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迷いと痛みが導いて

スペインに遠征して長距離散歩中のあたくし。
ペースが近いと一緒に歩くこともあるけど、大抵みんなわたしより早いペースで長距離歩くので一期一会なんだろなーって。

「またね」

「うん。またね。でもわたし歩くのゆっくりだからたぶんこれでADIOSだ。ブエンカミーノ!」

意外なところでまた会ったりするんだよ。それがカミーノだからね

カミーノ初日、SJPPのアルベルゲで交わした言葉。


迷いと痛みの短歌

気をつけて
ブエンカミーノ
ハグをして
痛めて迷って
また会い笑顔

迷いと痛みの短歌

迷いと痛みが再会させる

もう会えないと思ってたカミーノ仲間と
意外と再会したのは大抵
アルベルゲ問題と迷いと痛みによる。

実際、これまでにも

「blisterがひどくなっちゃってパンプローナでSTOPしてたのー!」とデンマークの彼女。

「行った街のアルベルゲが一杯だったから戻ってきたんだよね」とUSAの彼女。

「足痛めてパンプローナで休養しててさ」とオランダの彼女。

「道間違えちゃってだいぶ進んじゃってさーやっとルートに戻ってきた」とノルウェーの紳士。

などの理由で
もう二度と会えないと思ってたカミーノ仲間と

3日ぶり
5日ぶり
1週間ぶり
3時間ぶり

に再会したりしている。

名前も知らなくても

嵐のピレネーを越えた同士
同じアルベルゲで語り合った同士
同じアルベルゲのイビキに悩まされた同士
カフェテリアで相席してゆっくりしゃべったり
連絡先交換したけど一回も会ってない人もいれば
毎日やりとりして今日のカミーノはどうだった?とかオススメルート教えてくれる友達
あまりにも何回も再会して投げキッスをしあうフランスのマダムたち
名前も知らないけどあ!またあったね!ってケースもけっこうある

カミーノ中毒


みんな同じ方向に向かっているからか
みんななんらかの足のトラブル抱えてるからか
謎の連帯感が生まれるカミーノ。

ちょっとめまいがしたり
足が痛くて休んでると
みんなけっこう声かけてくれたりして。

日常生活でしんどい場面に身を置いてても
ここまでたくさんの他人が声かけてくれることあんまりない気がする。
(もちろん家族とか同僚とか友達は別だけども)
そもそも知らない人に声かけられたらめちゃくちゃ警戒するしね。


「気をつけてね。ブエンカミーノ!」
「ありがとう。ゆっくり進むね。ブエンカミーノ!」

これまで何回やりとりしたか覚えてないくらい。

たぶん“カミーノ中毒”の原料の一つはこれだと思う今日この頃。

#今日の短歌

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