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それを地獄と呼んでも天国と呼んでも構わない…★劇評★【舞台=出口なし(2019)】

 人間とは何か、「私」とは何かを生涯追究し続けたフランスの哲学者、ジャン=ポール・サルトルが劇作家としてこの世界に残した最高傑作「出口なし」を、世界的なバレエダンサーで俳優の首藤康之と舞踊家で振付師の中村恩恵、そして俳優の秋山菜津子と白井晃の4人で、演劇と舞踊の境界線を越えた全く新しいパフォーマンスとして描き出した。これは演劇界にとってひとつの事件だ。ダンスによって描き出される感情は言葉によって強化され、それが導くものをさらに身体表現が溶かし込んでいく。物語は浮遊し、観客の思考は漂いつつも、ひとつひとつの表現の解釈への自由度はどんどん大きくなり、物語のフレームさえ宇宙規模で広げていく。物事が帰結しない永遠という名のるつぼ中で、恍惚という名の可燃物は激しく燃え上がり始めるのだ。それを地獄と呼んでも天国と呼んでも構わない。(写真は舞台「出口なし」とは関係ありません)
 舞台「出口なし」は1月25日~2月3日に横浜市のKAAT神奈川芸術劇場中スタジオで上演された。公演はすべて終了しています。

★舞台「出口なし」公演情報=公演はすべて終了しています

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それを地獄と呼んでも天国と呼んでも構わない…★劇評★【舞台=出口なし(2019)】

阪 清和

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大阪市生まれ。関西学院大学卒業後、共同通信社で31年間記者活動。2013年秋、円満退職してフリーランスのエンタメ批評家、インタビュアー、ライター、ジャーナリスト、アナウンサーとして独立。映画、演劇、音楽、ドラマ、漫画、現代アート、ウェブカルチャーと幅広くカバー。東京都在住。
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