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思わず受け取って笑顔になってしまう社会づくりを共に。「先生の学校」を運営するスマイルバトン、つくる人を募集中!

株式会社スマイルバトン。教育メディアコミュニティ「先生の学校」や、この記事を掲載している求人メディア「教育現場のWow!WORK(ワオワーク)」を運営している会社です。東京と岐阜市にオフィスを構えるスマイルバトンでは、現在、一緒に働く仲間を募集中!

今回は、これまであまり表に出ることがなかったスマイルバトンという、愛と挑戦とこだわりに溢れたこの小さな会社について、もうすぐ中の人になる私、栗﨑の目線で紹介したいと思います。

社名“スマイルバトン”に込めた願い

「子どもたちが受け取って 思わず笑顔になる社会って、どんなだろう?」

スマイルバトンのホームページを開くと、まず目に飛び込んでくるこの言葉。社名の由来にもなっているこの問いは、代表取締役・三原菜央がずっと考え続けてきた、スマイルバトンのコアとなる大事な問いだ。

「私が出した答えは、"いつからでも、なりたい私になれる社会をつくる"でした。いつでも誰でも、どんな環境や境遇にあっても、何度でも、"わたし"を生きることができる社会をつくりたいと思ったんです」

三原には、そう思うに至るいくつかの原体験がある。
自身が就職活動をしていた頃、「ない」とは言われながらも、どうやら学歴の壁がうっすらと存在していることを知った。結局、一番入りたい出版業界には入れなかった。

また、保育士や幼稚園教諭を養成する専門学校で教員をしていたときには、保育士を目指していた教え子が、途中から一般企業への就職に進路変更したいと思っても、専門学校卒では採用要件から外れてしまい、可能性の扉すら開かれないケースを多々見てきた。

一度レールから脱線すると、望むレールを走りづらい今の社会のシステムに、ずっと疑問を感じてきたという。

「なりたい自分になろうにも、その選択肢がやたら狭くてハードルが高いなって思ったんです。学校の先生が企業に転職するのは難しいとか、転職が多いとキャリアに傷がつくとか言われることもありますが、それって本当?ってずっと疑問で。もっと、いつからだってなりたい自分になれる選択肢に溢れた社会だったらいいのになって思っていました」

いつからだってなりたい自分になれる社会をつくる方法を模索したい。そして、そんな社会をつくる人を増やしたい。そう考え、「今日から、想像を創造しよう」をスローガンに、2020年3月に株式会社スマイルバトンを立ち上げた。

「なりたい自分をあきらめなくていいと思っています。自分が願えば、きっとなれる。自分一人だと難しく感じるかもしれないけど、ロールモデルや尊敬する人、憧れの人との出会いを通して、じわじわと気持ちや行動が変容していくかもしれません。幸せや喜びの多様なモノサシを届けること、変容のきっかけや気づきに溢れる機会をつくり続けていくことが、私たちスマイルバトンの役割だと思っています」

コア事業「先生の学校」について

スマイルバトンの代名詞となっている現在のコア事業が、教育メディアコミュニティ「先生の学校」だ。先生と子ども、両者の人生を豊かにすることをビジョンに掲げる「先生の学校」は、実はスマイルバトンより一足先に初声をあげている。

事業化する前の先生の学校のイベント会場にて

「先生の学校」を着想するに至るきっかけは、三原が専門学校で教員をしていた頃に遡る。あるとき、教え子から就職活動について相談され、教職の世界しか知らなかった三原は、どんなアドバイスをしたらいいのかわからず、とても悩んだそうだ。

「生徒にとっては将来に関わるとても大事な相談事なのに、教員である自分は、社会についてあまりよくわかっていない...それでいいのか?」

一度疑問が頭をもたげたら、見て見ぬふりはできなかった。まずは自分が社会のことをもっと知るべく、思い切って教壇を降り、一般企業に転職した。以後6年にわたりベンチャー企業から大手事業会社などに身を置き、世界の動向や社会・会社の仕組み、ビジネスパーソンに求められているスキルやマインドセットなどを身をもって体感してきた。そしてまた、「学校の先生」という原点に戻ってくる。

「自分が会社で働いてみて、改めて社会と教育現場には大きな隔たりがあることを実感しました。かつての私のように、今も迷い悩みながら試行錯誤している先生たちに、多様な視点や気づきを届けたい。それがきっと先生の先にいる子どもたちの豊かな学びにつながって、希望に溢れた未来をつくっていくと思うから」

そう思い立ち、2016年9月に、会社員をしながらライフワークとして「先生の学校」をスタートした。そして月に一度のイベント開催を続けるうちに、ますますビジョンが明確になり、事業化に舵を切った。

先生の学校のイベントの様子

2023年3月現在、会員数は累計2,500名を超え、メールマガジン購読者数は6,000名以上、イベントやワークショップの参加者数は延べ1.3万人にも上っており、わずか2年半で学校の先生を中心とする多くの教育関心層に支持されるコミュニティに成長した。

「『生徒は、先生を写す鏡』と言われるほど、先生が生徒に与える影響は大きいものです。だからこそ、教育のアップデートにおいて先生の存在は欠かせません。子どもたちが笑顔になるためには、まずは身近な大人である先生たちが幸せでないといけないと思っています。

先生は、本当に子どもたちのことを真剣に考えて、一生懸命頑張っている素敵な仕事。私たちは、先生をエンパワーメントする事業を通じて、先生が現状の課題を1つ1つ突破し、自分たちの力でより良い教育現場に変えていけるんだと実感できて、自己変革を起こし続けられる環境をつくりたいと思っています」

代表・三原の5つのルール

「先生の学校」はユーザーにとってどんな価値のある場所になっているのだろうか。三原の元には、全国からこんな声が届いているという。

・先生の学びの場でありコミュニティ。一緒に新しいことを始める仲間ができた
・今の時代にあった学びを学校現場で実践するために、先生自身がアップデートできる場所である
・学校の外の価値観に触れられて、学びの楽しさを味わえる大切な場所になっている

先生自身も自ら学び、自分がアップデートされる感覚を楽しんでいるようだ。少し違う角度から、こんな声も多い。

・越境している感覚を味わえる。それを支えるコンテンツの質と量がすごい
・従来の教育関係の記事や情報サイトでは見たことがないような、センスのいい情報がどんどん入ってくる。デザインもいい!

実際に、スマイルバトンの、いや、代表・三原のコンテンツづくりへのこだわりはすごい。「先生の学校」のホームページをご覧いただくとわかると思うが、明るいカラフルなトーンで、サイト訪問者をワクワクさせ、教育に彩りを感じさせてくれるような世界観を作っている。

自称・コンテンツオタクの三原は、インプットの量も凄まじい。そして、既知と未知を組み合わせ、ユニークなアイデアを次々と思いつく。どんなことを大切にしてコンテンツ作りを行っているのか、三原の"7 RULES"ならぬ"5 RULES"を聞いてみた。

1.言葉を大切にする
何かを表現としてアウトプットするときの「言葉の使い方」、どんな言葉を使うのかという「言葉そのもの」に強くこだわる

2.ユニークなアウトプットの形を探り続ける
どうやったら誰も傷つけず、くすっと笑わせながら背中を押すことができるのか、その表現方法を常に模索する

3.つくる人へのリスペクトを忘れない
私たちの暮らしを便利にしてくれるサービスや商品は、すべて誰かの汗水と特別な思いや愛情の上に成り立っている。自身が起業家になって実感を伴うからこそ、全てのつくる人へのリスペクトを忘れず、コミュニケーションする

4.一方的なフィードバックの機会はつくらない
一方的な評価からは、つくり手へのリスペクトは生まれない。そう考えて、イベントの参加者アンケートや雑誌「HOPE」の読者アンケートはあえて取らないようにしている。違う形でユーザーの声を聴くようにしている

5.おいしいご飯を食べる
自身を「ごきげん」に保つ唯一の方法。“おいしいご飯”とはつまり、誰かの丁寧な作業や強い探究心、深い愛情が形になったもの。だから幸せな気分になる。作品を見れば、つくり手がどれだけの思いを込めてつくったものなのかが全部伝わると信じている

学校の先生たちが受け取って、思わず笑顔になるコンテンツを、三原としても、スマイルバトンとしても追求している。それが、「センスがいい」と言われる所以だと感じた。

ワクワクできるSomething newの精神を大切に

スマイルバトンとして、もう1つ大切にしていることがある。それは、サムシングニュー(Something new)の精神だ。

例えば、雑誌「HOPE」では、毎号何かしらのチャレンジをしている。2022年冬号では、持続可能な管理がされている森林から生まれた生産品に付与されるFSC認証ラベルがついた。中身の特集をつくるにあたっては、読者から雑誌づくりに挑戦したい人を募り、取材から原稿の執筆までをやってもらう形でプロジェクト化。45名の先生たちと共につくり上げた。雑誌1冊をとっても、果敢に新しいことにチャレンジしていこうという心持ちで創作している。

2023年も、2つのサムシングニューが始まっている。

1つ目は、動画コンテンツへの注力だ。今年の1月に、満を持して先生の学校YouTubeがスタートした。その第1弾となる番組が「となりの学校見学」だ。これまで、キラリと光る教育現場や先生の取り組みをテキストコンテンツを中心に紹介してきたが、今後は動画でも、日本だけでなく世界中の教育現場や子どもたちの居場所を取材し、レポートしていく予定だ。

2つ目が、求人メディア「教育現場のWow! WORK(ワオワーク)」だ。メディアによるネガティブな報道も影響してか、教育現場で働くことにマイナスイメージが蔓延している。その要因の1つには、「学校」や「先生」が一緒くたに語られることによる印象操作があるのではないか。

でもこの数年、いろんな学校や先生を取材する中で、一校たりとも同じ学校がないことを、誰よりも三原は知っている。

「教育現場も百校百色。それぞれの学校の教育観やビジョン、ミッション、それに紐づくエピソードに触れてもらうことで、透明性のあるリアルな働く現場が見えてくるはずです。想いでつながり、"ここで働いてみたいな"と思ってもらえる教育現場に出会える求人メディアをつくりたいと思ってスタートしました」

そんなスマイルバトンの挑戦を支えているのが、2人の社員である芝田陽介と岩田龍明だ。雑誌「HOPE」をはじめ、読みものやイベントの告知バナーなどのデザインを一手に担うデザイナーの芝田は、兵庫県在住。岐阜県にあるスマイルバトンのオフィスとは、リモートときどき出社というスタイルで仕事をこなす。

オランダの教育視察の際に撮影した1枚

一方、編集・ファシリテーター・「となりの学校見学」レポーターとしてマルチに動く岩田は、オフィスの近くに住んでおり、出社ときどきリモートで働いている。まだ設立3年ということもあり、働く環境の整備はまだまだこれからだが、基本的には日本全国どこにいても働ける体制を作りたいというのがスマイルバトンの考えだ。

せっかくなので、まだ入社1年未満である岩田に、働き心地について聞いてみた。岩田は、小学校の先生や学童保育の現場にいたキャリアを持つ。それこそ記事の編集も動画制作も、全てがはじめての状態で入社している。さぞ大変なことも多いのではないだろうか。

「大変ですけど、楽しいですよ。僕がやる仕事内容という意味でも、事業としての取り組みという意味においても、全てがはじめて。"新しいこと"しかなくて、飽きることがないですね。“これってどうしたらいいんだっけ?”、“本当はどうしたいんだっけ?”と悩むことばかりですが(笑)。記事の編集にしても、イベントの企画にしても、生みの苦しみはありますが、ユーザーさんに何かしらの変化が起こったことを実感できる機会も多く、そういう時は本当にやってよかったとうれしくなります。苦しみながら、楽しんでいる感じです」

現在はリポーターにも挑戦している

小学校の先生だった頃、岩田は小さな子どもたちが人格を作っていく瞬間に居合わせることにおもしろさを感じて、探究的な授業づくりに励んでいた。やがて興味は「先生自身の自己変容」というテーマに移り、ある時SNSで知ったのが「先生の学校」だった。迷わず会員登録し、しばらくプロボノとして関わった後、三原に誘われる形で2022年7月にスマイルバトンに入社した。

「入社して半年と少しが経ち、正直なところ、楽しいだけでは終わらなくなってきました」と苦笑まじりに岩田は続ける。難しさはどんなところにあるのだろうか?

「やはりアウトプットのクオリティは求められるので、そこは一番自分自身と向き合うところです。自分の中で少しでも違和感を残したままで進めたものには、必ず指摘が入るので(笑)、自分の中でのクオリティのゴールを決めて、これ微妙だな、少し違うなと思えば見逃さないようになりました。
学校や先生方を取材させていただく度に、本当に感動します。その素晴らしい取り組みをしっかり世の中にお届けして、先生たちがハッとひらめいたり、なるほど!と腹落ちしたりする瞬間を少しでも多くつくりたいですね」

誰かのために頑張れる、プロ意識をもった人と働きたい

スマイルバトンでは、今後は動画コンテンツのさらなる充実や、書籍の出版、大人の生涯教育に関する新たなアプローチなど、まだまだやりたいことが渋滞中だと三原は楽しそうに語る。そんなわけで、一緒にワクワクしながら挑戦してくれる仲間を募集中だ。

スマイルバトンのビジョンへの理解や、「先生の学校」として大切にしている価値観への共感があることは大前提。その上で、どんな人と働きたいかについて三原に聞いたところ、即答で3つのキーワードがあがった。それは、「利他的な人・自律している人・自分をきちんと内省できる人」とのことだ。

もう少し具体的に説明してもらおう。

「利他的な人とはつまり、自分のためではなく、誰かのために自分を使える人のことです。自分が満たされていない状態では、誰かのために頑張るのって難しいんじゃないかなと思っていて。まずは、矢印が誰を向いているかという、その人の“あり方”を重視します」

「次に、自律している人とは、自ら何をすべきか考えて、行動できる人のことです。私は、プロフェッショナル同士が各々の強みを持ち寄り、心血を注いで真剣に何かを共創しようとしている空気感や、それによって生み出された第3案の表現や創造物が、大好きなんです。そうやってつくり出された1つの作品が、とてつもなく大きな感動を生むと思っていて。スマイルバトンも、とてつもなく大きな感動を生み出せる“つくり手集団”でありたいんですよね」

先生の学校がこだわり抜いて作っている雑誌HOPE

「プロフェッショナルであるには、自律していることが大前提だと思っています。自分は何が得意で、何が好きなのか。自分自身のことをよく知っているか。今はまだ知らなくても、せめて知ろうとしているか。そうした姿勢に、その人のポテンシャルは表れます」

「最後に、内省できる人。私は気づきが人を変えると思っているのですが、気づくためには、自分のここが悪かったとか、もっとこうしていたらよかったと振り返る作業が必要です。先生の自己変容に伴走するからには、私たち自身もしっかりリフレクションができて、次の行動につなげていける柔軟さを持ち合わせていたいと思っています」

スマイルバトンは4期目に突入した。まだまだ創業期、トントンカンカン会社の形をDIYでつくっている最中だ。だが、事業はアクセル全開で次のフェーズに進もうとしている。

スピードに乗りながら、でも丁寧に、質に妥協しないコンテンツを一緒に生み出していくプロフェッショナルな方々のご応募をお待ちしています!

取材・文:栗﨑 恵実 | 写真:スマイルバトン