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サービス付き高齢者向け住宅シャングリラ(熊谷市)の深刻な権利侵害について、会社側に実態調査を依頼しました。

埼玉県熊谷市で介護施設「サービス付き高齢者向け住宅シャングリラ」「小規模多機能型居宅介護事業所シャングリラ」「居宅介護支援事業所シャングリラ」等を運営する、有限会社オフィストゥーワン(埼玉県熊谷市、代表 植野 智恵子)で、夜勤専従介護士として働くAさんが介護保育ユニオン(総合サポートユニオン・介護保育支部)に加入し、労使紛争(未払い賃金や多数の労働法違反)についての団体交渉をスタートさせしました。
今回の記事は4月5日に行われた団体交渉の内容です。

◉オフィストゥーワンの労使紛争についての過去の記事はこちらです

https://note.com/sguion/n/nf27f71bc6e19

https://note.com/sguion/n/n3d893a7154af

https://note.com/sguion/n/n60ac3248dc1e

https://note.com/sguion/n/nf691ed50f128

https://note.com/sguion/n/nf41b8631f81d

https://note.com/sguion/n/n9b395957a71a

◾️「シャングリラの違法行為についての調査を依頼しました」

Aさんの入社から3年間の年間の休日が、2015年は17日、2016年は9日、2017年は16日であったことが、前回の団体交渉で明らかになりました。シャングリラは年間休日を108日としていますが、Aさんは年間たった20日。しかもAさんはワンオペ夜勤ですので、一勤務13〜15時間の労働時間でした。とんでもない違法行為(労働基準法上、年間105日以上の休日が無いと違法となります。)であると共に、労働者の権利を著しく侵害するものです。

オフィストゥーワンの権利侵害は、深刻でとても看過出来ないものです。そこでユニオンは、会社に対し、Aさんの入社から現在までの年間休日取得日数を調査するよう要請しました。
しかし、これだけ酷い権利侵害をしていながらシャングリラはそれに応じようとせず、「年間休日取得日数を提示する必要性が無い」「Aさんが自分で休日計算をすればいい」と言い放ちました。

これに組合は異議を唱え「年間休日取得日数は大事な労使問題である」「これだけ酷いレベルの権利侵害をしたのだから、調査の必要性はある」「違法行為を伴う労働者の深刻な権利侵害についての会社側のオフィシャルな調査結果を組合に提示するべきだ」という事を会社に説明し、渋々ですが納得していただき、次回団体交渉時に提示してもらう事になりました。

シャングリラはAさんに対する未払い賃金が約2500万円(内、600万円は支払い済み)あり、年間休日取得日数も異常な状態でした。未払い賃金総額や年間休日取得日数は、常識的に考えて許容出来る範疇を優に超えています。植野社長がAさんに対して行ってきたこれらの違法行為は、労働者の金銭的破綻や過労死を招く危険性のある深刻なものであると総合サポートユニオンでは認識しています。引き続き、植野社長にその責任を追及していきます。

◾️「賃金台帳の不正についての調査を依頼しました。」
会社側から提出していただいた賃金台帳を見たところ、法律で賃金台帳に絶対に記載しなければならない事項の記載もれが多くあることがわかりました(労働基準法第108条及び労働基準法施行規則第54条に違反)。

植野社長いわく、賃金台帳記入に関しては全て会計事務所に委託しているとのことで、なぜ絶対的記載事項の記入漏れが生じたのか原因が不明ということでした。賃金台帳の絶対的記載事項の記入漏れ理由と、賃金台帳の管理方法については、会社が調査して明確にしていただくことになりました。
また、Aさんは賃金台帳が法律通りに記入されていなかった為に大きな損害を負う事になったので、損害賠償請求も考えています。その旨を植野社長に伝え、シャングリラが契約している会計事務所の連絡先の開示も要求しました。

◾️「財務諸表の提示を約束していただきました。」
シャングリラの未払い賃金約2500万円の内、1200万円程度について会社は支払いの義務があることをユニオンに認めていますが、支払いについては会社の経営が苦しくて支払えないと主張しました。
次回団体交渉時には、経費や役員報酬額(勤務実態の殆ど無い、植野社長の実子2名が役員になっています。内1名は学生です。)等の詳細が分かる財務諸表を提出していただく事になりました。

◾️「その他の団交内容について。」
① 「現状会社が考えている未払い賃金の残金を4月末までに支払っていただく事になりました。」
会社が支払い義務があると認めている分の未払い賃金について、できる限り4月末までに支払うことで合意しました。一方で会社側は時効が到達したことを理由に、未払い賃金1300万円の支払いを拒否しています。シャングリラには労働条件通知書の明示義務違反があるので、これについては時効の起算点をどこに設定するかを話し合いで解決するようユニオンは求めています。

②「処遇改善手当を支払っていただく事になりました。」
Aさんの処遇改善手当が支給されたと同時に、他の手当が不払いになりました。これは行政が支給する処遇改善費加算の禁止事項に該当する為、手当のすげ替えはあってはならないことです。本件については会社側も違反を認め、時効に関係なく遡って支払っていただく事になりました。

③「介護チームが小規模多機能型居宅介護事業所シャングリラの問題点を指摘しました。」
シャングリラには別事業所があり、その運営に関する問題点を介護チームが指摘し、違法操業の可能性を示唆しました。

総合サポートユニオンではケアマネジャーや社会福祉士を含む「介護チーム」を結成し、介護の専門的な法律(介護保険法、老人福祉法等)に対応しています。

◾️ 「次回の団体交渉の参加者募集のお知らせ」 

次回のオフィストゥーワンとの団体交渉は、5月23日(木)の16時〜18時です。

参加をご希望の方は総合サポートユニオンにご連絡ください。オンライン(zoom)でのご参加も大歓迎です。
介護施設の運営には多額の税金・公金が投入されていますので、労働者の権利侵害、不正や違法行為等を許してはいけないと私達は考えます。次回の団体交渉では、より細かな点を話し合い、問題解決に向けて取り組んでいきますので、皆様のご協力を宜しくお願い致します。

◾️「介護保育ユニオンとは」

労働者が一名から誰でも加入できる個人加盟制労働組合である総合サポートユニオンでは、これまでにも様々な産業のブラック企業と対峙して交渉し、労働者の権利を勝ち取ってきました。私たち介護保育ユニオンは、その総合サポートユニオンの介護・保育支部として活動しており、様々な企業で働く介護職員や保育士がケア労働者として相互に支援を行っています。
ハラスメントや賃金未払いなどの被害にあっている、事業所の不正が改善されない、などの問題を抱えている介護•保育従事者の皆さん、一人で悩まずにまずは私たちにご相談ください。


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私たちは働いている皆さんからのご相談をお受けしています。相談は無料、秘密は厳守します。お気軽にご相談ください。

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