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想像力によって、物語は大きくうねり、世界を変えかねないパワーを生み出している。村上春樹文学の有機的なきずな舞台に…★劇評★【舞台=ねじまき鳥クロニクル(大貫勇輔出演回)(2023)】

 村上春樹文学の中でも最大級の謎を秘め、その謎が次々とイメージのスパークを起こしていく最高傑作のひとつをイスラエルのクリエイター、インパル・ピントとアミール・クリガーが舞台の上に具現化した「ねじまき鳥クロニクル」。2020年の公演は、新型コロナウイルスの感染拡大の時期と重なったために、公演中止の回が出るなど大きな犠牲を払ったが、主演の成河・渡辺大知をはじめ、再登板の充実した面々と新たな才能によって、再演が行われている。原作にあくまでも忠実でありながら、それぞれのクリエイターが持つ想像力によって、物語は大きくうねり、世界を変えかねないパワーを表出。ピンターとクリガ―は村上春樹文学の有機的なきずなを舞台に具現化することに成功している。(写真は舞台「ねじまき鳥クロニクル」とは関係ありません。単なるイメージです)
 
 舞台「ねじまき鳥クロニクル」は、2023年11月7~26日に東京・池袋駅西口の東京芸術劇場プレイハウスで12月1~3日に大阪市の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで、12月16~17日に愛知県刈谷市の刈谷市総合センター 大ホールで上演される。
 
★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。舞台写真はブログにのみ掲載しています

★無料のブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はクリエへイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。俳優陣の演技に関する批評(全員について寸評しているわけではありません)や、インバル・ピントの演出・振付・美術や、アミール・クリガーの脚本・演出、藤田貴大さんの脚本・作詞に対する評価などが掲載されています。場合によっては、スタッフワークについて言及することもあります。

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 なお今回の舞台「ねじまき鳥クロニクル」は綿谷ノボル役が大貫勇輔と首藤康之のWキャストであるため、さまざまな組み合わせが組まれていますが、劇評を掲載するのは「舞台=ねじまき鳥クロニクル(大貫勇輔出演回)(2023)」だけに限らせていただきます。超人気公演ゆえ、取材機会に限りがございます。ご容赦ください。このため劇評が掲載できない首藤康之さんのファンや関係者の方には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。また別の機会に採り上げさせていただければ幸いです。ご了承ください。
 
 なお、舞台写真には1枚だけ、首藤康之さんの出演シーンも混じっております。劇評の中では首藤さんに言及できませんが、写真でお楽しみください。
 
★舞台「ねじまき鳥クロニクル」公式サイト

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