見出し画像

地方の仕事 (2024年の抱負)

1月1日に起きた能登半島地震で被災された方々に、心よりお見舞い申しあげます。金沢大学在学中に親しんでいた能登の地を襲っている未曾有の事態を未だ受け入れることができていません。ただただ無力感に打ちひしがれる日々ですが、いつ、どんな形であっても、自分にできることを見つけた際には、心を込めた恩返しをできればと考えています。

仙台港の近くで初日の出を拝みました

2023年は厳しい結果に

元日から続いた惨禍に、正月気分も吹き飛んだまま仕事始めを迎え、数日が過ぎました。気がつけば今年を展望するどころか、昨年の活動も総括できていませんでした。

2023年はフリーランスでライターを生業とする自分にとって、どんな年だったのでしょうか?
振り返る方法はいくつかありますが、手っ取り早く、会計ソフトで明らかになっている数字を用いれば、厳しい年だったと言わざるを得ません。要因はシンプルです。既存のお客様からの受注件数が増えない一方、新規の営業もまた芳しくなく、売上は落ち込みました。

稼働が減り、空白の増えたカレンダーを埋めることになったのは、「家のこと」です。春先に高齢の家族が体調を崩して以降、年末にかけてバタバタしなければならない事態が相次ぎました。家の慌ただしさにかまけて、業務面の充実に向けた行動を怠っていたことは否めません。何もしていなかったわけではなく、新しいチャレンジをすることもできましたが、経済的な意味での「成功」には直結しませんでした。

仙台駅前

【東京】仕事のレベルが違いすぎる【地方】

売上低迷に落胆しつつ迎えた昨年末、都内で働く同級生が子どもたちを連れて仙台に帰ってきました。勤め先は、誰もが知る大手情報通信企業です。高校で出会ってから15年以上の付き合いですが、どこを切り取っても本当に「いいヤツ」なので、これまで特にやっかみを感じることも無く、今に至ります。
今回も子どもたちと遊ばせてもらいつつ会食を楽しんだ帰り道、「東京と地方(ここでは仙台)の格差がヤバイよねー」という世間話をしていたところ、彼は少し言い淀みながら本音をこぼしました。

「……正直、東京と地方じゃ仕事のレベルが違いすぎるからさ。帰ろうと思えないんだよね」

地方の人にありがちな「東京」の第一印象

ははは。

「んだねー(笑)」と同意しながら、自分も間違いなく「地方」の「レベルが違いすぎる(もちろん低い)」側に含まれている現実を直視しないわけには行きませんでした。
東京(都心)視点では時間が止まっているかのような地方経済の中にいて、そこですら十分な働きをできていない我が身を恥じました。
友人がすっかり都会の絵の具に染まり、日本経済を牽引しているのは素晴らしいことです。でも、その彼に「お前も(対等に)頑張っているね」とは認めてもらえていない、ということが明らかになったようで、今までになく悲しい気持ちを覚えたのでした。

ただ、事の本質を東京と地方のビジネスに関する、あらゆる格差そのものに求めるべきではありません。原因は、長年の友人にさえ自分の仕事を誇らしく語れていない私にあるということを自覚しなければ、この先の方針を誤り続けることになるでしょう。今の私であれば、仮に明日から東京の最前線に送り込まれたとて、来週には尻尾を巻いて帰ってくるだけです。
「大宮より南は、魔境だぁ!」…って。

魔境の入り口

2024年も「地方」で仕事をするけれど

冗談はさて置き、私は今年も、地方都市・仙台を拠点に、ライター業に勤しみます。仙台・東北の生活者だからこその視点を大切にしながら、地方の未来をより豊かで明るいものにしていきたい、という基本的なスタンスは堅持するつもりです。地域経済誌様の記事制作や、代理店様経由でいただいている地方中小企業様の採用広報の仕事は、引き続き大事に思い入れを持って取り組みたいと思います。他にも、大好きな東北や地方圏の営みに貢献できる仕事をどんどんしていきたいものです。そして、仙台の楽しくて頼もしい仲間たちと、地元ならびに業界を盛り上げていく「企み」にも本腰を入れて取り組みたいですね。

一方で、先程のエピソードが典型ですが、地方にいることを何らかの「言い訳」にするような生き方とは決別しなければなりません。東京が、地方が、などと考えてしまうこと自体、自らの仕事そのものに胸を張ることができていない現れだと思います。

2024年の目標は、「自分の仕事を心から誇れるようになること」です。

地方も都会も、できれば国境も関係なく、社会にどのような価値をもたらすことができるか、ためらわずにチャレンジしていきます。

次の年末も帰ってきてくれるはずの友人に、
「こっちも頑張っているよ!」と、良い報告をしなければ。

この記事が参加している募集

ライターの仕事

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?