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ある六月の物語

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ある六月の物語⑤

ある六月の物語⑤

東京は嘘の様に晴天が続き

もう梅雨明け間近だと

今朝のテレビでも

トピックニュースに挙げられていた。

今日の予報は晴れ。

夕方から局所的に強い雨が降るかもしれないと

いつもの天気予報士が

重要だと言わんばかりに言っていた。

今日は6月最後の週の金曜日。

降りそうもない青空を見て

1度玄関を出たが、

あの天気予報士が正確だと

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ある六月の物語④

ある六月の物語④

金曜の夜、会社の同僚2人に誘われ

郁人は飲みに来ていた。

ここは新人の時から来ている

会社近くの居酒屋。

きっかけは忘れたが

似たようなメンバーと

似たようなメニューで幾度となく来ている。

定食屋の様なテーブルが

等間隔に並んでいて

店主の手書きのメニューが

敷き詰められている。

ここに来ると、誰しもがメニューに悩み

目が忙し

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ある六月の物語③

ある六月の物語③

「郁人、そろそろ起きたら?もう5時よ。」

ノックと共に、母親の控えめな声で

頭まで被った布団から、郁人は伸びをしながら

這い出す。

実家のある自治会のお囃子の稽古の時間は

月に2回あり、祭り前のこの時期の

土曜日の稽古は毎週になっていた。

郁人は、一応指導者として

この稽古に、毎週出席していた。

18時30分から稽古が始まる。

汗ばんだ体

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ある六月の物語②

ある六月の物語②

旗めく洗濯物を、網戸越しに眺めていた。

仕事休みの日の晴れに、今日初めて感謝する。

休みの日は携帯のアラームをかけない。

体が起きたい時間に起きて、

こうやって11時位に、

溜まった洗濯物を洗濯機に放り込み、

その間にテレビを見ながら、

カフェオレとトーストと、有り合わせのもので

サラダを作り食べる。

今日はルッコラとハムに、

同僚の

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ある六月の物語

ある六月の物語

「あ、降ってる。」

定時を少し過ぎたあたり。

オフィスから出てきた吉澤郁人は、

エントランスを出たビルと雨脚の間で

バラバラと隙間無く降る雨を見上げていた。

「傘…忘れたんですか?」

斜め後ろから、急に話しかけられ

郁人の身体は驚いて、少し肩が跳ね上がった。

振り向くと、閉じた唇の口角を、少し上げながら

微笑む中田千都がいた。

隣の隣の部

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