#363 ザビエル像のひみつ5選
歴史の教科書に必ず載っているフランシスコ=ザビエル像。
誰でも一度は見たことがあるだろう。
ザビエル像
1.ザビエル像はどこでみつかった?
ザビエル像は有名なのでイエズス会の本部があるヨーロッパで描かれたものだと思っている人も多いだろう。
しかし、ザビエル像は日本人絵師が描いたと考えられている。
ザビエル像が発見されたのは1920年。
大阪の茨木市千提寺の旧家で発見された。
その家には古くから伝わっていた「あけずの櫃(はこ)」の中から見つかった。
旧家があった地域はキリシタン大名の高山右近が支配していた土地で、旧家は隠れキリシタンの家だった。
2.ザビエル像はいつ誰が描いた?
誰がいつザビエル像を描いたのかは残念ながら判明していない。
しかし、絵にはそれを知る手掛かりが描かれている。
ザビエルの絵の下に、ラテン語で「S.P.FRÃCISCUS XAVERIUS SOCIETATISV」と書かれており、その下には万葉仮名で「瑳聞落怒青周呼山別論廖瑳可羅綿都 漁父環人」とある。
「サン(聖)フランシスコ・ザビエルのサクラメント(秘跡)」という意味である。
サン(聖)とは、聖人に列せられた宣教師につけられる称号なので、この絵が描かれたのはザビエルが聖人に列せられた1622年以降ではないかと言われている。
ザビエルが日本を去ったのは1551年なので、日本でキリスト教を信仰していた後世の人間が想像で描いたものとされる。
3.ザビエル像に描かれているものは何?
・ザビエルが抱えているもの
→心臓で、神への強い愛を示している。
・ザビエルの口もとから書かれている言葉「SATIS EST DNE SATIS EST」
→日本語で「十分なり 主よ 十分なり」という意味。ザビエルが言ったとされる言葉。
・十字架の背景にはる「IHS」
→イエズス会の標識で、「耶蘇(イエス) 人類の救済者」の略
・十字架の上の「INRI」
→「IESVS NAZARENVS REX INDA-EORVM(=ユダヤ人の王 ナザレのイエス)」の略。ナザレはイスラエルの都市。
・翼の生えた顔
→ケルビムやセラフィムとよばれる上級天使ではないかと言われている。
・ザビエルの顔の周りにある円
→仏像や仏教絵画でも描かれる「光背(こうはい)」と同じもので、聖人から発せられる光を表現したもの。
4.ザビエルは帽子をかぶっていない?
特徴的な頭の描かれ方から、ザビエルは帽子をかぶっていると勘違いしている人がいるかもしれないが、帽子ではない。
そして、剥げているわけでもない。
特徴的な髪型は、「トンスラ」と呼ばれる頭頂部の髪の毛を剃るキリスト教特有の髪型である。
しかし、ヨーロッパで描かれたザビエル像は頭頂部にも髪があり、トンスラではない。
なお、イエズス会ではトンスラの習慣がなかったため、ザビエルの髪型はトンスラではないという説もある。
5.やってはいけない落書き
2000年代に一世を風靡した某人気T番組で紹介されたことから、多くの小中学生がやるようになってしまったザビエル像に対する落書きがある。
ザビエルの唇の左下と右下に点を1つずつ描き足して絵を逆さにすると・・・
ぜったいにやってはいけない。
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