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せとものについて話しましょう

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「せともの」の語源は「瀬戸で作られたり焼き物」。 その瀬戸市で代々陶器屋をやっています。 瀬戸焼について知ってほしいこと、楽しむためのヒント、瀬戸の街のことなど、ぼちぼち書い…
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2023年7月の記事一覧

#11 瀬戸の9月は「せともの祭」。そのはじまりの話。

#11 瀬戸の9月は「せともの祭」。そのはじまりの話。

 9月の瀬戸はせともの祭です。今は毎年9月の第2土曜と日曜です。

 名鉄尾張瀬戸駅あたりから瀬戸川沿いに陶磁器を売るテントがずらーーーーっと並ぶのはせともの祭ならではの風景です。昨年はコロナによる2回の中止から3年ぶりの復活でした(もちろん様々な感染対策の上での開催でした)。150店ほどの出店(もちろん食べものの屋台抜きの陶磁器関係のね)でしたが、今回はいよいよコロナ前の規模に復活するようです!

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#10 窯を焼く人たち

#10 窯を焼く人たち

 せとものは土をこねて、形をつくり装飾をして、釉薬をかけて窯で焼成されて製品となります。普段、瀬戸では窯に入れて製品を焼成することを「窯を焼く」と言っています。
 「窯で焼く」とか「製品を焼く」とはあまり言いません。窯元の人を(時には作家さんも)「窯やき」と呼んだりしています。「うちは代々窯やきの家だから…」なんてよく聞きます。
 私はこの「窯を焼く」という響きが、とても好きです。

 古い薪窯を

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#09 わかりやすく釉薬を語ってみたい…今回はちょっと化学的(3)

#09 わかりやすく釉薬を語ってみたい…今回はちょっと化学的(3)

 瀬戸は伝統的に灰をベースに釉薬を作ってきた土地です。という話を続けてきました。
 ちょっと知れば普段の器がもっと楽しくという話をしたいのですが、釉の話は深いので難しくなりがちですいません。今回は近代的な釉調合の話。

 昔は釉の調合は「〇〇灰1杯に、××石を×匁…」みたいな感じだったようです。調合していたメモ書きは暗号のようです。書いた本人以外にはよくわからない秘伝のレシピっぽい感じです。原料の

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