見出し画像

海外でバリバリ仕事するのが生きがいだった私が「これからは2回に1回しか飛ばない」と決めた理由。②

(この記事は①と②の2回にわけて掲載します)

飛行機は飛ばず、車は走らない。空気汚染は消え、水は澄み、鳥たちが戻ってくる。


ジェットセッターの申し子のように国内外を常に移動していた自分が、コロナ禍のもと、なんと14ヶ月も半径100km以内から一度も出ずに生活しました。
イベントや舞台の仕事がゼロなので、生活費のためにアルバイトを始めたことも、心理的に影響したかもしれません。
間違ってもコロナを持ち込んではいけない、法人の責任者として、そうなれば10年の怒涛の努力が水の泡になってしまうという恐怖、
また、アルバイトという通勤仕事を始めると、不思議なことに思考がどうにも前のように動かないのです。会社員時代に、頭の中が戻ったみたいだった。人の目が気になる、周囲に声に判断を左右されてしまうー。

そのことに焦りを覚えつつも、ふと散歩をしながら、ある時に気づきました。

「この数年間、海外に飛ぶという事実にばかり必死になって、なぜそこに行っているのかを見失っていた。今はもう、いるだけで価値ある時代は過ぎた。これからは、じっくりと虎視淡々と準備を重ね、自分にしかできない活動をし、それに基づく提案をし、世界の業界全体に新鮮なアイディアをもたらさなければならないのだ。」と。

それは容易なことではないし、求められるかどうか、また、自分の体力と気力がどこまで続くのか、それは「その時」になってみないとわからない。

新しい視点

一方、ニュースで「人々の外出禁止が続くと間も無く、ヴェニスの水が澄んできました」とか、街の近くまで野生の鳥たちが戻ってきたとか、こんな短期間で?!と、自然界に目を見張る変化が現れたことが語られていました。

この時代を生きて、行動様式を変えなければ嘘だし、それは、生活ももちろんだけど、自分の職業分野に目を向けた改革をする機会にしなければ。

つまり、舞台芸術においても、前を同じやり方を続けることはできないのだ、環境のために大きく改善すべきことがいくらでもあるのだ、と気づいたのです。

1つは、2回、海外の大きな国際会議に声がかかったとしても、1回しか行かない。それは、仕事のクオリティを上げる準備に時間をとり、必ずなんらかの目に見える成果を持ち帰るため。瀬戸内サーカスファクトリーとして、世界にできる提案を、自分たちのPRをするためではなく、業界のために役立つことを提案していくことが重要なのだと、今は思う。もちろんそれは、自己PRの百万倍も難しいのだけれど。

もう1つには、飛行機が飛ぶことによる空気汚染、自然界への悪影響についても、(飛行機大好きな自分としては直視を避けてきた問題)考えなければならないです。オンラインはリアルと同じではない、それは痛いほど感じながらも、自分には上記の「半分しか飛ばない大切な理由」があります。
なので、飛ぶことを半分にする。

現代サーカスに限りませんが、世の中に溢れる国際会議、人の移動はクレイジーでした。それはリアルとは言えない、「本来は無理だったフィクションを無理に実行」していただけなのではと。

ということで、
この1年半を、さまざまな視点を変えてもらった貴重な転換点、そして未来への準備期間として、必ず「気づき」を実行してみせると、心に決めました。
それができないような自分には、永遠に誇りをもてないから。

こうした取り組みは、とてもクリエイティブになりうるので、業界いろいろな職種の方とアイディアを出し合い、1年後にはそれが実り始めますように。

(記事終わり)

この記事が参加している募集

自己紹介

瀬戸内サーカスファクトリーは現代サーカスという文化を育て日本から発信するため、アーティストをサポートし、スタッフを育てています。まだまだ若いジャンルなので、多くの方に知っていただくことが必要です。もし自分のnote記事を気に入っていただけたら、ぜひサポートをお願い申し上げます!