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いいモノをつくるブランドに必要なのは“キッカケ”【shackレポートvol.3】

shack主宰の川添隆です。

こちらのマガジンでは、既に新たな「店舗業態、場所の作り方、課金モデル」に挑戦している事例や考え方をご紹介していきながら、私自身もヒントを得られたらと考えています。

今回は、私自身がイベントの企画・登壇・コラボレーションで参加した「Yappli大忘年会セミナー」を通じて感じたことをご紹介します。

どんなイベントだったのか?

2019年12月6日(金)に、アプリ構築プラットフォームを提供する株式会社ヤプリ主催でイベントを開催。前半はビジネスセミナーで、後半はD2Cファッションブランドの体験試着会と私(川添)がバーテンダーを務めるZOE BARの出張版という2部構成でした。

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私自身は、2019年6月に開催したZOE祭(ゾエまつり)のショートバージョンというようなノリで、ビジネスセミナーと飲み会をやるのであれば、ぜひそこで良いブランドを体験して知ってもらいたいというのを持ちかけたのがきっかけです。

私個人として、D2Cブランドの方々とお話をする機会が増えたり、私自身が愛用するブランドも出てきています。それを通じて、「こんなにいいモノを作っているなら、もっと知ってもらいたい」と思うようになりました。一方で、ブランド側としては「知っている人」と「買ったことがある人」の間には、数として大きな違いがあるということも聞いています。

いいモノはあっても、それを知るキッカケや、買うキッカケがない。

自分自身も「いつか買ってみよう」と思っていても、なかなか買うタイミングを失い、そのブランドがイベントやクラファンをやっている時になって購入するという経験があります。D2Cブランドに限らないことですが、知ってはいるけどキッカケがないというのは、ブランド・ユーザーどちらにとっても残念なことです。

その「キッカケづくり」の実験の1つが、ZOE祭(ゾエまつり)であり、今回のYappli大忘年会セミナーでもあるということです。

今回は、いずれも個人的に愛用しているALL YOURS(オールユアーズ)CITERA(シテラ)にご協力をいただき、セミナー登壇と体験試着会を実施していただきました。

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当日の反響とイベントからの気づき

イベント開催前はヤプリ社員の方々に、そして本番の体験試着会では多くの参加者の方々に「試着→その場でオンライン購入」をいただきました。

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目に見えて、ユーザー側の「知る→体験→購入」につながったこと、ブランド側の売上につながったことは、企画側として非常にやりがいを感じました。

イベントを通じて気づいたことは下記です。

■BとCは表裏一体である
第三次産業がマジョリティになった現代では、1人の人間がビジネスパーソン(B)とコンシューマー(C)を切り替えています。ビジネスモードの打ち合わせやセミナーで学び、出会った商品をコンシューマーとして購入するというのは、私自身も経験していますし、ほかの場でも幾度と見てきました。今回のイベントでも、BとCの表裏一体を感じました。

■セミナーで初期説明と興味喚起、体験試着会で答え合わせ
単にイベントや会社で体験試着会をやったとしても、呼び込み→個別のブランド説明が必要になるはずです。今回の場合は、最初のセミナーを通じて参加者全員にブランドの考え方やこだわり伝えることができ、その後の体験試着会で、考え方が製品に反映されているかの答え合わせや知りたいことの深掘りができます。もちろん、お互い時間と労力は必要ですが、ユーザーとブランド双方にとって良かったのではないかなと感じました。

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■「試着室に入る」というハードル
すぐに羽織れる製品は別ですが、デニムやパンツのように、わざわざ「試着室に入って試着する」というのはハードルが高いと感じました(店頭での販売経験がある方はお分かりだと思いますが)。
そこで、体験試着会が始まってからの後半は、私自身がファンとして「1回でいいからぜひ履いてみて」とオススメをするようにしました。「しょうがないな~」という顔をしながら、試着した後にテンションの上がる人を何人も見られたのは、私自身もよい経験になりました(笑)。第三者がオススメして巻き込むというのも1つの”キッカケ”になるようです。

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■パーソナル化したショッピングとは異なるワイワイショッピング
ググると2015年の[意外!? 女子の買い物「ひとり」派が約9割]という記事が出てきますが、ショッピングのパーソナル化という流れはあるのではないでしょうか。もちろん、家族や友人と買い物に行くこと自体はありますが、ECの登場により、自分自身の趣味嗜好に近いモノほど“ひとり”でショッピングを済ませるということはやりやすくなったと感じます。
その一方で、今回の体験試着会で見られたのは、賑やかさと笑顔です。もともとの知り合い、その場で知り合った人、会社の同僚などとワイワイ言いながら商品を見たり、試着をしたり、試着した姿を見たりしながら、最終的に購入するという光景が見られました。これは、ヤプリ、登壇者、ZOE BARなどのコミュニティによって、知り合いの比率が多かったというのも影響しているとは思います。ただし、確実に一般の小売店とは異なる賑やかさと、体験する人の笑顔を見ることができました。
より買い物がパーソナルに集約されている流れがあるからこそ、逆に気心知れた人と買い物するのは楽しいのかもしれません。また、この時に買った服を身に着けた時には、一緒にいた人との会話のキッカケや思い出の共有になるのではないかということに気づきました。

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しばらくは私が関わるイベントでは体験試着会などを取り入れていこうと考えています。また、この記事を見ていて自身のイベントや会社で体験試着会をやってみたいと思われた方は、ぜひご連絡ください。私がつながっているブランドに限りますが、お繋させていただきます。


原宿キャットストリート裏にある“身軽な実験スペース”「shack」
Twitter:@shack_evanh

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