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生きづらさを抱えていても誰にも相談できない背景にあるもの

先日目にした日本の10代の死亡原因第1位が自殺という記事。その実態がどうなっているのか調べていくと、日本人に浸透しているある意識が影響していることが見えてきました。

コロナ禍では、人間関係、精神疾患が原因で女性の自殺率が急増。その多くが自ら死を選んでいるわけではなく複合的な理由で、じわじわと追い詰められた結果自死という選択に至ったケース実態が見えたきたと。その中でも特に気になったらのが日本の社会背景についての記述。
「コロナ下で人の移動が難しくなりました。人間関係が閉じて固定化された中で、より家父長による支配関係の効力が強まってしまった可能性があります。G7の中で女性の自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)が最も高いのは、社会的な男女格差が大きいことが影響していると考えられます。」

学校に通う世代についての記事。

コロナ禍でオンライン授業が続き、人との交流が途絶え、気力を無くした子供たち。自殺が増える前に、どんな言葉が検索されたのかを調べました。「死にたい」「消えたい」といった言葉より高い関連性がみられたのは、「学校 行きたくない」という言葉だったそうです。
調査チームが10代、20代の自死が多い長野県の福祉系の職業を希望する大学生に行ったインタビューで学生たちが語ったのは自らの体験。

「悩みがあっても、周りの人に相談しづらい」
「あんまり自分のことを話しちゃいけない気がするっていうか。自分語りしちゃだめな空気。おまえの話なんて誰も聞いてねえよ、みたいな。そう思われてるんじゃないかなっていうふうに思っちゃうときもあるし」
「一見ささいな出来事の積み重ねが、生きづらさにつながっている」といいます。

世界保健機関(WHO)の3月の発表によると、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、世界のうつ病や不安神経症の患者は25%増加した。しかしアジアでは、メンタルヘルスの問題が個人の弱さや恥と見なされる傾向が強いため、適切なケアが受けられない人が数多く存在する。2020年に発表された中国、香港、日本、シンガポール、韓国、タイを対象とした調査結果で、この地域では精神疾患が個人の弱さと捉えられる傾向があることが判明している。

参考記事

その背景にあるのは恥の意識。心の病を抱えた人は弱い人だという集合意識がいまだに根強く社会に浸透している日本。自分のつらさを相談できずに抱えている人が多くいて、特に地方においては顕著ではないかと思っています。

傾聴型カウンセリングが浸透し、それが主流の日本では効果的なセラピーを提供している人が本当に少ないと感じます。思い切って相談したとしてもカウンセラー自身のスキルが伴わずにさらに悪化するケースもあります。

やはり相談者の状態を客観的に判断し、その人に合った方法で安全かつ神経系をフォローしながらアプローチしていく方法(心理セラピー)はこれから必須になってくると思います。相談したくてもできない時に、個人で、または家庭でできる心のケアの方法を知っていただくこともこれからの課題であると感じました。

悩んで苦しんでいる人だけでなく、それに関わる親、ケアラーの皆さんの心のケアもとても大切です。

ハートレジリエンス協会発行、心身に不調のある家族のだれかのお世話をしている人が、自分を大切にしながら、誰かのケアができるような小冊子「介護をしているケアラーのあなたへ こころを軽くするヒント集」が無料でダウンロードできます。
ケアラー対象のタイトルになっていますがどなたにも当てはまる内容となっています。必要な方に届きますように。


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