自分の履歴書⑭ 自らの成功体験に毒される
この記事は栄枯盛衰、数年続いた最良の社会人生活から徐々に転落していく記事です。
プロダクトマネージャーとして批判しかしなかった
自画自賛のような話ですが、本当にうまく行き続けていました。ありがたいことに私はデザイナー兼プロダクトマネージャーという役割をいただいていました。しかし、やっていたことと言えば方針を指し示すこともなく、アイデアも出すこともなく、批判ばかりを言っていました。
成功体験とは毒のようなもので、徐々に私の意思決定をむしばんでいたのです。プライドは異常に高くなり、自分の成功実績でしか語らない人間になっていました。新しい知識を学習することも皆無でした。そんな学習よりも、私の成功事例の方が役に立つと考えていたからです。
知り過ぎているがゆえに批判しかできない
長く同じプロダクトに関わっていると、仕様や構造を知り過ぎてしまい、実現不可能とか、全体のバランスが悪くなるとか、やらない理由ばかり言い出します。
また、過去の経緯も知り過ぎてしまっていることも仇になりました。それ、前にやったけどダメだったから。と言う人いませんか? 前にやった時のやり方をちょっと変えればうまくいくかも知れない、世の中のトレンドが変わったから再度やれば成功するかもしれない。
私はこのような可能性を率先してつぶしてしまいました。
使えないオジサンになっていた
私は若い頃、社内で役職者なのにダメな人だな、と思う人を見て来ました。良い給料をもらっているはずなのに、こんな金食い虫のような役職者にはなりたくないな、と。しかし、まさに今私はそういうダメな人間になっていました。使えないオジサンです。
もし皆さまの近くにもそういう人がいたら、今はダメでも過去に大きく会社に貢献したことがあった、と思ってほしいです。その成功を維持できなかったり、うまく立ち回れずに落ちぶれてしまった人なのです。
一世を風靡したお笑い芸人が、ある時から本人は面白いことはせずに司会にまわるケースがあります。これもきっと同じ問題があるからなのかもしれません。
心のダイエットが必要
例えるなら、成功体験という心地よい温泉に浸かったまま、のぼせ上がってしまっている状態です。もう自分では身動きが取れないくらい「心の肥満」のような状態になっていました。自分でも実感していましたから、周囲の人はもっとそう思っていたことでしょう。
心のダイエットをしないといけない。分かってはいるのですが、心地よい温泉から自ら抜け出すことはできませんでした。
そんな中での異動通知でした。
温泉から引き上げてくれました。温泉は気持ち良かったことでしょう、もうダイエットをしないとね、そう言われたような気持ちでした。
6年間の移動交通部署での日々、40歳を過ぎました。
社会人40代前半へ続きます
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