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映画『カラオケ行こ!』。ヤクザと中学生の愛すべき絆と友情に心地よい感動を覚えました

おそらくギリギリのタイミングで、映画『カラオケ行こ!』をようやく劇場に観に行けました!

公開されてからずっと観に行きたかったんですが、物理的余裕がなくてここまで来てしまいました。

『王様のブランチ』の映画コーナー紹介されたのを観ていたので、おおまかなストーリー展開は知っていました。

綾野剛演じるヤクザの成田狂児と、齋藤潤くん演じる合唱コンクールの強豪校・森丘中学校合唱部部長の岡聡実。

「歌がうまくなるコツ教えてくれへん?」の誘い文句から始まった、このあり得ない組み合わせの二人の関係性が徐々に深まっていく様があまりにも自然で微笑ましく、こういう友情も悪くないと思わせてくれました。終始絶妙な二人の距離感でしたね。

聡実がヤクザの皆さまのカラオケ指導について「怖いのは嫌やけど、狂児さんだけやったらええよ。カラオケ行こ…」と。この瞬間二人の距離と絆がグッと縮まった感じがして、とても好きなシーンでした。

この映画では、セリフが大阪弁だったことがプラスの要素になっていたと思います。「紅」の英語詞部分を、聡実が大阪弁で訳したのは秀逸でした。あの大阪弁ならではの哀愁漂う感じ…あれは映画の中でも重要ポイントになっていた気がします。

それにしても聡実役の齋藤くんは、”めっけもん”でしたねー!変声期を迎え、ソプラノがキレイに出せなくて悩む思春期の少年の心の機微を巧みに演じていました。″彼なくしてこの映画は成り立たなかった″と言っても、過言ではないと思います。

たった二時間弱の映画の中でそこまで変化したように感じるのは変かもしれませんが、映画の冒頭と終わりとでは顔つきや体つきさえ一つ大人の階段を登ったようにすら感じるほど、少したくましくなったように見えました。

綾野剛はこの手のヤクザ系の役どころはお手のもんでしょうけれど(笑)、”狂児”という名前ゆえに道を踏み外してしまった悲哀も感じさせる、”あの独特の目”が今回の役をさらに魅力的に見せてくれていましたね。

狂児はヤクザながら心根は優しいということが当たり前にこちらに伝わってきたからこそ、聡実との不思議な友情が成立したと感じたので…。

綾野剛の「紅」の歌唱シーン、頑張ってました(笑)!「紅だぁーーーっ!!」の雄叫びは喉を相当酷使したと思います。全編”裏声”の「紅」、聡実の「気持ち悪いです」のひと言は改めて観て笑えました。

ヤクザの皆さまが「先生」と呼ぶ聡実にカラオケ指導されているシーンは、予想通り大爆笑でした。テレビレベルで笑ってしまったので、大きなスクリーンで観て笑わないわけがありませんよね(笑)。

リズムにピッチに毒舌・聡実に一人一人的確に指摘されている姿は、ヤクザとは思えないほどの″かわいらしさ″がありました。

やべきょうすけ演じる唐田の「白日」の歌い出し、知っていながらも最高でした。聡実の「カス」のひと言も(笑)。

キャストは皆さん素晴らしかったですね。ヤクザ軍団の面々、ヤクザの組長を演じた北村一輝、聡実の両親を演じた坂井真紀と宮崎吐夢。狂児の父親役の加藤雅也の存在感。

合唱部の面々もみずみずしい演技で好演していました。特に聡実につっかかる和田役の後聖人くん、映画部の栗山役の井澤徹くん。二人の演技は印象に残っています。

狂児が事故で死んでしまったと思った聡実が歌った渾身の「紅」は、鳥肌が立って泣けました。後半高音がキツくなってきた感じも非常にリアルで、まさに狂児に捧げる”鎮魂歌”でした。……でも、結局組長のおちゃめな嘘だったんですが(笑)。

ミナミ銀座が無くなり、狂児との連絡もつかなくなった二人がどうなるのかと思っていました。エンドロールの後に二人が電話するシーンがあり、狂児の腕に彫られた”聡実”の二文字にはクスッと笑えました。カラオケ大会、最下位だったんだなーと。

二人の友情はこれからも続いていくような、そんな余韻が残されたエンドに乾杯!

映画『カラオケ行こ!』。劇場で観られて本当に良かったです。以下は第4弾入場者プレゼントでもらったステッカー。

第4弾入場者プレゼントでもらったステッカー

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