#144 メディアがベトナム戦争を終わらせた?

ベトナム戦争は「メディアが終わらせた戦争」と言われている。
第二次世界大戦において、メディアは戦争を煽るものだった。アメリカはディズニーのキャラクターを使って戦争を正当化するプロパガンダを行った。

しかし、ベトナム戦争は違った。メディアを通して戦争の悲惨さやアメリカの苦戦する様子が世界中に伝わったのだ。
ベトナム戦争の悲惨さを伝える象徴となったのが、アメリカ軍の爆撃から逃れるため川を渡る母子を写した「安全への逃避」と、ナパーム弾攻撃から逃れる子どもたちを写した「ナパーム弾の少女」といった写真である。

ベトナム戦争は、戦場を自由に報道できた最初で最後の戦争とも言われている。アメリカは当初、戦争を取材する取材陣を支援することでメディアをアメリカ側に取り込み、戦争に肯定的な世論を作り出すことを目指していた。しかし、報道陣の数が増えるにつれてアメリカは情報をコントロールすることができなくなり、ありのままの戦争が世界に報道されてしまった。その結果、アメリカ国内のみならず、世界中で反戦運動が活発になっていった。テレビが各国で普及し始めていたことも反戦運動を後押しした。
メディアが戦争を終わらせるきっかけとなったのである。

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