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【6問】表は「×て+す」 -基本情報技術者 計算問題シリーズ-

表で数値が与えられたとき、「掛けて足す(×て+す)」を試しましょう。大抵上手くいきます。

めっちゃくっちゃ簡単です。「理解」してなくても「×て+す(掛けて足す)」だけ。

ただし必ず「罠」があります。なぜなら「掛けて足す」は簡単すぎるから。罠を仕掛けて難しくする小細工をしてくるんですよ。

このNoteでは「重み」を少し解説しつつ、基本情報技術者修了試験から「×て+す(掛けて足す)」問題を集めました。

計算問題の難易度には幅があります。簡単な問題から切り崩していきましょう。





「重み」を少しだけ理解

※スキップしてもOKですが、余裕があれば少し読んでください。


「40点の人と50点の人の平均点は?」と聞かれたら。

(40 + 50) / 2 = 45点。ですよね。合ってます。


では、40点の人10名と、50点の人90名の平均点は?」と聞かれたら?

(40 + 50) / 2 = 45点としたときに、「50点の人の方が超多いのに、40と50の真ん中でいいの?」と気になる人が昔いました。


そこで人数の多い少ないを、計算結果に反映するために式をちょっと変えす。

(10名×40点 + 90名×50点) / (10名+90名) = (400+4500)/100 = 49点。50点に寄ったので良い感じ。


この計算式は、期待値も計算できます。発生確率を重みにするだけ。

(10% × 40点 + 90% × 50点) / (10%+90%)
=(0.1 × 40 + 0.9 × 50) / (0.1 + 0.9)
=(4 + 45)/1 = 49

実は今まで平均値を誤解していました。「点数の合計を人数(や個数)で割る」ではなく、「点数の加重合計を重みの合計で割る」なんです。 

ややこしいですね。

でも大丈夫。IT資格で出題されるのは加重平均。

つまり「重みと値を掛けて足せば」OK。



基本的な問題(1)

基本情報技術者修了試験令和04年12月問54、令和03年07月問53

正答はア。


あからさまに「重み」があります。掛けて足しましょう。

ただし、「全体的な補正係数は0.75とする」より、24 × 0.75 = 18。正答はア。




基本的な問題(2)

基本情報技術者修了試験令和04年12月問65 令和03年07月問56

正答はイ。

重みは書いてあるので、値を表下から持ってきて、掛けて足します。

ただし「全て目標通りだった場合の評価点に比べて」より、もう1つ計算する必要が。目標通りは3点なので、5 × 3 + 8 × 3 + 12 × 3 = 75。

よって、27/75 = 0.36。正答はイの36%。




重みが「横」並び

基本情報技術者修了試験 令和06年01月問57

正答はウ。

今までは重みも値も「縦」並びでしたが、「横」の場合もあるので注意。

「掛けて足す」でOKとはいえ、どれが重みと値なのかしっかり見て下さいね。

期待利益をまとめます。

  • A:10.4

  • B:  9.8

  • C:11.3

  • D:  9.4

よって正答はウのC。




空欄は「重み0」とする問題

基本情報技術者修了試験 令和05年07月問57 令和03年06月問77

正答はウ。

「掛けて足す」前に仕込みが必要な問題です。今までは「掛けて足す」をした後に追加作業をする問題でしたが。


仕入れ4個の時の「利益の期待値」を計算します。

まず、販売個数が「-」について。例えば「5個販売が-印」なら5個販売をしないので「0%」と解釈すればOK。仕入れが4個なのに5個販売できませんからね。

「4個仕入れて4個売れた」時の「利益の期待」は、1000円 × 4個 - 300円 × 0個 = 4000。売れ残りはないので0個で計算します。

次から本気出してきます。


仕入れが5個の場合。

まずは確率を書き出します。

次は利益を計算します。

4個売れたら1個は廃棄するのでロス費用がかかります。1000円 × 4個 - 300円 × 1個 = 3700円。

5個売れたら売れ残りはないので、1000円 × 5個 - 300円 × 0個 = 5000円。

では、3700円と5000円から期待値を求めます。やっと「掛けて足す」ができます。

3700円 × 0.3 + 5000 × 0.7 = 1110 + 3500 = 4610円。


同様に、仕入れ6個・7個の場合も計算します。


「利益の期待値」をまとめると。

  • 仕入れ4個のとき:4000

  • 仕入れ5個のとき:4610

  • 仕入れ6個のとき:4830

  • 仕入れ7個のとき:4660

よって、正答はウの仕入れ6個の時。




重みが別表にある問題

基本情報技術者修了試験 令和05年07月問44

正答はウ。

私と同じで超慎重な方は、重みと値の並びが同じなのか確認するのもOKです。

では「掛けて足す」のですが、やはり注意点があり。

「総合評価点 = 効果の総評価点 - リスクの総評価点」なので、効果とリスクを別々に計算します。全部「掛けて足す」と間違います。

よって、案1の評価は、効果31 - リスク28 = 3点。


案2~4も同様に計算します。

  • 案1:31 - 28 = 3点

  • 案2:36 - 35 = 1点 

  • 案3:30 - 23 = 7点

  • 案4:30 - 43 = -13点

よって正答はウの案3。



二段構えの問題

基本情報技術者修了試験 令和04年07月問51

正答はエ。

何やら難しいこと書いてますが、値は画面数で書いてあり、重みを表から持って来れば良いです。

ただし、やっぱり「罠」が仕込まれてます。

よって正答はエ。




平均の「真の姿」

※スキップしてもOKです。

平均値を「合計÷個数」と普段思っていますが、「真の姿」ではありません。

普段の平均値。4, 5, 6の平均は (4 + 5+ 6)÷ 3 = 5 と計算しますよね。

平均値への影響は、4も5も6も同じなんです。


では「加重平均」を見てみましょう。

((0.3 × 4) + (0.3 × 5) + (2.4 × 6))/3 = (1.2 + 1.5 + 14.4)/3 = 17.1/3 = 5.7。

怪しい数字はさておき、計算結果が5から5.7に変わりましたね。4, 5, 6のうち6の計算結果への影響が大きくなったからです。

4と5には0.3と小さい値、6には2.4なんて大きい値が掛け算されてます。

これが「重み」


実はいつも使ってた平均値の式に「誤解」があります。

(4 + 5+ 6)÷ 3 = 5 の「÷3」は個数ではありません。

(1×4 + 1×5+ 1×6)÷ (1+1+1) = 5 「÷3」は「重みの合計」なんです。

さっきの加重平均の式。

((0.3 × 4) + (0.3 × 5) + (2.4 × 6))/3 = 5.7

「/3」は重みの合計。0.3 + 0.3 + 2.4 = 3。データの個数が3個だから、ではありません。


では重みを変えてみます。

((0.1 × 4) + (0.1 × 5) + (0.8 × 6)) / (0.1+0.1+0.8)
=(0.4 + 0.5 + 4.8) / 1 = 5.7

重みを1/3にしたけど、重みの合計値も「3」から「1」へ1/3になったので、打ち消し合って、加重平均値5.7は変わりません。


なぜデータの個数っぽく見えたのか。

普段の平均には「1×」が隠れていたから。

(1 × 4 + 1 × 5+ 1 × 6)÷ (1+1+1) = (4 + 5+ 6)÷ 3 = 5。


以上が、平均値の式の真の姿は、「重み×値」の合計を「重みの合計」で割った数という話でした。

難しかったですね。

このNoteで扱う問題は、加重平均や加重合計を使ってます。つまり「重みを×て+す」のが解法になる問題。

「重みの合計で割る」計算がないので楽ちん。とはいえ、必ず罠(小細工)が仕込まれていました。簡単ですが油断せず、しっかり得点をゲットしましょう。



まとめ | 「掛けて足す」を進むには


お疲れ様でした。

ざっくりまとめます。

  • 表を見たら「掛けて足す」を試してみる

  • 「重み」と「値」を特定する

  • 「重み」は確率・人数・優先度など

  • 罠が必ずある。縦並び/横並び/比較/最後にヒッカケ計算など

以上に気をつけさえすれば、「数値表を見たら、とりあえず掛けて足してみるか」で進んでOK。


このNoteで少しでも解ける計算問題が増えるキッカケになれば、嬉しいです。では、またご縁あったらお会いしましょう。


\力試しは修了試験で!4回分の解説です/


p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。

でわでわ(・ω・▼)ノシ


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