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熱中症対策の最前線!?建設現場に学ぶ、体を守るアイデア

今年も梅雨明け前からかなり暑い日が続いていますが、みなさん体調は大丈夫でしょうか?
早くも梅雨明けした地域では、いよいよ本格的な夏がやってきます。

この夏は、3年ぶりに開催されるイベントに参加する方や、久しぶりに子どもを連れてたくさんおでかけをする予定の方も多いのではないかと思います。

そんな久しぶりのお出かけでとくに心配なのが、熱中症ですよね。

一般的な熱中症対策として、飲み物を持ち歩いている方は多いと思いますが、実は、熱中症対策はどんどん進化しているんです!

その最も進んでいる場所の一つと言えるのが、「建設現場」です。

仕事柄、屋外での作業や、空調がきかない完成前の屋内での作業がある建設業では、これまで国や業界を挙げて、全力で熱中症対策に取り組んできました。
そんな建設業で行われている対策の中に、私たちの生活にも取り入れられるものがありました。

今年は「最前線」の対策を取り入れて、しっかり熱中症を予防しましょう!

そもそも熱中症って?

条件次第で、常にだれでも熱中症になる可能性があります。

●熱中症とは

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、 救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。

※引用:厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト

真夏だけでなく、暑さに体が慣れていない時期のちょっとした暑さや、湿度が高いとき、風が弱いときなどにも体温調節がうまくいかなくなり、熱中症になることがあります。

熱中症になると、重度から軽度まで、以下のような症状が出ると言われています。

1. めまいや顔のほてり
2. 筋肉痛や筋肉のけいれん
3. 体のだるさや吐き気
4. 汗のかきかたがおかしい
5. 体温が高い、皮ふの異常
6. 呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
7. 水分補給ができない

※参考:(一財)日本気象協会 熱中症ゼロへ「熱中症の症状


ポイントを押さえた予防が大事

熱中症は、子どもや高齢の方だけでなく、健康な大人でさえ命を落とすかもしれない怖い病気です。
しかし、ポイントを押さえてしっかり対策すれば、未然に防ぐことができます

熱中症を予防するには、以下のようなポイントに気を付けましょう。

◎ 暑さを避ける
◎ 服装を工夫する
◎ こまめに水分補給する
◎ 日ごろから体調管理・ 暑さに備えた体づくりをしておく

なお、「新しい生活様式」としてすっかり定着したマスク着用ですが、暑い時期には熱中症のリスクを高めます。屋外で、周囲の人と十分な距離(2m以上)がとれる場所では、適宜マスクをはずして休憩しましょう。

※参考:
(公社)全日本病院協会 みんなの医療ガイド「熱中症について」、
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン「熱中症は予防が大事!「3密」を避けながら、十分な対策をとりましょう


マネしたい!建設現場ですすむ、意外と知らない熱中症対策

「帽子をかぶったり、水を飲んだりはしていたけど、もっと『ポイントを押さえた対策』をするにはどんな方法があるの?」

そんな疑問にこたえるべくリサーチしたのが、熱中症対策の最前線を走っているともいえる「建設現場」

そこで行われているたくさんの熱中症対策の中から、私たちの生活やレジャーで取り入れられそうなものを、【行動編】【グッズ編】に分けて、いくつかピックアップしてみました。

意外と知らなかった・やっていなかったものが多いかもしれません、ぜひマネしてみてくださいね!


ちょっとした心がけで天地の差!【行動編】

熱中症対策の中でも、お金も時間もかけずに、今すぐ取り入れられるのが【行動編】のいいところです。

建設現場で実施されている対策をもとに、私たちが日常の中で取り組める行動として、以下の5つをご紹介します。


1. 早出・早帰り

建設現場では、できるだけ涼しい時間に作業ができるように、出勤時間の前倒しをする「早出・早帰り」に取り組んでいます。

これを参考に、熱中症危険度が高い日の外出は、できるだけ早い時間に出かけて、そのぶん早く帰ってくることを心がけましょう。比較的涼しい午前中に用事を済ませることで、一番暑い時間帯での活動を避けることができます。

なお、出かける前にはしっかり水分・朝食をとりましょう


2. こまめな休憩

建設現場では、1時間に1回の休憩をとるようにと、声掛けがすすめられています。

このように、暑い中で活動するときは、たとえ体調が悪い自覚がなくてもこまめに日陰で休憩をとりましょう。暑い中で連続して活動する時間を短くすることが、熱中症の対策になります。


3. 事前に熱中症対策グッズを確認

建設現場では、全員が集まる朝礼時に熱中症対策グッズを確認したり、休憩所の扉に熱中症対策キットの設置場所を明示したりなどの対策がとられています。

これにならい、最近暑くなってきたなと思ったら、家に常備している熱中症対策グッズとその置き場所について、家族で確認しましょう。
家の中や近場の外出でも、条件によっては十分熱中症になる可能性があります。家族それぞれが、いつでも対策できるようにしておきましょう。

また外出前にも、持った対策グッズ・入れた場所を、できるだけ同行者みんなで確認しましょう。せっかく対策グッズをそろえたなら、常に使える状態にしておきたいですよね。


4. 出発前に体調チェック

建設現場では、体調チェックシートを活用したり、管理者が現場の一人一人に聞き取りをして体調を確認したりといった対策を行っています。

このように、暑い日の外出前には、欠かさず体調のチェックをしましょう。
普段元気な人でも、寝不足や、ダイエットなどによる栄養不足、その他ちょっとした体調不良などで、熱中症の危険度は一気に高まります。

楽しいはずの予定も、倒れてしまっては元も子もありませんので、時には勇気をもって予定をずらすなどの決断も大切です。


5. スマホアプリやメール配信サービスを活用

建設現場では、スマホの熱中症予防アプリやメール配信サービスを活用して、熱中症の注意喚起を行っています。

私たちの普段の生活でも、環境省が発表している暑さ指数などの客観的な数値を知ることは大切です。
現在は様々なスマホアプリがあり、暑さ指数をはじめ、時間ごとの熱中症危険度や、日よけルートを検索できるものまであるので、気に入ったものを使ってみましょう。

携帯電話を利用されている方や、アプリをたくさんダウンロードしたくないという方には、環境省の「暑さ指数メール配信サービス」の利用もおすすめです。


※参考:国土交通省 大臣官房 技術調査課「建設現場における熱中症対策事例集(平成29年3月)


どんどん進化してる!【グッズ編】

ここからは、熱中症対策に役立つグッズをご紹介します。

「建設現場で使われているものって、日常生活で参考になるの…?」と思いきや、意外と取り入れやすいものばかりなんです!


1. 着用するグッズ

建設現場では安全のため、夏でも長袖の作業着を着用します。

そこで暑さ対策のため、ファンのついた涼しい作業着やヘルメットを、作業員に配布する動きが広まっています。ほかにも、冷却タオルやネッククーラーなど、一般的には目新しいグッズもかなり普及しています。

最近のアウトドアブームで、ワークウェアのブランド以外からも、ファンのついたおしゃれな服がたくさん出ています
子ども用にもデザインに凝ったものが出ているので、タオルなども合わせて、涼しい親子おそろいスタイルもいいかもしれませんね。


2. 常備しておくグッズ

おなじみの経口補水液や塩飴は、建設現場の休憩所でも定番アイテムです。仕事中は、パッと食べられる塩タブレットが人気のようですよ。

またこのほかに、瞬間冷却パックや体温計などが入った「熱中症対策キット」も常備されています。

屋外でのレジャーとなると、ドリンクや塩飴・タブレットを持っていく方が多いと思いますが、ちょっとしたおでかけの際もカバンのポケットに忍ばせて、いつでも補給できるようにしておきましょう。

レジャーの際はこれに加えて、「熱中症対策キット」にも入っている瞬間冷却パックや体温計、冷却スプレーも用意するのがおすすめです。


3. 携帯型の熱中症計

建設現場では、作業中もリアルタイムで熱中症の注意を呼びかけるため、熱中症計を携帯している作業責任者がいます。

熱中症計の形やサイズは様々ですが、カバンに着けられるものや、アラーム機能がついているものもあり、価格は1,000円台から販売されています。

危険を教えてくれる存在として、家族やグループで一つ持ってみてはいかがでしょうか。


4. ファン&ミスト

休憩所だけでなく、作業場所にもファンやドライミストなどを設置し、少しでも涼しく作業できるようにしている建設現場もあります。

屋内でも屋外でも、風が弱いときは体の熱が逃げにくく、危険です。家の中でも熱のこもりやすい場所、例えば脱衣所などにも扇風機を置くなどして対策しましょう。

また、持ち運びに便利なハンディファンは、ミストも出せるものなら、より体の熱を逃がす効果が期待できます。


5. 遮光ネット・遮光テント

建設現場の中でも、日陰が少ない現場や休憩所から離れた現場では、遮光ネットや簡易テントなどで日陰を確保しています。

スポーツや音楽イベントなどで、日陰の少ない場所に長時間いる場合は、遮光性の高いテントや遮光ネットなどを使って、簡易的でも日陰を確保しましょう。


※参考:国土交通省 大臣官房 技術調査課「建設現場における熱中症対策事例集(平成29年3月)


対策には、けっきょく意識づけが大事

ここまで、建設現場の取り組みから、私たちがマネできる熱中症対策をご紹介してきましたが、結局のところ、自分の体を守れるのは自分だけです。

自分を含め、大切な家族や友人を守るためには、まず熱中症対策を一人ひとりがしっかり意識するのが、なによりも大切です。


「リーダー制度」で楽しく意識づけ

だれかに意識を持ってもらうよう働きかけるのは、難しいですよね。相手が子どもだと、なおさらだと思います。

ここでひとつおすすめしたいのが、「熱中症対策リーダー」をつくってしまうことです!

実際、ネーミングは「対策ヒーロー」でもなんでもよく、大切なのは子どもが自分から取り組んでくれるということです。
「熱中症をやっつけるリーダーをお願いしたいな」と頼めば、子どもは少しうれしそうに、率先して声がけをしてくれるかもしれませんよ!(くれぐれも大人のバックアップは必須です)

子どもに限らず、友達同士でアウトドアなどに出かけるときも、予約担当やリサーチ担当のように、「熱中症対策担当」をつくってみるのもおすすめです。


ちなみに、建設現場の「対策リーダー」は?

ところで、たくさんの人が働いている建設現場で、これだけ様々な熱中症対策ができるのはなぜなのでしょうか。
お察しの方もいらっしゃると思いますが、実は、建設現場にも熱中症対策をひっぱる「リーダー」がいるんです!

建設現場における「熱中症対策リーダー」の役割を担っているのは、「施工管理」や「現場監督」という職業の人たちです。

施工管理や現場監督は、建設現場の責任者として、みんなが熱中症にならない現場環境を整えたり、朝礼や作業中に注意喚起をしたりと、「みんなが安心して作業でき、工事がスムーズに進むための管理」を行います。

一言でいうなら、「建設現場というチームをまとめる頼れる存在」ですね!

工事をスムーズに進めるための施工管理・現場監督の仕事は、安全管理のほかにもあり、工程管理・品質管理・原価管理なども同時に行っていきます。

仕事の幅が広いぶん、様々な能力を活かすことができ、みんなをひっぱるリーダータイプ、周りを味方にできる協調性タイプ、頭脳派コツコツタイプなど、様々なタイプの施工管理・現場監督が活躍しています。

なお、「施工管理」と「現場監督」の仕事内容に明確な違いはありませんが、以下のように区別されることが多いようです。

【施工管理】
●書類作成などのデスクワークも含め、工事に関わる全ての管理を行うイメージ
【現場監督】
●主に工事現場の管理を行う「現場の司令塔」といったイメージ

施工管理や現場監督について、もう少し知りたくなった方はこちらもご覧ください!
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しっかり対策をして、楽しい夏を過ごそう!

今回は、熱中症対策の「最前線」ともいえる建設現場をお手本に、今すぐ取り入れたい熱中症対策をご紹介してきました。

年々暑さが厳しくなるとともに、対策もより一層気が抜けなくなってきています。久しぶりのレジャーはもちろん、普段の生活にも、新しい行動やグッズを積極的に取り入れていきたいところですね。

ぜひこの記事を参考に、しっかり熱中症を予防して、楽しい夏を過ごしてくださいね!


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