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愛や恋、神への思いなどひとつひとつの感情を取り出して、もう一度磨き上げたようなビビッドな作品に…★劇評★【ミュージカル=ガイズ&ドールズ(2022)】

 井上芳雄! 明日海りお! 浦井健治! 望海風斗! 田代万里生! これがダブルキャストではないプリンシパル俳優たちだなんて。なんという贅沢感か。しかも、今ハリウッドで最も注目されている演出家、マイケル・アーデンの直接の演出、エイマン・フォーリーの生き生きとした振付、デイン・ラフリーの舞台装置。しかしこうして最高のキャスト・スタッフでできあがった作品は、ミュージカル中のミュージカルと言われる「ガイズ&ドールズ」をガラスの陳列台に押し込めた近づきがたい高貴な美術品のようにするのではなく、愛や恋、神への思いなどひとつひとつの感情を取り出して、もう一度磨き上げたようなビビッドなものになっている。アーデンにとってのリバイバルは、再演という平坦なニュアンスではなく、「生まれ変わり」を表すという信条からも分かる通り、ほとんどすべてのシーンに新たな命が与えられたという印象。時代設定も1950年代が当たり前と思っていた私たちに原作通りの第二次世界大戦直前という期待と不安が入り交じったカオスな時代を提示することで、より各人の感情に説得力が出てきた。今後の世界でのスタンダードな演出になる予感さえ抱かせるほどだ。(写真はミュージカル「ガイズ&ドールズ」とは関係ありません、イメージです)

 ミュージカル「ガイズ&ドールズ」は2022年6月9日~7月9日に東京の帝国劇場で、7月16~29日に福岡市の博多座で上演される予定だったが、公演中に新型コロナウイルスの陽性反応を示した関係者が出たため6月26日~7月8日の公演が中止。9日の東京千穐楽だけの上演を目指していたが、断念した。
 7月16~29日の博多座での福岡公演は現時点(7月10日)では予定通り上演される。

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