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剪画作品紹介

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剪画作品をご紹介します。
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2023年10月の記事一覧

秋の音 II

秋の音 II

日野 晴美 作 437×590mm
“The Sound of Autumn II” by Harumi Hino

 色とりどりの落ち葉。この猫はその上をカサコソと音を立てながら、遊んでいるのでしょうか。少し渋めの色に彩色された落ち葉は、秋の落ち着きを感じさせます。
 この作品は現在の「茶色は秋の色」展に展示されていますが、実はパンフレットと販売されている絵葉書の色合いは、少し違っているのです。

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おちば焚き

おちば焚き

高橋 隆 作 378×276mm
“Burning Fallen Leaves” by Takashi Takahashi

 山の向こうに日が沈み、あたりが少し暗くなって来る頃。山のふもとぐっと寒くなってきて、焚き火のまわりの暖かさは格別です。そこで芋を焼いている子どもたちも楽しそう…。この体験をしたことがない人も、どこか懐かしくなる風景ではないでしょうか。
 木々の色、柿の色、オレンジ色の

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鹿に紅葉

鹿に紅葉

南舘 千晶 作 392×283 mm
“A Deer and Maple Leaves” by Chiaki Minamidate

 ギャラリーにいらしたお客様がこの絵を見ながら一旦通り過ぎ、しばらくしてから「あぁ、花札ですね?」とおっしゃったりします。
 この花札の「鹿に紅葉」は、メーカーが違ってもほとんどの花札で構図が同じです。が、色合いが違うので、最初に見た時に気が付きにくいようです。こ

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吾亦紅と秋の空

吾亦紅と秋の空

宮本 真理 作 210×297mm
“Burnets and Autumn Sky” by Mari Miyamoto

 夏から秋にかけて草原に咲く吾亦紅。長い茎に暗赤色の小さな花を付け、それほど目立たない花ですが、独特の風情があります。吾亦紅が花のアレンジメントに入っていると、ことさら秋を感じる方も多いのではないでしょうか?
 この絵では吾亦紅だけを花瓶に差して飾ってあります。背景は柔らかい

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秋を愛でる

秋を愛でる

外山 豊子 作 210× 297mm
“In Love with Autumn” by Toyoko Toyama

 もう一点、食べ物に関する作品をご紹介。外山さんが描いたのは、まげわっぱのお弁当箱と酒器です。まげわっぱはもともと庶民的な道具だったと思うのですが、今は伝統工芸として貴重なものとなりました。昔ながらの方法で、職人さんたちが1つ1つ丁寧に作っています。
 そのまげわっぱにおにぎりを

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いつかの食卓

いつかの食卓

大野 愛 作 420×297mm
“The Dinner Table Memory” by Ai Ohno

 先日ご紹介したのは栗やキノコは素材そのものを描いた作品ですが、この作品は調理された食べ物を描いています。
 大野さんは自身でこの日の食事、サンマ、煮物、お味噌汁、炊き込みご飯を調理し、それを写真に撮って、そこから絵を起こして作品を制作しました。絵の細部までくまなく描かれているのはそのた

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森の贈り物

森の贈り物

千葉 孝子 作 242×272mm
“The Gifts from the Forest” by Takako Chiba

 秋の茶色と聞いてまず思い浮かぶのは秋の味覚という方も多いのではないでしょうか。中でも森や畑から収穫するものは、茶色のものが多いです。木の実、キノコ、芋類…。千葉さんはその中から森の贈り物として栗やドングリを描きました。
 栗のイガや松ぼっくり、松の葉など細かい部分を丁寧

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