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決して人に慣れぬ獣と竪琴を奏でる少女の物語

こんにちは、せ→る→です。

前回書いた読書感想文で嬉しいお知らせが届きました✨

note読書 (2)

今日は上橋菜穂子さんの「獣の奏者」(闘蛇編・王獣編)の感想を書いていこうと思います。

<あらすじ>
獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに……。

ふと、アニメ「獣の奏者エリン」が見たくなったのですが、ブルーレイ等も持っておらず、視聴するツールがありませんでした。なので、これを気に一度も読んだことのなかった原作に手をのばしました。

私は放送当時から「獣の奏者エリン」が大好きでした。歳もちょうどエリンと近かったので、すごく感情移入して見ていたことを覚えています。

けれど、とても丁寧に作られたファンタジー世界だったので、作中用語やストーリーをしっかり理解できていたわけではありません。

今回原作を読んでみて、改めて"大公"や"真王"の立ち位置、相関図、各々がどのような想いや考えで行動しているのかを読み取ることができました。

私はあまり再読をしないので、読み始める前は、大体の内容を知っている物語を読んでも楽しめるのか疑問でしたが、いざ読み始めるとあの壮大な世界にどんどん引き込まれ、ページを捲る手が止まりませんでした。

そして、感じ方に変化があることに気づきました。

アニメを見ていたころは、エリンをとにかく応援する形でした。なので、どうして霧の民たちはエリンの行動を頑なに縛ろうとするのだろうと思っていました。

けれど、10数年たって物語を理解した今は、私はエリンに対して「目立ったことしないで!」と感じるようになっていたのです。

面白い!私はこの変化を初めて体感しました。

きっと、ここ1年間で読んだ本たちも10年後20年後に読み返すと、当時とはまた違った視点から、その物語を楽しむことができるのだと思うとすっごくわくわくします。

また、この作品はとても日本史要素があると感じます。

私は歴史が苦手だったので時代小説等も今まで避けてきたのですが、最近唐突に日本史を勉強したくなり、学び直しを始めました。いざ歴史を学んでみると、人間って同じこと繰り返しているんだなぁと色々発見があって興味深いです。

作中に出てくる"大公"と"真王"は、まさに日本史の朝廷と幕府の関係みたいで、読みながら一人興奮していました。

歴史だけではなく、数学や科学など様々な分野の知識があると、作品の面白さも倍増すると思いました。学ぶことは楽しいです。

次に、印象的だったシーンについて書きたいと思います。

それは、シュナンがセィミヤに謁見した場面です。

セィミヤが自分は武力で守られていないと言ったとき、私は「は?何言ってんだお前!」と思いました。沢山の兵士、沢山の護衛が今まで守ってきたのに、何言っているんだ、と。

幼いころから守られることに慣れすぎているのだと感じました。人の上に立つ人間でありながら、国のことに目を向けていない、あるいは目を向けたつもりになっているセィミヤにすごく憤りを覚えます。

最後にエリンについて。

10年前とはエリンに対する気持ちが変化したことは確かですが、彼女の探求心や行動力は本当に本当にすごいです。そして、どんな状況でも自分の信念を貫き通し、決して逃げないその姿にとても心打たれました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

あと!アニメのみに登場するヌックとモック、キリクなどもとても魅力的なキャラなので、原作しか読んだことのない人にはぜひともアニメも見てほしいです😊

#読書 #読書感想文 #読書レビュー
#読書日記 #獣の奏者 #上橋菜穂子

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