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いつかの食卓

大野 愛 作 420×297mm
“The Dinner Table Memory” by Ai Ohno

 先日ご紹介したのは栗やキノコは素材そのものを描いた作品ですが、この作品は調理された食べ物を描いています。
 大野さんは自身でこの日の食事、サンマ、煮物、お味噌汁、炊き込みご飯を調理し、それを写真に撮って、そこから絵を起こして作品を制作しました。絵の細部までくまなく描かれているのはそのためです。写真から絵を起こす場合、しばしば細部を省略するのがとても難しくなることがあります。
 この作品の場合は、そうした表現がうまく作用しました。人参や銀杏など、鮮やかな色を随所に入れて、茶色い食材が多いお皿を引き立てています。背景のナチュラルな色合いも素敵です。
 秋の味覚を十分にもりこんだ庶民的な食卓。日本人なら誰もが食欲をそそられる作品だと思います。

(「茶色は秋の色」出展作品 2023.10.11~10.28 於:剪画アート&スペース http://bit.ly/hc8WTq)

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