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登場人物それぞれの内面の変化がまぶしかった、ドラマ『セクシー田中さん』最終回
ドラマ『セクシー田中さん』の最終回。あっけない終わり方のようで、登場人物それぞれの内面の変化が輝く”笑顔”に象徴されていたように感じました。
ドラマ『いちばん好きな花』もそうでしたが、”出逢い”って人を変える不思議な力があるんですよね。
田中さんも、人生ずっと地味で友だちも彼氏もいなくてもいいと思って孤独に生きてきた人でした。ベリーダンスに出逢うまでは…。
このドラマの初回で田中さんが朱里に言った言葉。
「曲がった背筋を何度も、何度でも伸ばそうって思った。ベリーダンスが魔法をかけてくれたんです」
この”背筋を伸ばす”がキーワードのようにたびたびドラマの中に出てきましたよね。
歳を重ねたというだけではなく、人間自分に自信が持てなかったり凹んでたり…そういうときって背中が丸まって下を向きがちになると思います。
だから前を向いて背筋を伸ばしてさっそうと歩こうとしてみるだけで、なんだか自分に元気を与えられるような気になりますよね。
最終回でも、田中さんが朱里に言ったこの言葉がとても印象に残りました。
「目線を上げたら、いつも新しい世界が広がっていますね」
下を向いてばかりじゃ、大切なことを見逃してしまうかもしれません。
このドラマは登場人物それぞれが自分自身のダメな部分を分かっていながらも、何かに縛られ見て見ぬふりをして、変わることをあえて避けて生きてきたような気がしていました。
「ずっと自信がなかった。真っ直ぐ自分を見るのが嫌だった。ちっぽけでなんもできない自分を自覚するのが嫌だった」朱里。
でも田中さんとの”出逢い”によって朱里は結婚というゴールではなく、メイクアップという自分の夢を見つけて一歩を踏み出しました。
「京子さんに教えてもらったの。退屈な毎日を変える魔法…をね.」笙野のお母さんの心まで変えてしまった田中さん。
「一つ一つは些細でも、たくさん集めれば生きる理由になるよって…京子さんがね。そう教えてくれたのよ。あれから毎日、生きる理由を集めてる。あなたに埋めてもらわなくても、お母さんもう平気だから…。行きたい場所に行きなさい。好きな場所で歌って踊って、泣いてケンカして…」
三好さんと笙野の会話も、人生観変わるようなセリフ満載でした。田中さんにキスを拒絶された理由を、本当は三好さん分かっているかのような大人の男のアドバイスでした。
「みんな、それぞれ自分の人生を生きるしかないんだ。誰かの人生にハマるなんて、苦しいよ」
「彼女は自由で大胆で強くて、どこにでもいける人だから。だから、一緒にいると楽しくて、自分まで自由になれたような気がしてたんですけど…」
「無難な人生なんて、僕は存在しないと思うけど」
笙野は母と三好から言われたように「無難な人生」を歩むための結婚を選択するのではなく、自分らしい生き方をしていこうと決心しました。
みんな田中さんと”出逢い”、自分の中の何かから解放され、吹っ切れた感じが観ていて心地よかったです。
田中さん自身も、かねてからの夢だったダンス留学へ迷いなく突き進んで行く道を選んだ…その潔さもカッコよかった!!
田中さんと笙野か三好さん、どちらがくっつくとかそういうエンドではないのが、いかにもこのドラマらしかったですよね。
三好さんと笙野への自分の気持ちが分からなくなり、ベリーダンスをうまく踊れなくなってしまった田中さん。朱里に誘われて友だち同士の楽しい時間を過ごす中、朱里が言った言葉が二人の友情の深さを物語っていて素敵でした。
「でも、それでももし背筋が曲がりそうになったら、あたしがいつでも駆けつけます。何度でも、何度でも。田中さんが誰を選んでも、選ばなくても、どこに行っても、どんな人生歩んでも、あたしは一生田中さんの味方です」
その後の田中さんの「私も倉橋さんの味方です」という言葉で、二人がお互いにお互いの生きざまをリスペクトし、応援し合っている絆が感じられました。
小西と進吾も朱里が変化したことによって自分たちを見つめ直し、周りから見られる自分のイメージばかり気にするのではなく、素直な自分の心に従って生きられるようになった気がします。
田中さん、ベリーダンスを踊るときにずっと”バッチリ・メイク”をしていたけれど、クリスマスイベントでも、結婚式で踊るときも、少し”ナチュラル・メイク”に変わっていました。
メイクをして普段とは違う自分になることでベリーダンスを踊ってきたけれど、もう”バッチリ・メイク”をする必要はなくなって、ありのままの自分でベリーダンスを踊る自信がついたのかな?と感じました。ありのままの自分のことを、やっと好きになれたのかもしれませんね。
登場人物みんな″背筋を伸ばして″生きていく術をそれぞれ手に入れられたような、そんなハッピーな最終回にあっぱれ!でした。
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