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[SIAM™ Q&A]②適用しやすい範囲とタイミングは?

Q:SIAM™が適用しやすい範囲やタイミングはありますか?
A:適応範囲は原則ビジネスケースを作成し、ROIで判断しましょう。タイミングは、大規模なシステム更改や、組織変革を伴うプロジェクトの中で、1つのトピックとして組み込むのが現実的です。

SIAM™モデルを適用する目的は、組織目標の達成です。原則、ビジネスケースを作成し、ROIが判断することになります。もちろん、それ以外の組織目標達成のために適用するケースもゼロではありません。(例えば、セキュリティ強化やSDGs等サステナビリティ推進など)

投資対効果が見込める範囲で考えると、ITIL®の継続的改善のような日々の小さな改善に適用するのは難しく、一定の規模感があった方が適しています。

大企業(グループ企業含む)であれば、ITインフラの各サービスプロバイダのみを範囲としたSIAM™モデル適用も考えられますし、中小企業であっても、基幹系システムのIT運用モデルを対象に、SIAM™モデルへ移行するケースもあります。

次にタイミングについてですが、正直、管理の仕組みだけを導入するためにPJを立ち上げるのは難しいというのが私の感覚です。必要性は認識されてはいるものの、他のPJとの優先順位を考えると、どうしても劣後してしまうのが実態ではないでしょうか。

では、「現実的にSIAM™を適用するケースはどのようにプロジェクト化しているのか?」ですが、例えば以下のようなケースです。

1. 大規模な基幹系システム更改PJの中で、IT運用モデルの再設計が必要なタイミング
2. 組織目標達成にむけて、ソーシング戦略の見直しが必要なタイミング(内製化推進、大規模アウトソーシングなど)
3. DX推進など、組織変革や事業変革に伴い、IT運用モデルの再設計が必要なタイミング

SIAM™は、組織変革を伴うケースに効果を発揮しやすいと個人的にはとらえているのですが、上記3. のケースは注意が必要で、例えばプロダクトチームによるアジャイル開発を前提とするようなサービスであれば、SIAM™を適用することでアジリティを損なってしまう可能性もあるため、本当に効果があるのか見極め(緩いガバナンスで連携するレベルに留める等)が必要になります。

本日は以上です。ありがとうございました。





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