【Iパス本を写真10枚でレビュー】FOM出版「よくわかるマスター」対策テキスト&過去問題集
FOM本は、「試験にそっくりのプログラム」で問題演習できるのが最大最強の特徴。
講義本で勉強して、過去問を解いても、本番の回答システムに戸惑ってしまい「いつも通りの実力が出せなかった…」で不合格になりたくないですもんね。
FOM本はMOS(ワードやエクセル)資格でもお世話になった方は、「本試験そっくりプログラム」の効果はお分かりの通りです。
FOM本に目玉は問題演習ですが、紙では他と同じ講義本。ただし少し癖があります。
他の講義本が「合格最優先」「あっさり説明」なのに対し、FOM本は新人研修に近い本。動作原理やどのように使われているかまで詳しく説明されています。
Iパス合格以上の内容で、ITエンジニアの方/これからなる方には「生きた知識」が習得できます。一方、「とにかく合格したい方」や「IT初学者・独学者」には少しハードルが高いです。
このNoteに、FOM本の魅力と注意点を写真付きでまとめたので、ぜひ参考にしてくださいね。
なお「CBT試験で戸惑わない」「紙で問題を解きたい」方は、>>インプレス問題集Note<< をご覧ください。
CBT対策に特化した本
FOM本の目玉は、「模擬試験CBTソフト」。
ITパスポート本番に酷似したシステムで問題演習ができます。
ITパスポート本試験を再現しつつ、充実の内容。
800問を掲載
自動採点機能あり
もちろん解説付き
ITパスポート試験は2011年(平成23年)から紙試験からコンピュータ試験(CBT)になったので、本番と同じ見た目のソフト・操作でできるのは重要ポイントです。
本試験で「このボタンどう使うんだろう」など戸惑いません。いつもの過去問演習と同じように操作して正解していけば良いのです。
FOM出版はワードやエクセルの資格(MOS)でも名著。本試験とほぼ同じ模擬試験システムのお陰で、私の学生さんたちも戸惑うことなく合格しましたね。私もです。
ただし1点注意点。CD-ROMドライブ(DVDマルチで可能)が必要です。そろそろUSBメモリにして欲しいですよね。
中古で買う場合は付属されない場合があるので注意してください(私は付属されてませんでした…)。
なお、模擬試験ソフトではないですが、Web版も用意されており、スマホでも問題演習はできます。ただし、本試験とは見た目が変わってしまいます。
他の資格本では、過去問解説をするか、似せた予想問題を出す程度。FOM本はさらに踏み込んで、本試験とほぼ同じ環境で演習ができるのが最大のポイントです。
資格対策本よりは研修本に近い
FOM本には、新人研修のような固い印象を受けました。
他の講義本が「合格すれば良い」と最短ルートを提示していますが、FOM本では実際のデータや動作原理まで深く解説されています。
ITエンジニアの方/これからなる方なら、仕事で使える生きた知識が身につきます。一方で、あくまで合格を目的にしている方には少し回り道かもしれません。
実際の技術データによる本質的な理解
A/D変換の部分。データを具体的に符号化し、電圧に変換するところまでしっかり図示されています。
他の本でも私の授業でも「なんとなくイメージで理解させる」で留めるのですが、FOM本ではがっつり書かれてます。
正直、下の表の「データの送信」などは試験には出ません。
しかし実際必要な工程なので、1つ1つ丁寧に解説しているんです。「用語は知っているけど、実際にはできない」で終わりたくない方には満足いく内容です。
研修向けなので固い
他の本では分量を少なくしたり、ざっくりした解説で「流す」内容も、FOM本は丁寧に書いています。
一方で「遊び」がないガチめの内容にも思えました。
授業や研修で講師がいると適した本ですが、独学・初学者向けかと言われると、ハードルが高い印象です。
いくつか見てみましょう。
会計分野は、他本では公式だけ提示して、過去問演習に「投げる」のですが、FOM本では手を抜かず「実際に使う会計データ」で例示しています。
センサの解説は、他の本では「~を感知・計測する」程度ですが、FOM本では「どのように測るのか」「どのように使われているか」と原理と用途までしっかり言及されています。
他の本では「実際何に使われているんだろう」と疑問を持ちながら「用語だから暗記か」と割り切るしかないです。しかし、FOM本では「エンジニアとして理解すべきレベル」まで丁寧に書かれているので「真の理解」ができます。
デッドロックはデータベース分野の用語。しかし正直ITパスポートの出題範囲を超えています。しかしFOM本は手を抜きません。
ただし、図解が固すぎるので独学していると「どこから見ろと」と戸惑うでしょう。研修や授業で講師が教えるには良い本ですが、独学本・初学本としてはハードルが少し高めです。
代表的な講義本と比べてみましょう。
FOM本の記載が。一番詳しい(図参照)
栢木本に、2行記載あり
キタミ本に。記載なし
いちやさ本に、記載なし
基本情報技術者試験では必要なので、ITパスポートの「次」を視野に入れたい方には、栢木本と同じくお薦めできます。
私は栢木本で970点合格したので、気になった方は「コンパクトで網羅性ある栢木本」をどうぞ。他にも「イラスト最多のキタミ本」「amazonレビュー最多のいちやさ本」のレビューも書きました。
もしFOM本の「本番そっくり問題演習」がなくても大丈夫そうだったら、これら3冊を進めます。
検索用語が圧倒的に多いのは魅力
最後に書籍としての感触を少しだけ。
一番印象的なのは、検索(索引)。大抵の講座本は800語ですが、2400語もあります。思いついた用語はほぼほぼ載っていました。
基本的な手触り
「装飾」は悪くはないですが、改善の余地を感じました。
基本的に赤いんです。
重要語を赤文字にするなら分かります。赤フィルタで消す勉強法もできますからね。
正直ちょっと目に痛いです。
次は表現の固さ。
MOS本同様に、富士通社での研修をコンセプトにしているんでしょう。表現に遊びがありません。
写真よりは特徴を捉えやすいイラストではあります。とはいえ、キャラクター化などはしていないので、「カジュアルに勉強したい」方は、キタミ本の方が良いですね。>>キタミ本のレビューNote<<
注釈が多く、初学者だと「Iパス合格に必要なのか、上位資格への布石なのか」区別がつきません。
また問題集本あるあるの「サイズが大きく、持ち歩く本ではない」点。
自宅ではFOM本、移動中や外出先ではスマホでの問題演習や用語集と使い分けると良いですね。
価格はCBT文高く、講義本としては適切なページ数
FOM本の価格は高い方です。
Iパス本試験に似せたオリジナルプログラム分だと解釈できます。本のサイズも大きいですし。
なお、ページは少ない方ですが、講座本として適切。FOM本は問題は全てソフトウェア/Webなのでコンパクトです。
検索性が圧倒的
FOM本の索引は、45行x54列=2430語。
他の本が800語なので、かなり多いです。「バーコード」や「バーコードリーダー」などまで記載があり、ガチの初学者で知らない方も安心です。
欲を言えば、27ページもあるので、1ページ3列構成にして16ページに抑えて欲しかった印象はあります。
まとめ | 模擬試験ソフトが最大の魅力
FOM本の魅力は2点。
本番そっくりの問題演習ができる
資格合格で終わらない生きた知識が得られる
一方で、研修・講師前提の内容で、初学者や独学者にはハードルが高いです。
Iパス合格が目的の方には少し回り道ですが、合格してすぐに仕事で生かしたい方に必要な「本質的な理解」ができる本でした。
また、本のサイズや赤ベースの配色など、書籍として少し私好みではない点もあります。
よって、あなたが何を目的とするかに依ります。
もし「なるべく早くITパスポートに合格したい」なら、別の本を薦めます。
とはいえ心残りは「本試験そっくりプログラム」の1点。
本番で実力が出せない系の方は、FOM本を購入して問題演習ベースでの学習を進めると良いですね。
以下が、私が選んだ3強。リンク先でも写真で解説してます。
\イラスト最多でカジュアルに学べる本/
IT初学者に寄り添った本です
\他の本より100ページコンパクト!/
私が970点で合格したときの本です
\amazonレビューが最多の本/
色んな読み方でできるので幅広い方に人気です
\もし紙の問題集が好みなら/
独学での偏りを防止できます
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