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ひとまず自分のせい 49歳主夫の精神科入院日記(17)


嫌なことがありました!
となった時、入院中に学んだ話しです。

主夫の薄衣です。
いつもお越しくださり、
ありがとうございます。



さて、
なにか嫌なことがあった時。
【人のせい】にしたり、
【自分のせい】にしたり。

皆さんはどっち派ですか?
ケースバイケースでしょうか。
きっと色々ですよね。

私は強いて言えば【バランス派】です。
【人のせい】と【自分のせい】。
両方あると考える派。ですかね。
その上で、【人のせい】は諦める派です。

ちなみにそんな時、
私が入院していた病棟の患者さん達。
結論が早いんです。
自分の思いどおりにいかないこと、
自分にとって都合の悪いこと。
これはみんな人のせいになります。

看護師がどうの、
先生がどうの、
あの患者がどうの。
そこに至るのが早い。

でもそこから先に進みません
なぜなら、人のせいだから。
自分にはどうしようもないことがほとんど。

その人、例えば看護師や医師に謝らせる、
ましてや、相手の考えや行動を変えさせる。
これは容易なことではありません。

見ていると、
患者が怒りにまかせて
強く出れば出るほど、
その相手は生暖かい反応で、
その場をごまかして終わり。

先生だって、看護師だって、
取りあえずその場を切り抜けられれば
いいのでしょう。

だから、同じ事が何度も繰り返されます。

それをまた相手のせいにして、
プンプン怒ってる。

同じ事で怒りを繰り返すのは、疲れます

ただ患者のなかには、
話しの賞味期限が短い方もいます。
すぐに無かったことになるんです。

同じ質問を何度もされ、
同じ会話が繰り返されるのです。

はじめ、とっても不思議でした。

でも病気が原因なのかもしれません。
これは薄衣には分からない。
どうしようもありません。


そこで、私自身に特化して考えた時、
同じようなことで、
怒りを何度も繰り返すのは正直しんどい。
特に入院中は同じような日々が続き、
同じようなことがよく起こります。

そのたびに人のせいにしても、
ストレスが溜まる一方です。

そこで思い切って、とりあえず
自分のせいにしてみました

自分のせいだと

自己責任、
なんて難しい話しじゃありません。
反省というと、まだ大げさです。

その時、
自分には何が出来るかを考えるだけです。

そして、
自分に出来ないことは【仕方がない】で、
ひとまず片付けます。

例えば、
ナースステーションで
何度声をかけても無視される。
これはよくあることでした。
誰も反応してくれない。

こちらとしては、歯ブラシなり、
シャンプーなりの
必要なアメニティを求めたり、
用事があるから行っているので、困ります。

最初の頃は途方に暮れて、
イライラしていました。

もちろん看護師に対するイライラです。
こんなことをする理由は、
患者をナメとる、バカにしとる、
くらいしか思い当たりません。

それに対して薄衣は、
大きな声を出して頑張るのですが、
それでも反応がない時も。

そんなことが何度も続くと、
これが普通だと思えてきます。
ここでは、この病棟では、
こんなもんだ、ということです。

そこで考えます。
自分に何が出来るか。

入院中ずっと心がけていた、
【自分に集中する】
の一環ですね。

例えば、廊下で直接声をかけて捕まえる。
例えば、目を合わせてもらえるように
身振り手振りをつけて声がけをする。
あわせて笑顔も忘れずに。

などです。

するとうまくいくことも。

もちろん失敗もたくさん。
そんな時は、それを糧にして次につなげる。
ただそれだけでした。

結局退院まで、
この声がけに
必勝法は見つけられませんでした。

相手も人。
だからと言って人のせい、ではなく
それは自分にはどうしようも無いこと
人の行いですからね。

そう思えたので、
失敗もそんなに気にならなくなりました。
私には、それだけで十分。
大きな進歩でした。


しっかし、
ナースステーションでの声がけ。
たったそれだけのことなんですけどね。

いい勉強になりました。

人のせいではなく、
自分起点で考えてみた。
その結果です。

この考えのもとが、
元メジャーリーガーイチローさんの考え方。
かつて、首位打者争いに際して
語った言葉から。

相手がからむことに関してコントロールすることは不可能。
自分で管理することができないものを意識することはできないですね。

『イチロー思考』三笠書房  P116

薄衣は野球が大好きなので、
以前に読んでいました。
それがこの時、
入院中にいろんな場面で出てきたのです。

おかげで、
自分に出来ることに集中する
と意識しました。


相変わらず
無駄な気苦労の多い男です。
だから、かなり遠回りするのが常。
もう慣れっこです。

今回も最後までお読みくださり
ありがとうございました。


タイトル画像はなるくるさんから。
ありがとうございました。



サポートに心から感謝です。主夫、これからも書き続けます。