中部地方の石造物⑥:清浄寺宝篋五輪群(勝間田氏の墓)

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名称:清浄寺宝篋五輪群

伝承など:勝間田氏の墓

所在地:静岡県牧之原市道場 清浄寺


静岡県中西部は、宝篋印塔の関東形式と関西形式の境目にもあたり、この地域には他では見られない特殊な形式の石塔が散見される。

それが「宝篋五輪」と通称される五輪塔と宝篋印塔を合わせたような形式の石塔であり、後に今川氏や徳川氏など、駿遠地域を領有した大名家の墓石にも用いられた。

この石塔を宝篋印塔の変形と見るか、五輪塔の変形と見るかは議論の分かれる所であるが、塔身が何かによって石塔を分類を行う立場にたてば、これは五輪塔の派生系になり、一方で宝篋印塔の派生と見る論者の中には「球身式宝篋印塔」と呼ぶ者もいる。

いづれにせよ、静岡県以外では徳川氏ゆかりの東京の一部の寺院にしか事例がない石塔であるが、この宝篋五輪で構成される墓所が牧之原市の清浄寺にある。

それが清浄寺本堂裏の墓地内にある勝間田氏の墓で、鎌倉時代末期から南北朝時代の石塔で構成されている。

石塔は建武・観応・文和などの銘文を刻むが、各地に散在していたものを清浄寺に集めた際に組み直したものであるため、必ずしも各部パーツは元のままではない。

勝間田氏は鎌倉時代から同地に土着した豪族で、室町時代の文明年間に今川義忠によって滅ぼされて没落した。


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