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旅はおわり「ありがてぇ!!!」の魔法🪄がとけてしまった話

山越え川越え荒野を越えて
矢印→が指し示す方へ進むアドベンチャー。

日陰恋しいロード@荒野のMESETA


サンティアゴ巡礼🇪🇸と言ったり
スペイン巡礼🇪🇸と言ったり
カミーノ🇪🇸と言ったり。

ヒヤヒヤする場面や不便なことが多過ぎて
「ありがてぇ!!!」のハードルが
ぐん!と下がる魔法がかけられてたんだ。


日陰の魔法


MESETAという名の荒野地帯。

日陰がない
日陰がない

何日もこんな道を歩いていると
木陰や建物の影も貴重で
日陰ありがてぇ!!!
ってオアシスで
小さな日陰に何人もで身を寄せたこともあったっけ。

自販機の魔法


上述のMESETAの写真を日本にいる友達に送ったら「スタバが欲しくなる道だね」って。
キンキンに冷えたアイスコーヒーやらフラペチーノが恋しい…(遠い目)
日本ならこの辺にコンビニがあったりするんだよなぁ…(遠い目)

暑くて暑くて溶けそうだったある日
CafeteriaもBarもないMONTANの街に

自販機が!!!

突如現れた自販機


ありがてぇぇぇぇぇ!!!

日本で生活してたらそこらじゅうにあってありがたみを忘れてしまう自動販売機よ。

あの時飲んだコーラは
すごく冷たくて美味しかった。

ドライヤーの魔法


風圧が強くて短時間で乾くのがいい。
マイナスイオンのやつじゃなきゃ。

そんな贅沢は言ってられないけど
最後まで背負って行くか迷ったドライヤー。

結局ザックに入らなくて置いてったので
洗った髪はタオルで水気を切って自然乾燥。

そんな生活の中で泊まったホステルに備えつけてあるドライヤーを見つけて
ありがてぇ!!!

壁にとりつけてあるタイプのドライヤー


タオルの魔法


外泊したホテルや旅館に
キレイに洗濯されたタオルが積んである。
そんなのあたりまえだと思ってた。

清潔でフワフワなタオルのありがたみ@🇯🇵

カミーノでは基本アルベルゲ泊なので
タオルは持参するのが当たり前。
ヘロヘロでシャワー浴びて使ったタオルを即洗濯して共同の物干しロープに干す。

日当たりがいいとか干しやすい場所は
早いもの勝ち


の繰り返しだったので
タオル備え付けのホテルに泊まる時は
タオルがある!ありがてぇ!!!
とテンションがあがった。

しかし魔法がとけた日常生活では
なかなか“ありがてぇ!!!”が出ない。
泊まったホテルのタオルの肌触りがイマイチだと
ごわついてるなぁ…って。

プライベート空間の魔法


出発前からの大きな心配事だった
プライベート空間のないアルベルゲ(巡礼宿)で
果たしてわたしは眠れるのだろうか問題。

大きな空間にたくさんのベッドがズラリ

予算の問題で基本はドミトリー泊の旅路。
ちょっと高くてもカーテンがついてるドミトリーだと「今日のドミトリーはなんと!カーテンつきだったよ!」って友達に報告しちゃうくらいのありがてぇ!オプションだった。

そんなこの旅では個室泊はぜいたく品。
なので、たまーに奮発して泊まるホステルにチェックインしたあとは…

ぜいたく!!!個室!!!

個室!!!ひゃっほぃ!!!
カーテンどころか壁がある!!!
シャワーもトイレも自分だけで使える!!!
ありがてぇ!!!

と、噛み締めまくってた。

そんな魔法はいつのまにかとけてしまったけれど
日本に戻ってからの旅にも
“ドミトリー”という選択肢が加わったのは
サンティアゴ巡礼の大きな副産物の一つ。

人間の魔法


日の出前の森の中
頼りになるのは自分のヘッドライトだけ。

地図は見ながら進んでるけど
本当にこの道であってるんかな?

決して平坦ではない道を
怪我しないように気をつけて進んでいると
けっこうな不安に襲われる。

そんなタイミングで背後からくる人のヘッドライトの光が見えた時の安堵感たらない。

真っ暗な森を照らす誰かのヘッドライト

そんな冒険の旅を終え
ありがてぇの魔法は
あまりにも儚くとけてしまった。


マドリードで人の多さに圧倒され
久しぶりに梅田の人混みを歩いて人酔いし
もっと久しぶりに新宿の人混みを歩いてめまいを起こした。

サンティアゴ巡礼の道のりでは
あんなに人に会えることが嬉しかったのに…

安心安全便利な生活のありがたみを忘れたら
また不便でハラハラする旅に出て
魔法にかかろっと。

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