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【レコード】ベガーズ・バンケットのレコードが手に入ったぞ!!!!!

 「ローリング・ストーンズのアルバムで一番何が好き?」と聞かれると、すごく迷うのだけど、やっぱり結局はこの『ベガーズ・バンケット』(1968)が好きだ。時には浮気することもあるが、結局ここに戻ってくる。

 1968年といえば、ビートルズが『ホワイトアルバム』を出した年である。前作の『サージェント・ペパーズ』とは異なり、コンセプト性を失っている。良作揃いだが、やはり統一感には欠けていた。それがいいポイントでもあるだけれど。

 一方でライバルのストーンズは、むしろ統一性を少なくとも意識はしていたように思える。僕の中でこのアルバムは一番宗教色の強いアルバムだ。ロックバンドの帝王であるはずのストーンズが、サンバフォークを演奏して、神とか悪魔とかについて歌っている。あまりに異質だ。


 ただ、異質とは言いつつも、ストーンズは「王道でありつつも、挑戦的である」という、ロックバンドとして大正解のスタンスのバンドなので、これはむしろ彼ららしいとも言えるだろう。前作の『サタニック・マジェスティーズ』ではサイケデリックに挑戦し、次作の『レット・イット・ブリード』ではゴスペルやソウルに挑戦した。彼らにとってはあくまで通過点の一つであり、挑戦は必然的であったと考えることもできるかもしれない。

 ではでは、レコードを買った話に戻るけども…


 やっぱレコードはいい。(至言)


 メルカリで2000円程度で買えたのがなにより嬉しいが、やはり音楽を〈物質〉として持てている感覚がすごく気持ちがいい。

 それにあのジャケットだ。

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 この汚らしい感じ。実際、発売当初はレコード会社も難を示して、白いジャケットにバンド名とアルバム名だけが載ったシンプルなものが出回ったんだけど(奇しくも、ビートルズの『ホワイトアルバム』と似ている)、やっぱり『ベガーズ・バンケット』はこうでなくちゃね。

 きったないトイレに落書きが書いてある。表にはバンド名、裏には曲名が散りばめられている。こういうトイレあるよね~さびれたキャンプ場のトイレとかこんな感じだよ、マジで。ほんとは『STONES』の「N」のあたりにでかい蛾とか留まってるんだよね。ほんとは。


 僕の中で、このアルバムの曲はこういう泥臭いイメージが強い。ジャケットのインパクトってほんとに強くて、ジャケットのイメージが曲の印象を左右する。ほんとに。ただ、宗教色の強いアルバムだから、こういう「年季が入っている」というか「いろいろな人の解釈が記されている(文字通り)」というか「近寄りがたいイメージ」というか、そういういろいろなイメージを彷彿とさせる、こういうジャケットが似合うんだなぁ、と実感。

 実際にレコードを聴いてみたんだけれど、1曲目の『悪魔を憐れむ歌』のインパクトが強すぎる。ビル・ワイマンのマラカスといい、ゲストのロッキー・ディジョンのコンガといい、音のインパクトが本当に強い。これはレコードを買って正解だったね。 


 あと一番印象的だったのは、最後の『地の塩』という曲。聖書をモチーフとした曲なんだけれど、こんないい曲だったっけ…?と思うぐらい。葬式で流そうかな…最後のソウルっぽいとこも、すごく心を掬われたな。

 というかレコードのミックスの問題なのか、チャーリー・ワッツのドラミングがすごく強調されててめちゃくちゃ嬉しかった。生粋のチャーリーファンなんでね。それこそ『地の塩』もそうだけど、『ストレイ・キャット・ブルース』とかも終盤のドラミングがほんとに見事だったな~今まで見落としていたけど、すごくいいプレイングだと思います。最高です。というか、この曲ってこんなにハード・ロックぽかったっけ…?ブルースって入ってんのに、このアルバムの中で一番ロックしてるんじゃないか?


 「レコードで買わなくても、配信で聴けるじゃない!」となにもわかっていない人が言ってくるが、レコードで聴くことの尊さを知らない連中はずっとそう言っていればいい。高い機械でもないし、良い耳を持っていない僕ですらその良さがわかるのだから。めちゃくちゃいいぞ、レコード。昔の音楽が好きな人は絶対に集めた方がいいぞ!!

 というか、近いうちに『ベガーズ・バンケット』の特集でもしようかな、なんかやりたい気分。また明日!


小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!