初めてのユーザー会開催にあたって考えたこと
こんにちは。株式会社スカイディスクのかんた( @seizecnt)です。
2023年8月にスカイディスクにジョインし、最適ワークスという製造業向けSaaS事業でカスタマーサクセス(以下、CS)チームのマネージャーを務めています。
最適ワークスでは、先日初めてのユーザー会を開催しました。1回目ということで、どういった内容で、どのような場にしたいかはイチから議論して準備しました。そして実際に開催し、もちろん今後に向けてもっと良くしたいポイントはありましたが、ご参加いただいたユーザーの皆さまからは「参加してよかった」「今後も参加したい」などのポジティブな感想を多くいただくことができました。
このnoteでは、初めてのユーザー会を開催するにあたって考えたことや準備したことを紹介したいと思います。同じように、これからユーザー会にチャレンジしようとされている方に、何かの参考になれば嬉しいなと思います。
ユーザー会開催に踏み切ったきっかけ
ユーザー会自体は以前から開催したいと考えていました。お客様にとっても情報交換できたり、刺激を受け取っていただけたりする場になるのですが、サービスを提供している私たちにとっても、その熱量を感じ取れる貴重な機会となり、得るものが多いだろうと思っていたためです。
そんな中、今回はユーザー様からのご相談がきっかけとなり開催に至りました。最適ワークスでは、導入事例にも登場いただいているスザキ工業所様にセミナー登壇など他の場面でもご協力いただくことが多いのですが、最適ワークスのユーザーである信菱電機様から、自社に比べ利用状況が少し進んでいるスザキ工業所様と情報交換したいというお話をいただきました。
シンプルに2社の連絡先をお繋ぎするだけというやり方もありましたが、より良いご縁になるように、場づくりのお手伝いができないかと思いました。また、せっかくであれば他にご参加されたいユーザー様がいらっしゃれば一緒にご参加いただきたいということも考え、ユーザー会としての開催を決定しました。
今回のユーザー会をどのような場にしたいと考えたか
初めてのユーザー会ということもあり、今回は「密度」と「温度」がある場にしたいと考えました。
限られた時間の中でも、なるべく双方向のコミュニケーションや情報交換をしていただく「密度」と、この場限りでなく同じ悩みや想いを持つ同士との関係性を築くために必要な空気感の「温度」を持てるユーザー会にできると良いなと感じました。そんな考えから、今回のユーザー会は多くの方にご参加いただいて大きな規模で開催するというよりも、小規模で近い距離感・密なコミュニケーションで開催する方針に決めました。
そういった方針を踏まえてご参加いただけそうなユーザー様をCSメンバーと確認・調整した結果、前述のスザキ工業所様、信菱電機様を含む3社での開催としました。
また、スカイディスクの本社がある福岡で開催するということも考えましたが、交流だけではなくて工場見学もセットで実施したいというご要望があったことを受けて、岐阜県各務原市にあるスザキ工業所様のオフィスで会議室をお借りして開催することにしました。(スザキ工業所様、本当にいつもご協力ありがとうございます!)
当日のコンテンツを決めるまで
初期は私のみが運営メンバーとして動いている状態でしたが、参加いただくユーザー様が決定したタイミングで、私以外の運営メンバーも組成しました。今回は、ご参加いただくユーザー様を担当しているCSメンバーで運営チームとしました。小規模で開催するからこそ、それぞれの企業様がどのような状況で、どのようなことに関心を持ってユーザー会にご参加いただくかの解像度が高いメンバーで構成することで、事前準備や当日の臨機応変な対応もスムーズにできると考えました。また、それ以外にも当日は弊社代表の内村と、セールスチームのマネージャーにも参加してもらうことが決まりました。
運営チームで最初に議論したこと
一番最初に、
・ご参加いただく各社様はどのようなことが知りたいのか?(ユーザー会への期待)
・自社にとってどのような場にしたいか?
を運営チームメンバーで議論し、それらを集約・整理する形で「ユーザー会のGOAL」を設定しました。
「GOAL」とは、ユーザー会を終えたときにどんな状態・気持ちになっていてほしいか、どんな収穫が得られている状態を目指すかというものです。この議論においては、ユーザー様がどんなことを知りたいと考えていて、その背景となっているのはどういった状況なのかを把握する必要があります。この時点で開催1ヶ月前というまあまあ時間は限られている時期だったものの、担当しているCSメンバーが運営チームとなっているので、当初から解像度高い情報が集まり、スムーズに議論が進んだことが良かったと思います。
この議論の結果、以下のようなGOALを目指したいと設定しました。
<ユーザー>
・他企業も同じ課題を抱えていること、その中で行っている取り組みなどを知って、自社の取り組みに対するモチベーションが高まっている状態
・最適ワークスの未来や成長に期待が高まっている状態
・運用における障壁や課題に関連した、最適ワークス活用の工夫を得られている状態
<スカイディスク>
・困りごとやプロダクトFBなど、生の声を聞けて今後のプロダクト開発や事業成長戦略に活かせる状態
GOALを踏まえて次に議論したこと
設定したゴールを踏まえて、2回目の社内MTGでは具体的なアジェンダや準備物を決めるための時間を持ちました。どのようなアジェンダを、どういった時間配分と順番で実施することで、限られた時間でGOALの実現に繋がるのかという観点で、各メンバーが持ち寄ったアイデアを元に議論しました。また、よりリラックスして皆さんがお話しできるような場にするためにも、ユーザー会を楽しくするための仕掛けとしてどんなことができるかという点にも、時間をとって議論しました。
このステップの議論では、各メンバーがGOAL実現に向けて多角的に考えたアイデアを、予想以上に多く持ち込んでくれたことに非常に助けられました。日常の業務とは性質が異なる議論だからこそ、普段とは異なる強みや姿勢を各メンバーが発揮してくれる様子が見れたことは、私自身としても嬉しいことでした。
その結果、以下のようなアジェンダで実施することが決まりました。
アジェンダで特にこだわったポイントは以下です。
①しっかり自己紹介
形式的な自己紹介に留まらず、人と人との相互理解・繋がりのきっかけの自己紹介にしたいということ、そうすることでその後のコミュニケーションも円滑にできるという狙いから、少し厚めに自己紹介を設けることにしました。
・名前
・会社、部署
・仕事内容
という一般的な項目に加えて、
・出身地と出身地のおすすめポイント
・趣味
・今一番ハマっていること/もの
を話していただくことにしました。
②工場見学を真ん中に
当初はユーザー会の最初か最後に工場見学を持ってくる構想もありました。しかし、議論していく中で、
・先に自己紹介などしていたほうが工場見学中のコミュニケーションも取りやすいのではないか
・工場見学を踏まえて新たに聞きたいことも出るだろうから、その時間も確保したい
ということになり、会議室→工場見学→会議室という、工場見学を挟むような構成に決まりました。
当日に向けて準備したこと
当日アジェンダが決まったことで、準備すべきタスクも見えてきたので、運営チームで分担して準備を進めました。こちらもいくつか紹介します。
①トークテーマ&投票用シール
ご参加いただく皆さまと一緒にその場を作っていきたいという想いから、各社様のユーザー会への期待を踏まえて事前に用意したトークテーマの中から、その場で投票して選んでいただくことにしました。その際、せっかくであれば投票用シールは最適ワークスのロゴを使いたいと考えました。しかしノベルティとしてそういったシールの用意はなかったので、今回のユーザー用に最適ワークスシールを作ることにしました。ユーザー会まで時間が限られていたことと、あくまで今回限りのシールということから、ロゴのデータを社内でもらい、コンビニで印刷してシールを用意しました。
②メッセージカード
初めてのユーザー会に、勇気をもってご参加いただいたユーザー様に感謝を伝えたい!という想いから、メッセージカードを用意することにしました。結婚式に参列された時、披露宴の座席にメッセージカードが置いてあった経験がある方も多いのではないでしょうか。そういったイメージで、手書きのメッセージカードを用意することにしました。
メッセージカードの準備においては、社内のデザイナーに協力してもらいました。突然の相談だったにも関わらず、快く引き受けてくれてとても有り難かったです。
当初、チームのメンバーがデザイナーに伝えてくれたざっくりイメージはこちらです。
この雰囲気を汲み取って、実際に仕上げてもらったメッセージカードのデザインがこちらです。やり取りをして内容詰めつつ、デザイン案を5つも出してもらった中から勝ち残りました。
これに各CS担当が手書きでメッセージを記載し、ユーザー会当日にお渡しできるように準備をしました。
この他にも、ご参加いただくユーザー様との事前連絡や、当日発表いただく各社取り組みを紹介する資料のフォロー、配布資料など細かい準備もありましたが、運営チームで手分けをして進行しました。通常業務と並行しながらでしたが、メンバー同士で声を掛け合いつつ、スケジュール通りに準備を進めてくれたので、大きなトラブルなく開催当日を迎えることができました。
実際に開催してみてどうだったか
当日は非常に雨が強い日だったのですが、大きなトラブルなく会場に集まることができ、無事に開催することができました。最初は少し緊張感のある空気もあったものの、狙い通り自己紹介をたっぷりしたことで、笑いが生まれる場面があったり、共通の趣味が明らかになったりと、徐々に和やかな雰囲気になっていきました。各社の取り組みを発表いただく時間でも、活発に質問が出てきていました。休憩時間中も、皆さまの会話が弾んでいらっしゃる様子を拝見でき、狙いであった「密度」のある場にできていることを実感しました。
また工場見学の時間でも、皆さまも普段なかなか他社の工場を見学する機会は多くないようで、興味津々に様々な質問をされている様子が印象的でした。
工場見学の後の時間では、見学で見た内容を踏まえた話もあがっており、前述の「工場見学を真ん中に」作戦は正解だったなと感じることができました。
用意していたメッセージカードも喜んでいただき、あるユーザー様からは「いつも本当に細かいところまですごいです~!」と言っていただき、「温度」がある場をつくりあげることに繋がったなと手応えを感じました。
当日の話の流れでも、「刺激になった」「自社の取り組みを考える参考になった」というお声をいただきましたが、開催後アンケートでも嬉しいお声をいただきました。
運営チームとしても開催後に振り返りを実施しました。アジェンダや各メンバーのファシリテーションによって良い空気づくりができたことなど、特に狙いとして大事にしていた部分は良い結果を得られたのではないかと振り返りました。
一方で今後に向けてもっと良くできそうなことも新たに見つかりました。
・手元スイッチや時間配分など運営しやすさに関する準備
・オフラインイベントの内容をどういう役割分担やツールで記録するか
・ユーザー会の開催を社内的にももっと盛り上げることができたはず
・もっとフリーでお話しいただく時間は多くて良さそう
また今回は優先順位を少し低めにしていたのですが、一口に「製造業」と言っても作っていらっしゃる製品によって日々の業務の難しさ・大変さは異なるところも多いので、いかにそのあたりが近い企業様を集めた場を持てるかなども、今後は一層考えていきたいという振り返りも出ていました。
今後チャレンジしたいこと
無事に第1回のユーザー会を終えましたが、今後も最適ワークスとしては継続的にユーザー会を開催したいと考えています。そこでは、今回実施できなかったことも含めて、チャレンジしたいことがたくさんあります。
・福岡でも開催したい(懇親会セット)
・ノベルティを制作してお渡ししたい
・地域ごとのユーザー会も企画してみたい(工場見学セット)
・ワイワイと作業するワークを盛り込んだ会
多くのお客様において、SaaSプロダクトを導入しただけで全て解決、ということはありえません。様々な周辺業務があったり、社内的な調整が発生したり、そういった多くのことを推進して初めて成果に繋がります。そして、様々な障壁に対して継続して向き合い続けるためのモチベーションも必要です。当然CSの支援もその後押しの一つになることを目指していますが、ユーザー会もそういった側面でユーザーの皆さまの助けになる場です。私たちが目指すのはSaaSプロダクトを導入してもらうことではなく、その先にあるお客様の業務上の問題解決だからこそ、今後もユーザー会を含めた様々な支援方法に取り組んでいきたいと思います。
情報交換、大歓迎です
普段からいろんな繋がりの方とカスタマーサクセスの取り組みについて情報交換させていただいていまして、新たな繋がりも大歓迎ですのでお気軽にお声掛けください!
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