小夜子を殺したすべての人へ

          『言語を持たない天使』の話

          A館とB館を繋ぐ天井の低い一学年が集会ができるようなスペース兼通路を歩いていると、向こうの階段から慌てて降りてくる髪を短く刈った丸眼鏡を書けた男の子に、 「あなた、《言語を持たない天使の話》を無断で持ち出しましたよね?」 と、はきはき話しかけられる。気づくとわたしはさっきまで手ぶらだったはずなのに、ずっしりと重たい大きなトートバッグを提げていて、男の子は確実にこのバッグを怪しんでいる。し、わたしもちらっと横目でそれを見る。「一旦図書館で確認させてください」と言うので、言われる

          『言語を持たない天使』の話

          神様神様チンクルホイ

          もしあたし達が離れ離れになったとしても、 七夕の日はお互いのことを思い出そうね。 七夕でしたね。 みんな大好き『おやすみプンプン』 初めて読んだのは高校生の時、姫草は当時いわゆるガチガチのサブカル女子でした。 背伸びしてクリープハイプを聴いてはエモい気持ちになったり、宮崎夏次系の漫画を読みふけったり。キュウソを聴いてカラオケで特大ブーメランすぎる「お笑いといえばラーメンズ、ブログに書いちゃう鬱日記」を披露して、締めは『若者のすべて』。通学用のエヴァンゲリオン初号機柄のリ