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【ライブラリ】notes

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2023年1月の記事一覧

Sign Magazineの年末ベストで段落分けされてなかったのが悔しいので段落分けして自分のnoteにもアップしてみるの巻

昨年度(2022年)末にSign Magazineの年末ベストのレビュワーとして参加したんですが、段落分けが反映されていませんでした。というか2021年の時も反映されていなかったので「あ、来年は気をつけなきゃ」と思ったはずなのにすっかり忘れてました・・・。  段落分けって実は重要で、あるとないとで読み心地がだいぶ変わります。Sign Magazineの更新が昨年末で終了してしまったので次がありません。ちょっと悔しいなと思っていたので、勝手に段落したものをこちらにアップします

発酵という『中動態』の営み

今日は、発酵について。 山口周さんと原研哉さんの対談記事の中で『中動態』という言葉が出てきました。 発酵・醸造はまさにこの「中動態」の表現が多いと感じます。 味噌を造るというと能動的で、味噌の立場に立てば「味噌として作られる」が受動態でしょうか。 しかし、私が種麹の営業の前線にいたときなど、お客様の表現として「味噌になる」「醤油になる」といったような、「~になる」という表現を、自然と用いることが多かったように感じます。 対して、『麹』は「麹を作る」と能動的な表現で語

アカデミー賞、作品賞ノミネート10作品!

今年のアカデミー賞ノミネート作品が発表されました。 日本ではまだ公開されてない作品も多いですが、もう評価されてるって分かってるから、これから観れるというのは楽しみでもあります。 そんなアカデミー賞ノミネートでやっぱり気になるのが作品賞。その作品賞ノミネート作品の10本を紹介してみたいと思います。 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3/3公開)こちらは今回の大本命の作品です! この監督・脚本は、あのトンデモ映画『スイス・アーミー・マン』のコンビです。だ

湯けむり絵画論!好きに見ようよ、好きな絵を(後編)

(前編はこちら) 好きな絵の話をするのは楽しい。嫌いな絵の話をするのも楽しい。好きな絵のどこをどうして好きなのか、嫌いな絵のどこがどうして嫌いなのか。なんとなくで済ませるところをしゃべりあったらもっと楽しい。 昨年12月に西荻窪の今野書店で行われた、伊野孝行×南伸坊『いい絵だな』刊行記念おしゃべり企画「湯けむり絵画論!好きに見ようよ、好きな絵を」の様子をダイジェストでレポートします。司会は今野書店の花本武さんです。(なお、話の順番や発言は当日と全く同じではありません) 浮世

ランガー『シンボルの哲学』を読む(1)

第1章 新しい基調 1-1 思考の枠組み 井筒俊彦は、文化的枠組み機構と言語的枠組み機構はイコール関係にあり、あるひとつの文化=言語の中で生まれ育った人間は、無意識的に、その所属する文化・言語の影響を受け、彼の世界観を構成する、とその著書『意識と本質』で述べている。 ランガーが第一章の冒頭で提起するものは、井筒の指摘に非常に近接しているものであるように思われる。彼女のその提起とは、ある特定の問いを発する場合、「思考の枠組み」(p. 32.)があらかじめ前提されており、そ

『コロコロコミック』がゲーム雑誌になっていた

『月刊コロコロコミック』という雑誌があります。 45年の歴史を誇る雑誌で、現在も付録の強い号は100万部以上を発行することがあります。日本雑誌協会の印刷証明付部数データにおける2022年7月〜2022年9月(最新)の平均でも、全コミック誌(少年向け・少女向け・男性向け・女性向け)の中で『週刊少年ジャンプ』『週刊少年マガジン』に次ぐ3番手ですから、人気雑誌と言えるでしょう(月刊・週刊とかを考慮すると別ですが、一旦平均部数だけを見ています)。 ちなみに、全ジャンルを見ても『月刊

【電子書籍】光文社新書1月新刊発売記念フェア

皆さま、こんにちは!光文社の電子書籍担当の佐藤です。 光文社新書の1月新刊の電子書籍、配信開始しております。 今月の新刊は4冊。今月も紙書籍と電子書籍、同時発売です!編集部の皆さま、本当にお疲れ様でした!!!! 1月新刊の発売にあわせ、「光文社新書1月新刊発売記念フェア」も実施中です。 光文社新書1月刊をご紹介いたします。 平山瑞穂/エンタメ小説家の失敗学小野貴也 /社会を変えるスタートアップ中野円佳/教育大国シンガポール湯澤規子 /「おふくろの味」幻想光文社新書1月新

旅とブンガク|太宰治に呼ばれて東京・三鷹と青森・津軽へ

これを「呼ばれた」と言わずしてなんというのだろう。 2022年、それぞれ別の目的で行ったところがたまたま、太宰治ゆかりの場所だった。太宰治が晩年長く暮らした町・三鷹と、太宰治が生まれた土地・津軽。 太宰治に影響されたイタすぎる中高生時代文学好きあるあるだと思うのだが、10代の頃は太宰の作品にけっこう影響を受けていた。国語の授業中に教科書じゃなくて、こっそり太宰の小説を読むのがかっこいいと思っていたイタすぎる中高生時代。読書感想文ではじめて県で表彰されたのも太宰治の『斜陽』

歴史のことば No.19 「今日の気候変動は別の意味で歴史の産物でもあるのだ。」

人新世という言葉が、だいぶ知られるようになった。 自然科学の用語なのだから定義がしっかりしているのかといえば、そういうわけではない。学術的には、かなり込み入った論争を含むやっかいな言葉でもある。 だが、「人間が地球におおきな影響を与える時代」という意味として、おおかた流通しているようだ。 すべての流行語がその道をたどるように、言葉の送り手と受け手のあいだで、必ずしも意味の一致をみないものの、それとなく流通している。そんな「言語ゲーム的状況」にあるのが、現状の「人新世」の使わ

農産物と同じはずの“繊維産地”が、ほとんど知られない理由

2023年はこちらのnoteをスタートしまして、今日は2回目の投稿をさせていただきます。 ふだん、取材いただいた時や、どこかで何かお話をさせてもらう機会があると、滔々としゃべり続けるので、たしかに僕自身がHUISをはじめてから考えるようになって、アウトプットしたいことがたくさんある気がします。 なのですが、具体的に何かを質問されると考えていたことを思い出していろいろ話し始めるものの、ふだんは思い出そうと思ってもすぐ思い出せないので、なにか聞かれて話す機会があった時などに、

アフタヌーンってどんな雑誌問題

 アフタヌーンの編集長、金井暁と申します。ちょっと思い立ちまして、マンガについて考えたことなどを実話や経験とあわせて書いてみようと思います。  昨年2022年12月5日、渋谷LOFT9のイベントに高松美咲さん、幸村誠さんと一緒に、マンガ大好き芸人・吉川きっちょむさんのお招きで登壇しました。その際きっちょむさんから、 「アフタヌーンってどんな雑誌ですか?」 と質問され、正直うまく答えられませんでした。 「お前、編集長だろ!?」と言われても致し方ないのですが、アフタヌーンは言葉に

2022年に読んだ本からオススメの10冊

去年(2021年の読書まとめ)に読書欲が復活してから、それなりに読書を継続している。ケニアに住んでいる間は生活の一部に読書があるし、旅をしている間も、隙間時間はそれなりに読書が埋める。 今年はケニアから出発して、一度帰国して宮古島に。ラスベガスへのポーカー長期遠征を経て、メキシコを横断。そのままコスタリカに入って、結局、年末まで中南米で過ごした。一週間ほど前に日本に帰ってきたけれど、また来週からは韓国へポーカーの旅に出る。 テスカトリポカ(佐藤究)ジャンルを問わず、今年一