コンプレックスとの付き合い方
コンプレックスにどう向き合うかで心の傷の深みは変わる。
自分で自分を傷つけない心持ちを手に入れるために。
繊細な心
誰か相手に対してもそうだけれど、人は、特に対自分へ向ける目が厳しくなってしまうことがある。
気になるところ、イヤなところ、どうしても好きになれない部分。そういったコンプレックスばかりが目に付いて文句ならどれだけでも言えちゃう、なんて。
あの人と自分は違うのに、人の良いところばかりがやたらと見えてしまう、なんて。
そんなの悲しいことだと分かっていても脳内思考は言うことを聞いてくれなくて、自己嫌悪に陥っていく。
そうなるのはそれほどに繊細な心を持ち、裏を返せば向上欲が強いために些細なことまで敏感にキャッチしてしまうという信号なのかもしれない。
だから「自身をマイナスにとらえること」は悲しいことだと思うけれどやめるべきだとは言えない。コンプレックスは心の傷でもあり、更に複雑な胸の内が絡み合い、見なくていい気にしなくていいと頭では理解していても簡単にうまくいく話ではないのだから。
でもだからこそ。
無意識レベルで自分の傷をえぐり簡単にマイナス思考に陥ってしまえるからこそ、意識的にそうならないように気持ちをキープできたら良いなとは思う。
誰かのルール
「美人が良い」「細い方が良い」
その基準は一体何なのだろう。
誰から見た「美人」であって、誰と比べて「細い」のだろう。
目はぱっちり二重で肌は色白が良いとか、そういった"こうでなければ"のルールが根強く浸透し過ぎている。
「こうあるべきだからそうなりたい」なんて、自分の気持ちは考えたこともないままに洗脳されている可能性だってある。
自分じゃない誰かが決めたルールのせいで、自分を傷つける必要はないのに。
"自分の気持ち"をよく観察してみる。
もしかしたら、華奢な体型よりも肉感的なグラマラスボディが好きかもしれない。目は一重できりっと細めなクールビューティーが好みだったのかもしれない。肌は自然と日焼けした健康的な肌色に憧れているのかも、しれない。
「自分は何が好きなのだろう?」と考えてみるだけで、押しつけられた"普通"のルールとは一体なんだったのだろうと気が付けることだってある。
全てを認める心持ち
世の中の、周りの、一般的とされる"普通"のルールに沿っていないからだめなんてあり得るはずもない。
人それぞれの個性が美しいのだから。その「個性」を「コンプレックス」ととらえるかどうかは自身の心持ち次第でもある。
例えば自分がイヤだと感じている部分が、誰かから見たらとてつもなく羨ましい部分かもしれない。マイナスに陥っているそのときには見えない自身の良さが、本当はたくさんあるのかもしれない。
傷ついた心も、最終的には自分自身でケアしなければマイナス思考から這い上がることは難しいのではないかと思っている。"ケア"なんて言うと大袈裟に聞こえてしまいそうだけれど、ただひたすらに自分を大切にしてあげること。自分のことを自分が一番好きでいてあげること。自分の全てを認めてあげること。
そんな心持ちを意識し続けることで次第にありのままの自分を愛せるようになるものだから。
繊細であればあるほどに人の気持ちや傷つく恐怖を敏感にキャッチしてしまうけれど、もうこの際、周りなんてどうでもいいとドライなスタンスを意識してみるのも良いと思う。
「わたしはわたしで何が悪いの?」と、強気な姿勢はときに心を守ってくれる鎧になる。
コンプレックスはいきなり無かったことにできるものではない。
でも、マイナス思考に陥り自分で自分を傷つけ続けてしまう前に「これも個性だから」と意識することはきっとできる。
わたしがわたしでいて良いのだと、誰よりも一番に自分のことを認めてあげたい。個性は美しいものだから。
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