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[ITIL入門①]利用者の立場で考える

「ITサービスマネジメントとは何か?」を感覚的に理解してもらうために、いつくか例をあげながら、その概念(考え方)を説明できればと思います。

概念自体は、ITILv2の時代から最新のITIL4になっても本質的には変わっていないと私は考えております。(なのでこの話も新しさはありません。笑)

なお、多少本来の定義と異なる部分もあるかもしれませんが、わかりやすさを重視したいのでその点はご了承ください。


第1回目は、「利用者の立場で考える」です。


ITILは、ITの運用保守で活用されているケースが多いので、IT側の立場で考えた概念だと思われがちですが、実はそうではありません。

1つ例を挙げると、ITILではインシデント管理、問題管理という2つの活動があります。

インシデント管理は「サービスを復旧させることを目的とした活動」、問題管理は「原因を調査し、2度と起きないように対処する活動」なのですが、この活動をITILではわざわざ別の活動として定義しています。

実務では、障害対応として一緒に考える場合も多いのですが、なぜか・・・

それは、ITILが「利用者の立場で考えている」からです。

利用者からすると、自分が使いたいときにサービスが使えなくて仕事が止まってしまったら、まずやってほしいのは「サービスを使えるようにすること」であって、「サービスが使えなくなった原因を調査すること」ではありません。

IT担当者からすると、原因がわからないままサービスを復旧してしまうと、原因調査ができなくなるという事情があります。・・・が、ITILは利用者の立場で考えるので、まずはインシデント管理を優先してサービスを復旧させます。そのあとに、問題管理で原因を追究し、恒久対策を打ちます。

逆にこの2つの活動を一緒に考えてしまうと何が起きるか・・・利用者がサービスを使えない状態が続いているのに、IT担当者は原因追及ばかりに注力し、利用者が「先に使えるようにしてよ!」と怒り爆発!!なんてことが起きやすくなります。

これはあくまで一例ですが、ITILが「利用者の立場で考えている」という目線を理解することで、よりITサービスマネジメントに対する理解が深まっていくと思います。

本日は以上です。ありがとうございました。

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