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介護事業者オフィストゥーワンとの団体交渉の経過報告です

介護施設「サービス付き高齢者向け住宅シャングリラ」「居宅介護支援事業所シャングリラ」等を運営する、有限会社オフィストゥーワン(埼玉県熊谷市、代表 植野 智恵子)で働く介護士のAさんが介護保育ユニオン(総合サポートユニオン・介護保育支部)に加入し、労使紛争(未払い賃金や多数の労働法違反)についての団体交渉をスタートさせしました。今回の記事は6月6日に行われた団体交渉の内容です。

◉オフィストゥーワンの労使紛争についての過去の記事はこちらです。
https://note.com/sguion/n/nf27f71bc6e19

○コロコロと変わる手当の名称
 オフィストゥーワンでは、支給される手当は名称がコロコロ変えられます。
 例えば「特別手当」は「住宅手当」に、「特殊業務手当」は「処遇改善手当」に変わりました。
 さらには、「賃金(基本給)」が「夜勤手当」になっていました。基本給を夜勤手当という名称にしている介護系企業はオフィストゥーワンくらいでしょう。組合員のAさんも交渉で説明されるまでわかりませんでした。

 今回の団体交渉の中で、各手当を支給してきた植野社長本人でさえもその内容を間違えて、Aさんに訂正される場面がありました。
 あまりにも手当の名称が変わり過ぎている為、植野社長本人がその内容を把握しきれていない状況です。なぜこの様な事が起こったかには理由があります。

 数年前、Aさんがワンオペ夜勤中に、従業員Sさん(現在は退職しています)が来て、「給料がおかしいから労基へ行く」と騒いだ事があったそうです。従業員Sさんが激しく怒っていたので、Aさんはとりあえず彼をなだめてから植野社長を会社に呼び、三者での話し合いとなりました。

 その際に、激怒するSさんを納得させる為に植野社長が提案したのが「今後は夜勤手当を一回につき13000円、処遇改善手当を月に30000円付けるので、今迄の事は目をつぶって欲しい。」というものでした。

 その通りに手当が支払われていたのであれば全く問題は無かったのですが、今回、オフィストゥーワン代理人弁護士から提出された賃金台帳と長期間不渡しだった給料明細書から、実際には給料明細書の「基本給を夜勤手当に」「特殊業務手当を処遇改善手当に」すげ替えただけという事実が発覚したのです。

 つまり、手当の名称を変更しただけで支給額は全く変わらずでした。

 「だから名称だけ変えて手当を挿げ替えただけだろう?私とSさんを騙したんだろう!?」と怒りを露わにAさんは社長に問いかけました。

 これに対し、植野社長は「すべて税理士に任せきりで、自分では労働条件についての確認はしていなかった。」と返答したのです。

 行政から支給される処遇改善手当と特殊業務手当は全く性質の違う手当で、勝手に削ることは許されません。ユニオンが過去にさかのぼって特殊業務手当を支払うよう求めると、植野社長は誤りを率直に認め、それを支払うことを約束しました。労働者が生活していく上で大切な賃金を、何年も一切チェックしない植野社長のいい加減さにはあきれてしまいます。

○6月6日に行われた団体交渉の主な内容
①未払い残業代の支払いは、労使双方で未払い賃金案を示し、詰めていくことになりました。

 交渉の席上で、オフィストゥーワン代理人弁護士から「ユニオン側で未払い賃金の計算を示して欲しい。」という要望が有り、ユニオン側はそれに応じるという形です。

 「法律通りに計算してしまうと、未払い賃金の総額がかなり高額になる可能性があり、会社の財政的に全額支払えるのか不安である」「場合によっては会社の破産もあり得る」等の懸念がオフィストゥーワン代理人弁護士から示されたので、ユニオンからは「利用者第一の考えで仮に財政的に支払いが難しい場合には事業継続が可能な支払い方法などを考える」「支払えないという場合には、支払い能力や経営状態を判断する為に帳簿等を提出して貰い、検討していく」という方針である事を伝えました。

②年末調整還付金とボーナスの支払いがされていない様なので、オフィストゥーワン代理人弁護士に支払いの有無、支払い日等の確認を依頼しました。

③過去に失効した有給休暇の買取り(既に失効した有給休暇の買取りは合法です)を、オフィストゥーワンに要望しました。また、今後は組合員Aさんが有給休暇を取得出来る様にする事をオフィストゥーワンに約束して貰いました。 
 
過去にAさんが「熱があるので今日は有給で休ませて下さい」と植野社長に嘆願するも、「あんたが休んだら夜は誰が老人の面倒を見るんだ。休まず出て来なさい」と断られた事があったり、違法な長時間労働や休日出勤が常態化していて月に4日の法定休日さえ貰えない月があったりで、入社から8年間で有給休暇を取得出来たのは数回のみ。

 人員不足の為、実際に有給休暇を取得出来たのは、組合員Aさんの父親が心筋梗塞で倒れて救急車で運ばれた時と、組合員Aさん自身が新型コロナウィルスに罹患した時だけ。ですから、身内の結婚式や葬式には殆ど出席出来なかったのだそうです。企業には年5日の有給取得の法定義務がありますが、それも守られていませんでした。

以上です。    

○次回の団体交渉日程と参加者募集のお知らせ
次回のオフィストゥーワンとの団体交渉は7月10日(月)の14時〜16時です。参加をご希望の方はユニオンにご連絡ください。

介護施設の運営には多額の税金・公金が投入されていますので、労働者の権利侵害、不正や違法行為等を許してはいけないと私達は考えます。次回7月10日に開催予定の団体交渉では、より細かな点を話し合い、問題解決に向けて取り組んでいきますので、皆様のご協力を宜しくお願い致します。

また、介護業界での労使問題でお悩みの方がおられましたら、当ユニオンまでご連絡ください。

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