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【治安悪さ世界13位セントルイス生活 ②】拳銃を頭に突きつけられる黒人

僕が住み始める数か月前、
セントルイスでは何もしていない黒人の少年が白人の警官に撃ち殺されるという事件が起きていました。

「自分にはそんな物騒な事件関係ないこと」
そんな意識で日常を過ごしていたのですが、
僕自身も目の前でそれに近い光景を見ることがありましたヽ(゚Д゚;)ノ!!

電車に乗っていた時のことです(^-^)
僕はドアのすぐ横に立っていました。
次の駅が近づいてきてホームを見ていると、
「こんな大きさのん売ってんの(°д°) !」
と目を疑うくらいの大きさのヘッドフォンをした
二十歳前後の黒人の細長い体系の男性が人が、
電車の中から見てもはっきりわかるノリノリ度合いで歌っていました。

電車は止まり、その青年は僕の立っているドア越しに乗るのを待っていました。
そして電車に乗ってきました。
まっすぐ歩いていくと思いきや電車に乗るなりクルリと90℃回転し、僕の方に向かってきました|д゚)

驚きの余りその時の彼の動きはスローモーションのように見えました。
「え、急にこっち向いて近づいてくるで。
え、まだ近づいてい来るん?
まだ?
まだ?
止まってよ!」

心理学ではパーソナルスペースは45cmと言われていますが
その青年は10cmのところまで目をつぶったまま顔を近づけてきました。

そして10㎝の距離でやっと止まり、
大きな目を見開いてこう言ってきました。
「今からラップ歌うから聞いて٩(ˊᗜˋ*)و 」
もちろん嫌です(-。-;
でも僕に断る勇気なんてない。
だから答えはYes!

そうすると彼は
「OK」
と答え再び目をつぶり
更に顔を近づけてきました(°д°)

黒人のラッパーが目の前1cmで目をつむって歌っている。
壁際にいたせいで逃がれれる場所なんてありません(ーー゛)
こんな状況でゆっくり音楽を聴ける精神的余裕は僕にはない(--;)

目をつむって本当にノリノリでラップを歌う青年。
一方僕はただただ
「早く終わってくれ」とだけ念じていました。
ラップ演奏は1分くらいだったと思います。
とんでもなく長い1分でした(゜▼゜*)

歌い終わって彼は
「うまかった?」
と聞いてきました。

ラップなんて頭には一切残っていません。
でも返答に選択肢なんてない。
僕は笑顔で
「うまかったよ」

そうすると彼は、
「そうだろ、じゃあ1ドル頂戴!」
え、カネとるん!
ごっつい自信やな。
けどカネは払えん!
ちゃんと断らないと!
えーっとなんて言おう???
そーだ、ここはカード大国のアメリカ
「今現金持ってないから払えないよ(^-^) 」
そう答えると彼は「All right」と答えて僕の顔の前からは去っていきました。

あー良かったー!
めったに感じることのない本当に心の底から感じた
「あー良かった!」
でもそれで終わりってわけにはいきませんでした。

僕にしたこと。
つまり「顔を1㎝まで近づけてラップを歌う」
彼はこれを僕の隣にいた人、
その隣の人、
そのまた隣の人、
と同じことをどんどん繰り返していったんです(๏д๏)


「電車」というのはセントルイスではとても特殊な一面を持っています。
この町は人種差別が激しい街なので、
治安の悪い地域と治安の良い地域が明確に分かれています。
ですがこの町に1本だけ走る「電車」は唯一最も治安の悪い地域と、最も治安の良い地域を繋いでいるのです。

そしてこの町の警察というのは犯罪を取り締まるというよりは、
基本的には金持ちを守るといった性質があります。

だから金持ちと最も治安の悪い地域の住民が混在する可能性が高い「電車」は警官が最も注力して警備しているところの1つ!

おそらく乗客の誰かが警察を呼んだんだと思います。
ラップの青年が乗ってきた駅から2駅目に電車が到着した瞬間、
乗っていた車両の両サイドからドアが開くなり警官が走りこんできました(·◇·)
そしてその青年めがけて走っていきます(°д°)

で、
「IDを出せ!」
と言って左手の人差し指でジェスチャー!
そして右手はなんと、
拳銃をラッパーの頭に突き付けています!

画像1

(渾身の再現写真参照お願いします。)

そして
「ホームに降りろ」
と言われ連れ去られて行きました。


そのあと彼がどうなったかは結局わかりませんでした(◞‸◟ㆀ)
でも銃社会の実態を見た瞬間でした!

この時から少し思うようになったことがあります。
僕は何も知らないくせにニュースとかの話題に評論家っぽく偉そうに話すのが好きでした。
でも世の中の大きな問題の多くって自分では想像もできない環境の中で起こっている。
外野から見た光景だけでなんか偉そうように話すことは控えようって思い始めました。

そういう問題の根っこは想像よりだいぶ深いところにあって、
ニュースで知るような内容っていうのは
浮かび上がってきたほんのちょっとの上澄みだけなんだなって思うようになりました。

(トップ画像は無料画像サイト https://pixabay.com/ja/ より引用)

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