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単身赴任と鹿児島市の国道58号一人歩き

単身赴任を終え、次の仕事に向け気持ちを切り替えるには、飛行機で戻る3時間弱では足りないので、船を4回乗継ぎ5日間かけて戻る事に。鹿児島まで13時間の船内で"沖縄ロス"に打ちのめされた私を救ってくれたのは、鹿児島市を縦断する国道58号であった!

1.国道の格付け

国道は桁数によって格付けがなされています。東海道と同じルート上を走る国道1号や、東京青森を結ぶ日本一長い国道4号など、歴史ある主要街道が一桁国道です。
ちなみに"国道○号線"と言いがちですが、正確には線は付けずに、"国道○号"が正式な呼び方、今度道路交通情報注意して聴いてみてください。

2.一級国道

一級国道は地域を代表する主要都市間を結び、1号から58号までの総称。9号まではまとめましたので、皆さんがお住まいの地域の二桁国道を思い出してみてくださいね。あるだけで凄いのですよ。

1号 東京・大阪
2号 大阪・北九州
3号 北九州・鹿児島
4号 東京・青森
5号 函館・札幌
6号 東京・宮城
7号 新潟・青森
8号 新潟・京都
9号 京都・下関

3.日本でいちばん数字の大きな国道

国道ネタのオマケ。日本でいちばん数字の大きな国道、それはなんと沖縄県にありました!なので仲間7人と那覇市から八重瀬町までワイワイ楽しみながら歩いてきました。コンビニに寄る度にひとりの仲間はアメリカンドッグを都合6本食べたり、サトウキビ畑の方から切り分けてもらい、嚙りながら歩いたり、とても楽しいひとときでした。お付き合いくださったみんな〜、ありがと〜。

4.沖縄県民にとっての58号とは

THE大動脈です。那覇市・明治橋から、国頭村・奥までを結ぶこの道は、さまざまな呼び方で愛されてます。"ごっぱち“、"ごはち"、"ごんぱち"、などなど。
自動車のナンバーの58は、沖縄ではプレミアムです!

5.おじさん三人58号を歩く

内地から来ている物好きなおじさん三人は、昨年沖縄本島内の58号を6日かけて歩きました。その時に気付いてしまいました。国道58号は鹿児島市が起点であることを、そして奄美諸島をアイランドホッピングして、那覇市が終点であることを。
詳しくは↓

6.送別会での出来事

私が2月末で単身赴任を終え沖縄から内地に戻る前に、58号を歩いた三人で大好きな栄町市場にて飲んだ時のこと。
私が飛行機で帰るのは寂しいので、船を4回那覇港→鹿児島港・志布志港→大阪港・和歌山港→徳島港・徳島港→東京港、乗り継いで帰省すると説明したところ、鹿児島市内の58号を歩かないとダメじゃないか!と大いに盛り上がり、歩く事になりました。

7.いざ鹿児島へ

58号を歩いた仲間や、会社の同期、与那国島・波照間島に行ったおじさん軍団に見送られ、船はシケで2日遅れで鹿児島港に向け旅立ちます。

与那国・波照間島に行った珍道中はこちら↓

船での別れって、飛行機や鉄道と違って、なんとも感慨深かったです。
ゆっくりゆっくりと、人の姿が・土地の姿が見えなくなっていく、別れってどんな時もそうありたいですね。

8.さようなら沖縄

辺戸岬を過ぎ、少しづつ沖縄本島が小さくなっていきます、与論島からはまだ見えますがしばらくすると視界から消えて無くなっちゃいました。
「沖縄のみんな〜ありがとう〜またね!(涙)」

9.薩摩富士

与論島→沖永良部島→徳之島→奄美大島を経由して、夜が明けると遥か彼方に薩摩富士・開聞岳がお出迎えしてくれます。なんだか歓迎されてるみたいで嬉しかったなぁ。

10.桜島

鹿児島湾に入ると、今度は桜島がお出迎え、時折灰色の噴煙が出てきます、爆発しているのでしょうね。モクモクと噴煙がいらっしゃい!と語っているように感じました。

11.鹿児島港

いやぁ大きいですね〜、東洋のナポリ、いい感じの港町です。さて九州に上陸、いよいよ本題の58号に入ります!

12.いざ58号!

距離は0.7km、短いようで長い旅のはじまりはじまり!

見つけましたよ、58号の標識。沖縄ロス真っ最中の私には、これみただけでウルウルしちゃいます。0.7kmの道のり一歩一歩楽しんでいきます。

13.歴史ある道

通称朝日通り、歴史的建造物がたくさんあります。

この方は1835年生まれの五代友厚さん、商都大阪を築いた薩摩藩士です。何故彼がここに立っているかの説明欲しかったです。

14.克灰袋

"こくはいぶくろ"と読みます。これは鹿児島ならでは、桜島の火山灰を入れる袋の回収ステーション。どのようなオペレーションになっているかは、こちらをご覧ください、凄いです。

振り向くと桜島が灰を吹いてました。
さっ前に進みましょう。

15.山形屋

最初の交差点に差し掛かると、路面電車が走り去り、左を眺めると、んんヨーロッパの街並みみたいな巨大な建物が!

良く見ると"山形屋"の文字が、おぉっ!山形屋。ムムムむっ!那覇市歴史博物館で戦前の街のミニチュアの繁華街の中心にそびえ立つモダンな山形屋の姿を思い出しました。
嬉しいではありませんか!58号が導いてくださったのですね!こんな事でも沖縄ロスの心を癒してくれます。

写真中央が山形屋、10.10空襲で消失し戦後は国際通りに移転し、閉店後の跡地はホテルJALシティになってます。

山形屋最上階に良い感じのデパ食"山形屋食堂"を発見
したので食べる事に。

ご覧くださいこの雰囲気最高ですね!
地元の高齢者を中心にとても賑わっており、入口には行列が出来てます。

席に案内される途中、やたらとあんかけ焼きそばをみんな頼んでましたので、私も真似して注文。メニューの最初に出てくる名物料理のようです。750円だったかな。優しい味で美味しかったです。

フキンと謎のボトル、このセットが全てのテーブルに置かれてます。蜂蜜みたいな感じで、気になってので店員さんに聞くと、焼きそば用の三杯酢との返事。凄いですね、注文が多いので、テーブルに置いてあるのですね、他の調味料は一切置いてないのに、焼きそばの特別待遇ぶりが感じられます。

その後市内のバスターミナル跡地の巨大プロジェクトの100㍍は続く工事現場の看板に、鹿児島市内街歩きの説明書がズラズラと書いてあり、一つ一つ読んでいたら(そんな人滅多にいないと思うけど)、山形屋の由来が書いてありました。へえ〜山形の人が作ったのだとビックリ、当時関西以西ではじめての大型百貨店だったそうです。

"山形屋"と書いて、"やまかたや"と読みます。鹿児島県出身の歌手の"中島美嘉"さんも、"なかしまみか"と読みます。何故でしょうか?

16.鹿児島銀行

山形屋の向かい側に大きな建物が、伝わりませんが、お洒落な黒づくめのシックなデザインの銀行、おおっ鹿児島銀行!ムムムむっ!沖縄県内にある唯一の県外地方銀行ではありませんか!沖縄ロス真っ最中の私には、またもや嬉しいおもてなし、流石58号沿道には沖縄にご縁がありますね。

沖縄県には、郵便局以外で存在する県内金融機関は、鹿児島銀行とみずほ銀行だけです。みずほ銀行は宝くじが販売できるので、あるとの噂。鹿児島銀行強いですね!

銀行1階にある県内産品などを販売するショッピングモール、なんとCASHLESSの看板が、銀行なのに大胆で素敵です。

17.美しい街並み

この写真左が山形屋、右が鹿児島銀行。アーケードがおしゃれで、全てに山形屋と思われるマークがついてます。路面電車と共に素晴らしい街の景観を生み出してますね。上の白いギザギザは、左右に横切るアーケード商店街の屋根を繋いだものです。

18.歴史的建造物

さて再び58号を歩きます。山形屋前の交差点にそびえ立つ建物、南日本銀行の本店、国の登録無形文化財です。

旧鹿児島公会堂、今は鹿児島市保有の鹿児島中央公民館として活躍してます。1927年竣工で日本で二番目に古い公会堂建築。一番古いのが大阪市中央公会堂、三番目に古いのが東京市公会堂(現日比谷公会堂)です。鹿児島は凄いですね!こちらも国の登録無形文化財でした。

19.百万円のスイートルーム

58号のゴール方向後方の山上にそびえ立つ茶色の建物は、城山観光ホテルではありませんか。昨年末に百万円のスイートルームを公開して話題を呼んでました。20年以上前に出張で宿泊した際に、夕飯の中華料理がとても美味しかった事を今でも覚えてます。素敵なホテルですね。

20.本願寺鹿児島別院

二つ目の交差点を過ぎて左を振り返ると、デカッ!なんだこの大きさは!巨大西郷どん大仏でも入ったいるのか?

なんと、本願寺鹿児島別院でした。

別の角度から見ると、ビル10階相当の高さがあります。屋根の中どうなっているのかなぁ?

21.ゴールの起点で待っていたのは⁈

なんと西郷どんの銅像の目の前がゴールでした。それはそれは光栄な事です。しかも西郷どんが見つめる彼方に沖縄があったんですね。起点の左奥に仁王立ちされてます!

850km先には、愛しの沖縄がいます。
沖縄ロスはいつまで続くのか?

またね!

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