乳のみにて生きるにあらず
現在のモンゴル高原にあたるユーラシア大陸中央部には、かつて巨大な国が存在していました。おそらくは歴史の授業ですこし耳にしたことがあるかもしれませんが、匈奴の築いた遊牧国家 (紀元前3−紀元後3世紀ごろ) や、チンギス・ハーンのモンゴル帝国 (紀元後13−15世紀ごろ) が、そうしたものにあたります。家畜を放牧して、乳製品を食べ、馬に乗って早く長い距離を移動する「遊牧民」が、広大な地域を治めていました。現在のモンゴルに対する一般的なイメージも、馬に乗って牧畜をする「遊牧民」とい